変身 | 富士の裾野で想うVet

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地方獣医の徒然記

腫瘍摘出手術の猫。


3年前には、1cmの腫瘍が頚背部にあった。

この半年くらいの間に、大きくなったと来院。

2×2.3cmに成長している。


高齢猫で、成長にラッシュが掛かっているのは、

腫瘍としては手術をした方が良い。

飼主さんも手術による切除希望。


手術をする前に、薬を飲んでもらうことにした。

麻酔を掛けた時の、心臓の負担軽減の為。


高齢なので、点滴しながら手術をする事にしていた。

飼主さんに手術の同意書を書いてもらう。

その間に点滴準備。


大人しい子で、それまで診察はもちろん、

採血も問題なく出来ていた。

ところが、保定して静脈確保しようとしたら、

それまでの大人しい猫が豹変。


シャーシャーと威嚇しながら、

バタバタ暴れて保定から逃れようとする。


心臓に問題がある子だから、興奮させたくない。

一旦落ち着くか様子見。

再度トライ。

またシャーシャー。


飼主さんに抱かれている時は大人しい。

診察台の上に降りた途端に顔つきが変わる。


その筋肉注射の時も、シャーシャー + 猫パンチ。

何とか注射したが、麻酔の掛りが悪い。


飼主さんがいると大人しいが、

いなくなった途端に顔つきが変わり、

威嚇しまくりの猫はいる。


では犬はどうかと言うと、

猫ほどではないような気がする。


恐がりの性格が成せる業か。

猫の場合、変身すると手が付けられない場合がある。

でも手術はしなければならない。


その時は、皮手袋にタオルを使って、

ビビる気持ちに鞭打って、

出来るだけ短時間に済ませる。


動物病院のスタッフは、生傷が絶えません。