虚脱 | 富士の裾野で想うVet

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地方獣医の徒然記

新患で来た猫。

カルテに書いてある生年月日からだと4歳6カ月。

目の前に出てきた猫は、プラス10歳くらい上に見える。


脱水は10%以上。

皮膚は脱水で、持ち上げても元には戻らず。

皮下脂肪も全然ない。

大腿部の筋肉は削痩。

触診すると、腹腔内は脂肪がない。

低体温。


飼主さんは、昨日から食欲がなく、

鼻水や涎が出ていると来院したが、

昨日今日の問題じゃない。


その外観からは、

4歳と言う年齢を見てとれる人はいないのではないか。

実際、年齢が間違いないか確認したほど。


腹腔触診で、糞塊はあるので食べてはいたのだろう。

それでいて、この痩せ方は異常。

ベースになる病気を持っていそうだ。


点滴入院を勧める。

ただ、血管も細く、怒張しない。

なんとか留置は出来たが、

検査が出来るほどの血液は取れず。


血液検査が出来ず、

ウイルス感染の有無や

肝臓腎臓の状態は推測するしかない。


4歳の若齢で、脱水・削痩・低体温。

何か持ってるだろう。

でも推測しか出来ない。


この状態を、飼主さんが気が付かなかったのか。

または、急激に悪化してきたのか。


新患では、以前の状態が分からないから、

その辺りも推測するしかない。


今は、点滴の効果が出るのが早いか、

体が音を上げるのが早いか。


この子の生命力に掛けるのみだ。