パリ五輪 バスケ男子 日本vsフランス | 米の心

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さて、昨日行われたパリ五輪、バスケ男子、日本とフランスの試合について。

とその前に、ここまでのパリ五輪の各リーグについての振り返りを少し。

まずはA組。当初はドイツとフランスがいる日本が死のグループだなどとも言われていましたが、蓋を開けてみれば一番実力のある国が多く揃った国がこちらになりました。まぁそもそも12カ国しか出場できない中で、後から勝ち上がった国を含めて弱い国があるわけがなく、その中で特に今実力のある国、古豪だった国が入り混じる非常に厳しいリーグとなったのがA組ですね。

スペイン、オーストラリア、カナダ、ギリシャが出場となったこのリーグで決勝トーナメントに出場を最初に決めたのが、優勝候補のカナダ。NBA選手で固めたチームであり、インサイドについては不安があるもののギリシャ、オーストラリアに勝利しました。現状の戦力の充実ぶりからしても妥当といった感じでしょうか。

オーストラリアとスペインが1勝1敗で並んでいますが、ギリシャもヤニスの存在などを考えるとどうなるかわかりません。得失点差などからしても、1勝2敗の形にできれば、A組から3位での決勝出場の可能性はほぼ確実かと思われますので、この組が枠が一つ減るということになります。

決勝に進めるのは、各組の上位2チームと、3位のチームの中での、成績、得失点差の上位2チームの8チームとなります。オーストラリア、スペインがすでに1勝1敗の段階で、3位のチームが少なくとも1勝2敗であることは確実かと思われ、現在の得失点差からしてもA組3位はほぼ当確にあるかと思います。

ここはギリシャもヤニスというNBAでSMVPになる選手もいますし、スペインは以前ほどNBA選手はいないものの欧州バスケの中心地であり、経験、チームプレーも豊富であり、オーストラリアもまたNBA選手が多く所属する上に、オーストラリアリーグはおそらく世界で2、3番目に位置するリーグというのもあるので、非常にレベルの高いリーグになりましたね。

その中で戦力の豊富なカナダが順調に勝ち星を増やし、ギリシャについてはこれまで勝ててません。ヤニスについてはトッププレイヤーであるものの、ヤニス不在の時間帯、ヤニスのプレースタイルなどを考慮すると強いチームには間違いないが総合力では他のチームより劣るというところが出てしまっているのかもしれません。ヤニスはプレーエリアの広い選手というわけではないので、その辺りはドンチッチやヨキッチなどと比べるとアウトサイドが弱く、マークが厳しくなった時に周りを使うといった意味では厳しさがあるのかなと思いました。

日本が所属するB組の前に、優勝候補筆頭のいるのC組について。

こちらは、アメリカ、セルビア、南スーダン、プエルト・リコが出場国となりました。

強化試合で盛り上がりを見せたのは、南スーダン。優勝候補のアメリカ相手に1点差、最後までどちらが勝つかわからないという展開を見せ、プエルト・リコとの試合では、オリンピックの初勝利を挙げています。今大会のダークホースはどこかとなると、このチームではないでしょうか?

強化試合を全て勝利で終えたアメリカは、セルビアと対戦し、セルビア相手に26点差をつけるという圧倒的な強さを見せました。

ただ、ヨキッチが出場している時間についてはプラマイ0というのだからヨキッチという選手の恐ろしさを感じますね。この試合から復帰となったKDについては前半でシュートのミスなしのFG%100、レブロンについても非常に効率的なFGとなりました。だからこそ、それにもかかわらず、出場している時間ヨキッチはプラマイ0で抑えているというのが恐ろしいんですよね。

KDやレブロンとはいえどもいつもこれほどにシュートタッチがいいわけではなく、それぞれが後3本ほどもし外していたとしたら、12点ほど点は変わっていたかもしれません。そうなるとここまでの点差にはならなかったですし、となるとヨキッチの出場時間なども含めセルビアの戦い方も変わったかもしれません。アメリカのシュートタッチが良すぎたコオにより、アメリカの強さが強調された試合ともなりましたが、正直にその点差ほどの実力差があったかというとそうではないかもしれません。

ただ、このセルビアが点差的には大敗したということの影響は、この後の決勝に出場するベスト8というところでは大きな意味合いが出てきそうです。

アメリカはこの後南スーダンとプエルト・リコとあたり、セルビアはプエルト・リコと南スーダンと当たるということになります。

実力からすると妥当な勝敗で行けば、アメリカが3勝、プエルト・リコの3敗は日程上濃厚となります。ダークホースの南スーダンは初勝利をプエルト・リコから納めましたし、強化試合でアメリカを苦しめたのも確かですが、残りがセルビアとアメリカとなると2敗の可能性は高いかなと思います。行けて1勝1敗でしょうか?

