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生存と助け合いのネットワークが必要だ! 生存組合の集会に参加して。

昨年(2009年)の10月17日、生存助け合いの会準備会(生存組合)が開催した「生存と助け合いの寄り合い」に参加しました。

呼びかけのチラシによると、
「さいきん「たすけあい」って、少なくなった気がしませんか?そこで『生存と助け合いのための集まり』を、開催したいと思います。
私たちは、何かがあったときに「助け合い」をするための集まりを、開こうと考えました。生活支援、労働問題、悩み相談、人生相談、文化活動ノ色々な分野の人たちと話し合い、いずれは、それぞれの分野の人たちが、手を取り合って『助け合い』のできる活動を作っていけたら、と考えています。」
とのことです。


パネラーには、

ブラジル人労働者なども多く参加して活躍する、個人加盟制の労働組合、
なごやふれあいユニオンの酒井徹さん、
笹島日雇労働組合やインターネット新聞JANJANなどで活躍するEsamanさん、
氷河期世代ユニオンで独自の活動を全国区で展開している、小島鐵也さんなど、

名古屋で活動する若手の人が並んでいます。

名古屋駅裏手の則武コミュニティセンターで開催された集会には、30名ほどの参加者が集まっていました。




笹島労働会館の前で歌う「えぐれささしま」さん。

笹島労働会館の前で歌う「えぐれささしま」さん。



●司会者Esamanさんの話。


Esamanです。
インターネット新聞でも、この名前で記者をしていますが、
ホームレス支援活動や市民活動の界隈でもEsamanという名前で知られています。


昔は解雇をされたら労働組合に相談して対処しました。
解雇されても家はありました。
いまの若者は、住み込み派遣の人などは、仕事も家も同時に失います。
若者も、いろんな公的制度をしらないので、ホームレスになっても2ヶ月3ヶ月がんばってから労働組合に相談にきます。
でも労働組合は会社と戦って賃金を取ったりはできるけど、家を失った人の相談は苦手です。
さいきんは、このような事件が多くなってきて、労働組合での相談も変化してきました。
労働組合だけでは対処できないものも多くなってきたので、横の連携を作って、助け合いができないかと思い、呼びかけさせていただきました。


いま全国でインディーズ系メーデーというものが活発になっています。
インディーズ系メーデーというのは、既存の労働組合とは違う活動スタイルという意味だったり、メジャーではないメーデーといったような意味です。


インディーズ系メーデーといいましても、同じ系列の組織ではなくて、各地で若者たちが起こしている活動を連結して、

インディーズ系メーデーと称しているものであり、各地で発生している活動の中身は、それぞれの地域で全く違います。
一般的には、既存の大手の組合が取り組まない分野のことを積極的にしている、比較的若い人たちの集まりである、と考えていただいても間違いはないと思います。
そのような若者達が、大手の労働組合、既存の労働組合が取り組んでくれない課題を、自分達の手で解決し始めており、その副産物としてインディーズ系メーデーが生まれたのかもしれません。
また地域によっては、労働組合ではない人たちが担い手になっていることもあるようです。


名古屋では「インディーズ系メーデー」としてLOVE&ビンボー春祭りという活動をしておりまして、アースデイの人たちと協働して、
若者の雇用の問題と環境の問題を共に考えよう、ということで開催しております。
名古屋の場合も、メーデーといっても、実は労働組合の人たちが中心とはなっていません。


アースデイなどのスタッフには、若者が多いわけですが、アースデイ東京などをはじめとして、
多くの地域では、アースデイは企業の環境製品や取り組みの見本市となっています。
スタッフとして(無給で)関わる若者達の、日常の雇用問題については、誰も見向きもしていない、という問題も発生しています。
現代の若者の多くは労働組合や労働者の権利について学ぶ機会がなく、放置されがちです。


自分はインターネット新聞というところで記事を書いています。
記事を書いても何ももらえません。
ですがブログとは違い、編集者が目を通しますし、掲載されない場合もあります。
ボランティアでジャーナリストをしていると考えてください。


市民活動には、色々な活動があるわけですが、一般の人達は存在すらも知りません。
たとえ広く知られていなくても、存在していることに変わりはありません。
ですが、広く知られないと効果も薄いです。
私達の上の世代の「活動家」と呼ばれる人達は、何もしなくても人が集まった世代のためか、そのような分野に力を入れなかった気がします。
私は、そのような活動を取材して、一般の人の目に触れるようにするためにも、市民記者としての活動しています。


