おばあちゃんはもう
隣県の実家に来ていました。
"いつ来てもだいたい大丈夫だよ"
とだけ実家に連絡いれてあります。
来る時は
明日行くよーとか言ってくれるだろうと
思いながら。
だって幼稚園の送り迎えがあって
不在時間帯もあるから。
それが
まさかの
次の土曜日の昼前、
突如の"ピンポーン!"
しっかり者のおばあちゃんらしからぬ
突撃訪問でした。
土曜日だからいたけど
買い物にでも出てる可能性もあったのに…!
「マキコが今日なら車で送るって
言い出してね、
連絡いれたら
コモちゃんのことやから
きっといろいろ気い使て
用意してくれはるから
あえて急に来たんよ。」
「マキちゃんも来てるの⁉︎」
玄関先のおばあちゃんの陰から
いとこのマキちゃんが顔をだしました。
「お久しぶりですー。
息子もきてるのよ。
ごめんね、車にいるわ。
この近くに新しく科学館と大きな図書館と
ショッピングモールが固まった
施設が出来たって
テレビで見てね、
息子が珍しく興味をしめしたもんだから
おばあちゃん置いたら
私たちはそっちへ行くわ。
気を使わないでね。」
マキコさんとは
いとことはいえ
昔からほとんど交流はありません。
おばあちゃんの長男(母の兄)の
娘さんで
ろくな教育環境じゃなかった私と違って
子供の頃から成績優秀、
名門校で首席
慶応に進み
現在は私の実家と同県内で
名士の家に嫁ぎ、
セレブのイメージしかないのです。
ただ小学高学年らしい息子さんは
不登校になってしまってると
母から聞いたことがありました。
(母という人は
親戚のネガティブな話題、大好き。
良い話の時はなぜか自分の手柄のように
他人に話すのです)
夫がスウェット姿で
「ああ、どうもー」と
玄関先に顔を出した時には
もうマキさんはアパートの駐車場。
淡いブルーのフワッとしたコートが
昼下がりの陽光に
セレブにパール光沢を放っている向こうで
車の後部座席に
少年の横顔が見えました。
おわっ!
チラッとだけど
色白っぽくて
美少年になっとる⁉︎