「キフネ様は産まれてすぐに

 父せんじゅ様が白絹のくるみに抱いて

 乳母に決まっていた女中の部屋へと

 連れて行った。」


おじいちゃんは

まるで見ていたように

語り始めました。


「母ミアレ様は産んだ子を一目だけ見て

 千壽家の赤子らしく様子が良いことに

 満足しきりだった。


 生まれたと同時に名継ぎ宣言が出て

 大変な喜び様だったという逸話もあるが

 乳母に直ちに任せたとは

 せんじゅ様の手記に記されている。


 手記は事細かに書かれていて

 初めての我が子の誕生が 

 せんじゅ様にとって

 いかに大きな出来事だったのかがわかる。」


発声があまりはっきりしてない

おじいちゃんの語りに

時々美津子おばさんも

補足しながら


話は続いていきました。


2人による物語りを

聞いているようでした。