記事の内容は8割が貧困問題です。これは、結果としてそうなりました。
ネット上には、ホームレスの人たちは怠けているだとか、派遣切りは自己責任だとか、実態を知らずに無責任なことを書く人が多いです。
自分は、この名前で取材をしたものを、責任をもって書いています。


既存の市民団体は情報発信力がとても低いです。
低すぎて存在していることも分からない。
インディーズ系メーデーなどで、若者同士のネットワークを拡大してみたら、近所に似たような活動をしている所があったことを、東京から聞いて分かったりする。
これは非常にもったいないことですし、仲良し同士が集まるものにもなりがちです。
そして、よくわからない人間関係による喧嘩もあるのですが、それではよくない。
お互いの活動をしるためにも、今回の企画をしました。

●名古屋ふれあいユニオン・酒井徹さんの話


ふれあいユニオンは、パート・アルバイト・当時増えつつあった派遣労働者・外国人労働者の人たちが、
職場に労働組合がなくても、入れてもらえなくても、1人でも入れる労働組合として10年前に発足しました。


自分も4年前にトヨタ期間工として働きはじめたときに、トヨタ労働組合は期間工だと入れてくれなかったので、仕方なく入ったのです。


当初は原工場という渥美半島にある名古屋まで2時間かかる工場で働いていました。
解雇された時(2007年)は、日建総業から派遣されて刈谷工場で働いていました。
半年契約で、更新しない場合は一ヶ月前に言われるので、大丈夫だろうと思って働いていると、
9月18日に、突然担当者に呼ばれて、トヨタ車体から180人減らしてくれと言われたので、
酒井さんは10月9日が更新期限なので、やめてくれと言われました。


このときに一番困ったのは、住み込み派遣だったので、仕事が無くなると同時に家が無くなることです。
大家さんは仕事をしていない人には家を貸しません。
社長さんは、家のない人は雇いません。
両方同時に失うと、どうしようもなくなります。
名古屋市にあるホームレス一時保護所にすみながら、会社と労働争議をして、解決金を取って、それをもとにアパートを借りました。


このときの経験をもとに、住み込み派遣は問題だ、ということを訴えてきましたが、あまり相手にされませんでした。


去年(2008年)のちょうど今頃、ユニオンの委員長になりました。
その年(2008年)の年末、11/28には、ユニオンに大量の電話がかかってきました。
派遣切りにあって住むところもない、という電話がかかってきて、一つの相談を終わると、次の電話がかかる状態でした。
その日はイトレにも立てない状態になっていました。


その相談の内容は、一年前に起こった僕の事件とほぼ同じでした。
一年前の自分に起こったことをもとに、アドバイスをしました。
11/28に電話してきた人はまだよいほうで、多くの人は次の仕事を探してない、追い出されてネカフェに泊まりながら仕事を探すけどない、
ネカフェに泊まると一日2000円かかります。20日で60000円。アパートの法が安いです。
ホームレスになるとお金がかかるのも事実なのです。
お金もなくなり、どうしようもなくなってから相談に来る人が多いです。
この状況はまだ続いています。


平日に相談に来た人は、中村区役所の支援活動のことを紹介できますが、土曜日や日曜日に来られると対処が出来ません。
労働組合は、会社とも問題についての話し合いをするプロですが、寮を追い出された、借金取りに追われている、などの問題は詳しくありません。
ですが、相談者の多くはそのような問題も抱えて、ユニオンにやってきます。
今日寝るところがない人に、一週間後に団体交渉をするので着てください、というのは意味がありません。


いろんな活動をしている人たちと連携して、得意分野を生かしあいながら、ネットワークが作っていけるといいと思います。




氷河期世代ユニオンの小島鐵也さん

発言する氷河期世代ユニオンの小島鐵也さん。



●氷河期世代ユニオンの小島鐵也さんの話


若い労働者の問題について、各地の反貧困ネットワークや、インディーズ系メーデーと連携しながら東京と名古屋を半々で活動しています。
いまは豊川にすんでいます。
東京の反貧困ネットワーク、愛知の反貧困ネットワーク、各地の派遣村や、全国のインディーズ系メーデーに参加しています。
豊川の派遣村にも参加しましたが、外国人労働者の人の相談も多いです。
外国人労働条件が悪くなると、いずれ私たちの労働条件も悪くなるので注目が必要です。


