パリ五輪 男子バスケ アメリカvs南スーダン | 米の心

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日本とフランスの激闘が終え、日本が決勝トーナメントに進むためには、3位を確保するだけではなく得失点差がどうなるかということが重要になってきました。その中で行われたC組の2試合、これによって、A、B、C全ての国が2試合を終えたことになりました。

鍵となったC組の2試合を振り返りながら、日本が決勝に行くための目標となる得失点差を考えてみたいと思います。

とはいえ、今回は、C組の試合はスケジュール上最後ですので、日本は何点差で勝てばokという明確な水準というのは現れることはありません。その意味では日本はできるだけ大差をつけて勝つということを目標にすべきですし、ここで大差をつけて勝つことができないようでなければ先に進んでも勝つことはできないでしょうから、まずは20点差で勝つのは一つ目標になるかと思います。

さて、ではC組の残りの2試合をみてみると、セルビアとプエルト・リコの試合は、セルビアが107対66で完勝しました。アメリカとの試合で-26という得失点差があっただけに、セルビアのこの大勝の意味合いというのは非常に大きいと思います。

セルビアはこれによって得失点差を+15まで回復させることに成功しました。セルビアは、次の南スーダンに対しては勝てば文句なしですし、負けたとしても10点差くらいであれば、得失点差でプラスを維持できるという状態になりますので、勝ち進むという意味ではステップは楽になったと言えます。

とはいえ、勝ち進んだ後の対戦を考えると、2位通過であることがいいでしょうから、2位をキープしに行くのではないかと思われます。

続いて行われたアメリカと南スーダンの試合について。

親善試合では素晴らしい試合を見せた南スーダンですが、この試合でも粘り強さを示すことができていたように感じます。

というより、この試合にかける思いの違いというのが、アメリカと南スーダンでは現れていたように感じますね。

この試合1Qは26-14、2Qで29-22とアメリカが順調に突き放し、前半が終わった段階で、55ー36での折り返しとなりました。

しかし、そこから後半となると、3Qは18-21で南スーダンが少し追い上げを見せ、4Qでも30-29とほぼ互角になりました。前半点差をつけた以降、点差が広がるということはあまりなく、南スーダンがつめてきたら、アメリカが20点前後に突き放すといったことが後半に繰り返されていました。

ステフィン・カリーの不調などもあったのが点差が突き抜けなかった理由の一つかもしれませんが、そもそもアメリカからすればここで大差で勝つことの意味合いは強くありません。

Cリーグを勝ち抜ける上での一番の鍵となる試合は、間違いなく最初の試合であったセルビア戦でした。セルビアに勝てれば、他のところにはおそらく負けることすらアメリカは考えていないはずです。とすれば2勝計算でき、セルビアに勝てば問答無用で3勝0敗で決勝1位通過となるわけです。

そのアメリカにとっては、勝てる点差をキープすることが重要であり、大差をつけるためによりハッスルしたプレーなどは必要ありません。実際後半などをみていても、DFに関しては無理をしている印象がなく、南スーダンのドライブを許しているシーンというのは多くみられました。エンビードをローテから外したのもそうですが、ここは怪我などのリスクを抑えた上で、勝つことそれがアメリカのこの試合の目的であったはずであり、その目的を果たしました。

まぁ試合をみていたら、ASとまではいかないまでも、盛り上げるためのエゴなプレーをしたりといったシーンもあり、実力のあるアメリカの強さを余裕を見せながら示した試合だったように思います。

一方で南スーダンからすれば、この試合の意味合いはより重要です。負けるにしても、いくら失点をしないか、どこまで得失点差を小さくできるのかというのはベスト8を目指す上で重要だからです。

そのため、少しでも詰めようとして、最後までプレーをしていたのは印象的ですね。まぁ、その中で少しでも詰まってきたら突き放すアメリカもエグいんですけど、それでもなおモチベーションを維持しているのを見ると南スーダンはこれから面白いチームになりそうだという印象を受けました。

結果アメリカと南スーダンの試合は、103-86で17得点差となりました。

これにより、C組はセルビアが2位で+15、南スーダンが3位で-6ということになりました。

この-6位というのは非常に微妙なラインですね。次がセルビアと南スーダンの試合になるだけに余計その辺りがポイントになりそうです。

では、ベスト8に進める2チームはどこかと検討してみると、まずはAグループ。

こちらは、カナダが当確であり、2位オーストラリア1-1、+2、スペイン1-1、-5、ギリシャ0-2。-14と続いています。

試合としては残りがオーストラリアとギリシャ、カナダとスペインの試合となります。

ギリシャからすれば勝利が3位の必須条件であり、得失点差で、オーストラリアを超えることを前提に考えると、8点差以上での勝利が必須条件になります。8点差で考えると、その時の3位の得失点差は-6となります。