となると、アメリカ3勝、セルビアが2勝1敗、南スーダンが1勝2敗、プエルト・リコが3敗となる可能性が高いといえます。

また、セルビアが南スーダンと当たる前では、セルビアと南スーダンは1勝1敗で並んでいる可能性が高いかなと思います。そしてその時の点差がどうなるかがポイントですね。

ベスト8を見た時、先述の通りA組からの1チームは濃厚であり、残りをBリーグの3位と争うということになります。

では、B組と日本とフランスの試合について。

日本については、初戦のドイツこそ、後半にダウンしてしましましたが、フランス戦については非常に素晴らしい試合をできたと思います。まさか優勝候補にも挙げられるフランス相手にここまでのパフォーマンスを見せてくれるとは思いませんでした。当初はウェンバンヤマが身長の高さもあり、日本を圧倒するのではないかとも思っていましたが、出場時間も含めてウェンビーについてはNBAでモンスターと言われるその片鱗をこの試合で見せることができたかといえばそうではないかなと個人的には感じます。そう思わせるだけ日本が素晴らしい試合をしたというわけです。

誤審、ホーム笛などが確かにあった試合かなと個人的には思います。ただ、それが話題になるほどに、日本というチームがバスケにおいてレベルアップしたということは本当にすごいことだと思います。この5年くらいの中でこれほどまでに成長した国というのは他にないのではないでしょうか?(南スーダンくらい?)

この試合日本で特に光っていたのは、DFでしょう。特に2Qから4Qについて、日本のDFは非常に安定してよく、フランスが日本を攻め崩すことができたシーンは多くなかったように思います。フリーを許してしまうシーンはあったものの、攻めあぐね、ショットクロックバイオレーションとなったシーンがいくつかあったのも証左です。

1Qではリバウンドを取られるシーンも多かったですが、2Q以降はDFRBが修正され、その分一方的に攻められるシーンというのが少なかったです。

この試合特にその意味で言えばインサイドの選手、ホーキンソンや飛勇は素晴らしかったですね。ゴベアやウェンビーがいてインサイドで日本を圧倒するフランスですが、そのインサイドから崩して得点というシーンは多くはありませんでした。

フランスは審判の追い風もあって延長の末日本に勝利しましたが、苦しんだフランスがこの試合で良かったのは、むしろガード陣、バックコートからの点だったように思います。ウェンビーの点を見ても、インサイドからのぶつかって点を取ったシーンというよりは、外からの得点がほとんどです。この試合フランスは非常に3が好調であり、それによってこの試合は成立していたところがあったように思います。

最も3が好調だったのは日本も同様です。この試合日本は2〜4Q特に素晴らしいプレーを見せましたが、そのいい流れとなったのは1Qで非常にシュートタッチがよく点を取れる流れにあったからだと思います。

特に河村、八村については素晴らしかったですね。八村についてはこの試合点を取る上で苦労をしていたシーンがほとんどなかったですし、河村が外がはいるから、ドライブもでき、フリーになったホーキンソンなどへのパスの供給もできといったところで、河村、八村の二人が今回このチームの攻撃の中心だったように思います。

その中で、DFの評価の高い吉井などが活躍し、チームとしての流れが非常に良かったため、あまり選手を色々とは使いづらいと流れにはなっていましたね。延長の末ラストで富永を出場されましたが、前半の流れがある中で無理に富永を起用するという流れを生み出すのは難しかったように思います。

流れを変えたのは、やはり八村選手の、アンスポ2回による退場でしょうか?個人的、2度目はともかく1度目はアンスポかといった感じですし、ちょっと好調すぎた八村選手を追い出すような動きがあったようにも感じられました。