インディーズ系メーデーは、去年僕は、名古屋、熊本、福岡、広島、東京、仙台、新潟などを回りました。
フリーターや非正規の労働組合の若者が活躍しています。
労働運動は段階の世代の方が活躍していましたが、インディーズ系の活動では若者が中心になっています。
みんな貧しくて時間ないのですが、社会に訴えたいということでやっています。


愛知の反貧困ネットワークは、派遣村の人たちが中心になって、金山の司法書士会館というところで、2週間に1回程度集まっています。


●おにぎりの会の方

相談し来た人に、おにぎりを配ろうということで始めました。
いまでも毎日80人ほど来ています。
並んでいる人たちの中に、相談者の方は10名ほどです。
活動を始めて分かったのが、毎日どこかで炊き出しがあること、それを渡り歩いている人もいることです。
中には生活保護を受給している人も多い。
そのような人たちが、どのような生活をしているかということが知りたいと思います。
本当はケースワーカーが調べることだと思いますが、どうもうまくいっていないようです。


●ビックイシューの方

ホームレスの方が、生活保護を受けたあとに孤独になってしまって、お酒やギャンブルに走ってしまう話をよく聞きます。
笹島診療所には、アパート入居後に食事を作って皆で食べる会があるそうですが、なかなか手が足りなくて出来ないということを聞きました。
もっと色々なところと連携して、食事会のようなことが企画できるとよいと思います。


Esaman:
笹島診療所の下には、笹島日雇労働組合があります。
笹日労は、昔は元気で威勢もよくて、乱暴な人も多かったようですが、
現在は皆さん高齢化しており、生活保護で生活してるい人が多く、むかしほど喧嘩騒ぎなどは起きなくなっています。
笹島会館の周辺には、昼間から人がいます。
仕事がないのもありますが、仕事が終わってからも顔を出す人がいます。
わざわざ、おみやげを持って来る。
コミュニケーションの場になっているんです。
現在は、そういう場が無くなっていることが問題ではないかと思います。


酒井:
派遣村で生活保護を取ったあと、引きこもりがちになる人もいます。
ホームレスをしていると、よくもわるくも、人と接するわけです。
生活保護をとったあと、人との接触がなくなってしまう人も多いわけです。
本当は、ケースワーカーの人がケアをするのが、たてまえでしょうが、出来ていませんね。
そのような人でも、気軽に遊びに来れる場所が必要だと思います。


「生存と助け合いの寄り合い」に集まった参加者のみなさん。

「生存と助け合いの寄り合い」に集まった参加者のみなさん。



●会場からの「秋葉原連続通り魔事件について」の質問に答えて。


酒井:
秋葉原事件の彼は、レクサスのバンパーの前工程をしていました。
実は僕も、日建総業から派遣されて、トヨタの工場で、全く同じ仕事をしていました。
自分もホームレスとなってから、あの事件のことはよく思い出しました。
インターネット上には彼のこともいろいろとかかれています。
インターネットには匿名で、無責任で、いろんなことが書かれています。
彼が悪いのは、自分もそのとおりだと思います。
ですがネット上には、派遣労働者というのは、こんなことをするから切られるんだ、ということが書かれたりする。
誰が書いているのか分かりませんが、働いていた実感としては、そのような意見は、むしろ派遣労働者のほうから出ることが多いんじゃないかな、なんて思ったりしています。
派遣労働者が、ホームレスの人たちのことをバカにすることもあります。
そして数年後、その人たちがホームレスになる。
そして、事実ホームレスになっているに「あいつらとは違う」という根拠のないプライドで差別化したりする。
そういうことが繰り返されている気がします。
ネット上は、匿名で名前も顔も出さずに書けるから、発言に責任をとらなくて済むし相手も見えないので、無茶な意見が出てくる気がします。


Esaman:
派遣会社で働いている人は、切られるときには一斉に切られます。
だから職場の同僚は頼れません。
派遣切りで切られて、しばらくホームレスやネカフェを渡り歩いて、次の住み込みの仕事を探す、
という生活サイクルを続ける人たちが、派遣切りが騒がれる前から、ある一定数存在していました。
人によっては10年ほど続けていた場合もあります。