カナダとスペインの試合については、カナダが勝った場合、ギリシャが豪に勝てばおそらく得失点差からギリシャが3位に浮上になり、一方でカナダが負けた場合は、カナダスペイン豪が2-1で並んだ場合は、3チームの決勝出場が当確、ギリシャが勝った場合は、ギリシャと豪州で得失点差で争うことになりますが、やはりこの場合どちらが来たとしても1ケタ得失点差で終わる可能性が高いと言えます。

結果、A組は得失点差の兼ね合いと実力の拮抗を考慮すると、ほぼ間違いなくここから1組がベスト8に入るということになります。

日本の所属するBグループについては、ドイツ、フランスが2勝でベスト8確定しており、日本とブラジルによる3位争いとなっています。どちらも得失点差でー20オーバーであり、どれだけ大差をつけて得失点差をカバーするかというのが、ベスト8の焦点になります。

C組については、アメリカがベスト8当確であり、セルビア、南スーダン、プエルト・リコによる争いとなりますが、現状からすればプエルト・リコは次がアメリカ戦であることからしても現実的ではなく、焦点は、セルビアと南スーダンになります。

先述のように、どちらも1勝1敗で並び、セルビアは+15、南スーダンは-6となっています。

得失点差からすると、南スーダンが仮に勝利した場合、日本のベスト8は厳しいかと思います。南スーダンが10点差をつけてセルビアに勝利したとしても。となりセルビアはベスト8入りを果たせます。ー20でようやくー5の得失点差であり、この辺りだとA組の3位争いと並ぶあたりになりますから、現実的に言えばセルビアもほぼ決勝当確であり、後は、何位で通過になるかという話になります。

セルビアとしては前述の通り、少しでも上の順位で通過の方が対戦相手が楽になる可能性が高いので、(この辺りは状況に応じて判断できる日程なのでどうなるかは不確定です。)そうすると勝つことが前提で進めるかと思います。

勝利を前提にとなると、展開としてはアメリカ、南スーダンに近い形になりそうです。セルビアとしては二桁離してとりあえず安全圏を保ちつつ、その中でヨキッチなどに無理をさせないというのが理想的な流れになるからです。

となると、その中で終盤詰められても逃げ来てるくらいでの勝利を想定すると、得失点差は6〜20くらいになるのではないかと思われます。

ただ、一方でここでセルビアは負けなければ良いという立ち位置であり、一方で南スーダンは負けるにしても少しでも点差を縮めたいという話になりますので、特に後半の得点に対してのモチベーションは異なる可能性が高いです。

となると、上の得失点差の範囲でもより点差が少ない方で終わる可能性が高いのではないでしょうか?とすれば、-6から-15くらいの決着の可能性が高いのではないかと思います。

ただ、これは皮算用な計算にしかなりえません。なぜならば、日本戦が先にあり、南スーダンは後からの試合である、目指す得失点差というのは明確になっている立場だからです。もちろん、その中で強い立場ではので、最大限に努力し得失点差を詰めるわけですが、それでも日本の目的となる点があるとないとでは少し変わってくるところはあるかもしれないですね。

ゆえに、どれだけ南スーダンに日本がプレッシャーをかけられる点で終えることができるかというのがキーポイントになるのではないでしょうか?

今日本は、-24です。仮に10点差で勝利した場合は、-14となります。今南スーダンが-6ですから、-14を目標にしようとすれば、一桁得失点差で抑える必要があり、これは非常にプレッシャーとなる点差であると言えます。一方で、5点差くらいでしか勝てなければ、-19、そうなると13点差くらいまでは大丈夫となるので、南スーダンにかかるプレッシャーも弱くなります。

アメリカに対して-17でしたが、-17で抑えたというのはその意味では大きいでしょうね。もしここで、-20などであれば、10点差での日本の勝利なら5点差以内でやりあう必要が出てきますし、状況がかなり変わります。

アメリカ戦で粘った南スーダンが日本にプレッシャーをかけ、最後ベスト8のシードをとるのか、果たしてそれを物ともせず、点差をつけ日本が南スーダンに逆にプレッシャーをかけるのか、今夜で決まります。

個人的には、10点差、できれば15点差以上での勝利を最低ラインにできればと思いますね。そうではない場合は、セルビア頼みというのが強くなってしまいますので。