「うちの奥さんにひいおじいちゃんが

 いるのは知ってましたけど

 

 そのー


 相当のお年ですよね?

 お元気でおられるんですか…?」


夫は最初はオウガ君に話しかけてたのが

おばあちゃんの方に徐々に視線をうつして

尋ねました。


「わたしは直接おうてへんけど

 ながいことな、でも

 変わらんゆうとったよ。 

 医者からいろんな薬ようけ出てる

 らしいけど

 大きな病気はせんし、 

 あ、去年か?腸閉塞なったゆうたかな。

 短い入院で治ったて。

 認知症も大丈夫やて。」


「どなたが見てらっしゃるんです?」


「あそこんちは複雑で

 だれーゆうても…


   いつも電話で話すのは

 わたしの姉の娘よ。

 美津子ゆうんやけど

 ずっと結婚せんと家に残うとるんや。


 おじいちゃんは正式な結婚は2回しとるし

 お妾さんもおって

 それら奥さん方はみんな亡くなっとるけど

 それぞれが子供おって


 嫁に出たり 

 大人になって家を出てったり

 嫁もろたり、婿もろたり

   またその子供らがいて…」


「ちょっと待って下さい?

 なんかすごい大きな家なんですか?

 いったい何人家族なんです」


「さあ、わからへんね。

 今でも年頃の子は本土の学校に

 寮やら一人暮らしやらで 

 一時的に出たり戻ったり、

 就職しても出たり戻ったりするからな。」


「大きな家なんですねー。」


「大きいよ。本宅の周りに

 四つ離れがあって

 回廊でつながっとるの。

 だいたい世帯ごとに適当に入って

 住んどるんだわ。


   美津子は本宅におる。

 昔は住み込みの使用人もおって

 そりゃ大人数やったそうや。」


「そんな名家じゃ

 確かにきちんと跡継ぎが

 いないと困りますね。」


「いやあ、家の後継ぐ若いもんは

 ちゃんと残うとるんやないの? 

 島の観光事業とかの相談役になってるから

 家に残ってやろういうもんがおるよ。

   

   実際特産物の加工の研究するために

 今本土で勉強中って子もおるんやて。


   海洋研究するゆう子もおるんだと。


 マリンスポーツの…

   なんや、なんやっけあれ

 まあ、とにかく観光客に指導する

 仕事しとる親族も何人かいてるし


 あそこんちは

 島の事業にいろいろ関わっとんのよ。

 たいそうな家なんよ?


 私の母は離婚しとるから

 正確には私もこもともまきこも

 親族じゃないけどな。」


「なんだ」夫はホッとしたように

「そうなんですね」と言いました。