いままでは、本当にお金が尽きて生活ができなくなる前に、指月の住み込みの仕事が見つかっていたので、
マスコミも労働局も、その実態に気がつかなかっただけで、たくさん存在していたのです。
そして景気が悪化すると、次の仕事が見つからなくて、みんな本格的にホームレス化していきました。
切られる規模が大きかったので、職場の同僚がすべていっせいに職を失い、ホームレス化してしまった例もありました。
同僚もすべてホームレスになっているので、誰に頼ることもできずに寒空に放り出されたわけです。


会社での繋がり以外の繋がりを作っておけば、ある程度は、そのような事件を防げたかもしれません。
ですが、多くの住込み派遣の寮は郊外にあることも多く、そうでなくとも、生活は寮と会社の往復だけになりがちですので、
会社の同僚くらいとしか顔をあわせず、結果として、一緒に切られてしまう人としか繋がりがない場合が多くなります。


インターネット上の書き込みですが、ネット上は匿名で何でも書ける、匿名で書かれたものを皆が見て、それをまた検証も取材もせずに匿名で書いて、尾ひれがついて増幅していく。
「みんな書いている」というとこで、存在するかのような気がしてしまう。
ところが、実際に現場に見に行ってみると、そんなことは起こっていない、事実と違う。
誰も検証していないのだから当たり前ですよね。
場合によっては「現場そのもの」が存在していない、ということすらあるわけです。


例えば、マヌケすぎる話で誰もが笑う話ですが、アイヌの民話には「コロポックル」という妖怪が出てきます。
日本の昔話で言えば、カッパのようなものです。バター飴の袋にも書いてあるものです。
ところが、このコロポックルはアイヌより前にいた先住民族でアイヌがこれを侵略したんだ、だから謝罪しろ、なんてことをネット上で当たり前のように書く人が出てきています。
カッパに謝罪しろというわけです。
この話は戦前の一時期、まだ日本に民俗学がほとんど存在しなかった頃に、分野違いの解剖学者によって展開されていたもので、最近では相手にされなくなり忘れ去られていたものです。
この話を真に受けて話す人は長らくいませんでした。
まれに話題にする人がいても「そういう話もある」という程度のものだったのですが、
「コロポックルに謝罪しろ」などという極論を言い出す人が出てきたのは、ネット上だけで議論をする人特有の化学反応のような気がしています。


こんなデマの増幅に対抗するためには、検証し取材すること、確かめること、携帯やパソコン画面に表示されるテキストではなく、現実世界で直接会って見聞きした人の言葉を大切にすることが重要になってきます。
ですが、住込み派遣で職場と会社を行ったり来たりしていると、そんな機会が奪われてゆく。
確かテレビで見たものだったか、通り魔事件の彼が、ナイフを買った店だったかな? そこで店員と会話をした時の様子が、とても楽しそうだったのが印象的でした。
人との接触の機会が奪われてしまったことが事件の遠因にあったのではないかなとも思います。

●「派遣切りの人がホームレスの人をバカにしたり、ホームレスの人が生活保護を取っている人をバカにしたりします。」に答えて


Esaman:
生活保護をとるのは悪いことだ、という価値観が何故か浸透していますね。
法律には生保が悪いとは書いてありません。
役所が自分達の出世のためや、仕事をしないために、水際作戦をしているだけです。
恥ずかしいのは水際作戦をしている人たちです。
派遣切りにあって、2週間もホームレスをしますと、急速にやつれて、何年もホームレスをやっている人と、あまりかわらない外見になります。
場合によっては、何年もホームレスをしている人のほうが、2週間前に派遣切りでホームレスになった人よりも、小奇麗な格好をしてるいことがあります。
ホームレスも派遣切りも、家がないという意味では同じですね。


酒井:
生保をとりたがらない人は労働相談でもいます。
社長が賃金を払わずに、家賃も払えずに、家も追い出されて、所持金が十何円。
こんな状態では、労働組合に来ている場合ではありません。
生活保護をとって何とかしましょう、と言っても、とりたがらない人もいます。
自分の力で働きたいなら、家のない人は雇ってもらえないので、家の確保をするのが大切です。
生保を頑なに取らない、という態度は、かえって社会にマイナスなのかもしれません。


