リュウオン君が名継ぎなのかって話から
逸れましたね。
彼がそうなるとしたら
こもと叔母さんの赤ちゃんは
候補から外れると思って
彼について書いていましたが
それ以上に
僕という人間が、
彼とあまりに違うということがわかってきて
自らを省みる機会となっているところです。
リュウオン君が名継ぎになるかも、とは
ついさっき意識したことですが
なんとなく最初から
特別感を感じる人でした。
彼は不登校児の僕が
他の子たちとムリなく馴染むよう
成り行きを作っていたような気がします。
現にこの時も僕は
大勢の中に入り込んでいました。
すぐ隣には同学年の女の子がいて
やたらと話しかけてくるのに答えてる。
学校のクラスの中で
いつの間にか孤立した感じになっていた時とは
まるで違います。
「いじめに遭ってたわけじゃないのに
なんで学校に行かなくなったの?
女子にモテ過ぎてて
わずらわしくなったの?」
「授業がただ座って
わかりきってる説明聞いてなきゃならなくて
無駄な時間だなって感じることが
多かったんだよ。
特別仲いい友達もいなかったし
行く必要がないと思った日は
行かなくなった。」
「ふーん」
サオちゃんは芋を食べ終わっても
その場を離れませんでした。
話の区切りがついても
まだ僕の顔を見てる。
大抵こういう時は
クラスメイトは離れて行ったりするもんなのに
「オウガ君はさ、何か聞けば
ちゃんと答えてくれるし
悪くないと思うよ。
おもしろいことは言ってくれないけど
うーん…興味ぶかい?から
その意味ではおもしろい。
でもさ、聞かれたことに答えるだけじゃ
たしかに友達はできないかもね。
うちは興味があるうちはいろいろ
聞いちゃうから
興味なくなるまでは友達だね。」
僕は幼稚園以来初めて
友達ができたようです。
こもと叔母さん、ここは不思議な島です。
不思議な家?不思議な一族?かな。
芋タイムがだいたい終わって
今度は畳の目に沿って
ムーンウォーク大会が始まってます。
美津子おばさんまで僕にやり方を
聞いてきました。
教えるためにやってみると
僕はできるようになってました。
"おっ"とリュウオン君が気づいてやって来て
「オウガは見て覚えるタイプかよー
やっぱりなー」
言いながらサイドウォークからの
回転ムーンウォークをゆっくりと
僕にやらせます。
僕はただ言われるままにやれば
上手く出来ていくのが
楽しくて
リュウォン君に一生懸命
ついていっていました。