ワーカーズFAXの舟橋さん:
食べるものもなくて、フラフラになっている人に、色々と言っても頭に入りませんね。
役所はすぐに申請しろといいますが、話をまとめずに行くと、追い返されることもある。
昔は労働組合も沢山あって、地域ぐるみ闘争などもあったけど、
いまはまったくなくて、仲間も作れないし、バカ話すらもできない。
でも、そういう社会になっちゃったんだから、なんとかやっていくしかないよね。
少し前、中村区役所の2階が溜まり場になっていて、用もない人がたくさん来て居た。
ホームレスの人たちも、昔役所に嫌がらせをされた人もいて、寄り付かなかったけど、
炊き出しを始めたら、来るようになって、それで生保を取れた人も居た。
いまは追い出されてしまったけど、そういう空間も必要だよね。

●「生活保護を取っても、使い込んでしまって続かない人が居ます」に答えて


Esaman:
パチンコで使ってしまって、家賃が払えなくなる人が居ます。
ケシカラン話ですが、詳しく聞いてみると、どうも自分の意思でやっているよりは、
パチンコ中毒になっている可能性があるような気もしてきます。
私はパチンコをしないので、よくわからないのですが、最近のパチンコは「浮き沈み」のようなものが少なくなったみたいですね。
ギャンブル性が強いとよくない、という規制かなにかのようですが、そのような規制をするということは、やはり中毒性のようなものを喚起するから、ということではないかなと思います。
パチンコのやり過ぎが「病気」であった場合は、自業自得とも言えなくなってきます。

いずれにしても、お金を使わない遊びをする仲間を作る必要があります。
たとえば、みんなでご飯を作るのは、お金がかかりません。
最近行った月見祭りでも、20名以上参加して、焼肉も酒も出て、総支出で2万円ほどでした。
しかし今度は、そのような宴会をさせてくれる場所が、なかなかないという問題もあるわけです。


酒井:
派遣社員の人には、真面目なんだけども、まったく友達のできない人はいますね。
そういう人で、パチンコくらいしか共通の話題がなかった場合は大変だよね。
いっぽう、コミュニケーション能力の高い人は、ホームレスになっても、友達の友達の家に上がりこんで、図々しく生活していたりします。
日雇労働者でホームレスの人たちは、ブルーテントで家をすぐに作れますよね、工場労働者でホームレスになった人たちは、ブルーテントは作れません。
始めてホームレスになった人は、何年かホームレスをしていた人たちよりも数倍大変で、まともな精神状態にはいられなかったりします。


●「本当は役所のケースワーカーが、生活に困っている人の話を、色々と聞くことが仕事ではないかと思います」に答えて


舟橋:
(中村区役所では)いままでケースワーカーは一人80人担当していたのですが、今は120人担当しているそうなので、サポートはどうでしょうか。
次から次と来る相談者をいかに裁くか、追い返すかばかり考えていると思います。
役所の指導では、週に2回ハローワークに行けなどが限界じゃないかな。
でも仕事もないのにハローワークに行っても意味がありません。



酒井:
人からみて、そんなことで、ということで仕事の面接に行けない人もいます。
たとえば、ネクタイの締め方が分からないから、仕事の面接に何年もいかなかった人もいるわけです。
生保を取らない、仕事の面接にいかない、いろんな理由があると思います。
なんだそんなことか、と言われそうな、くだらない理由ほど、人には話さなくなります。
役所のケースワーカーに聞かれて、ネクタイの締め方の分からなくて面接に行かない人は、ネクタイの締め方が分からないとは、ケースワーカーに言わないでしょうね。


Esaman:
ケースワーカーなどの月に一度しか会わない人が、なにか聞こうとしても無理でしょう。
自分も色々と話を聞いたきっかけというのは、笹島会館の前で座っているのを見た、とか、
炊き出しでチラシを配っているのを見た、とか、そういうことの積み重ねで、相手と知り合いになっていって、
そういった中で、この案件は生活保護が取れる、とかがわかって、勧めることが多いわけです。
本当に問題を解決していくためには「仲良くなる係り」が必要ではないかと思います。
このほかにも、ここ1年支援活動の話題など、色々な話で盛り上がっていました。
途中、いままでひきこもりだったけども、これから資格を取りたいですとカムアウトする人もいて、アットホームな話も出でいました。


今後の具体的な課題として、気軽に集まれる「鍋宴会」を開催しましょう、ということで、まとまっていたようです。


氷河期世代ユニオン
http://hyogaki-sedai.seesaa.net/
名古屋ふれあいユニオン
http://homepage3.nifty.com/fureai-union/
生存助け合いのネットワーク(生存組合)
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