その意味で言えば、川真田選手が選ばれなかったことの影響が少なからず出てしまったようにも思います。

結果八村を失った日本は、ホーキンソンと飛勇をその後はほぼ休ませることができませんでした。テーブスについては河村と富樫のバックアップとして上背のある選手として期待されていましたが、少し戦力にならない分、インサイドで何かあった時というところで苦しさが出てしまいましたね。

その中での逆転した4Qの河村というのは非常に素晴らしかったと思います。ラストのプレーはファールではないように見えますし、誤審といえば誤審なのかもしれません。冷静であればあのシーン無理にとぶ必要がなかったというのも事実ですが、あの場面あのシーン、大金星がかかっているこれまで弱小だった日本が、外から俯瞰的にみた意見のように完璧なプレーを求めるのはより先のステップになってからではないでしょうか?また、あのシーンで笛を吹いてしまうというのもありうる話だと思います。

その意味で言えば、誤審かもしれませんが、こういうのがあるのがバスケットボールでもあり、日本は八村選手を欠き、疲弊したインサイドの選手などを考えるとOTで勝ち目は低く、4Qで勝ち切らなければならない試合だったのは確かですし、勝てた試合だと思います。ただその悔しさがありますが、これがバスケであり、日本はここから這い上がっていき、より強いチームになっていくのではないでしょうか?

しかし、ホームに有利なアドバンテージが色々あったとしてもその中であれほどのパフォーマンスをみせたのは日本であり、本当にこのチームが成長したところを感じるものだったように思います。

また、延長にしても流れからすればもっと点差が離れてもおかしくない展開だったと思います。吉井は5ファールでファールアウトになり、ホーキンソンも痛みを訴えるシーンもありました。その中で、4点差で終えたというのは粘りを見せたシーンだったように思います。

4Qのラストで3を打たずに切り込めば良かったのでは?などとたらればはいくらでもありますが、優勝候補にそれが出るほどの状況になった日本男子バスケを本当に素晴らしく思いますし、これはここからさらにファンを含め成長していくのでないかと思わせるものがありますね。サッカーが世界に通用するまでを考えると、このバスケの短期間の成長は本当に驚異的であるように感じます。

さて、そんな日本ですが、やはりドイツ戦での失点が大きいですね。まだベスト8への出場の可能性はありますが、得失点差をどこまで詰められるかというところになるかと思います。

まず前提条件としてはブラジルに勝利は必須です。その上で何点差まで縮めることができるかとなるわけですが、まず、ベスト8が濃厚なA組は、オーストラリアとスペイン、ギリシャからとなります。残りの組み合わせは、オーストラリアーギリシャとカナダースペインとなります。ギリシャとスペインの得失点差は11であり、スペインが5失点というところからすると、カナダが3勝したのであれば、3位はおそらく得失点差-10前後いうところが着地点になるのかなと思います。

仮にカナダがスペインに負けたとすると3位の目標得失点差は-7前後くらいでしょうか?

続いて日本のライバルになるであろうC組

前述の流れで行くのではないかと思うのでその場合は、アメリカ3勝、プエルト・リコ3敗は決まっており、2位決定戦は、セルビアと南スーダンの争いになるかと思います。(記述時点では試合まだ終わっておらず。)

そうなるとセルビアからすると、この南スーダン戦は勝利がかなり大きなポイントになるはずです。プエルト・リコから大量得点を稼げたとしても、おそらくまだ得失点差はマイナスであるはずです。20点差を獲得できたと仮定した場合-6。これだと負けた場合が、-12あたりくらいならあり得そうなので、かなりベスト8が博打となります。

一方の南スーダンは一番ダークホースで読めませんが、ここがもしアメリカに-20くらいで負けてくれれば状況が大きく変わります。そうなると得失点差-10前後くらいでセルビア戦となり、セルビアが勝利した場合は、-15からー20くらいの着地が見込めます。

となると、日本が、決勝に進むためには、勝利が大前提で、二桁得点差、ー12〜ー18くらいに抑えることが前提になりそうですね。

最もこの辺りは、C組は最後なるので、日本の結果もわかった上でのということになるので、どうなるかわかりません。

果たして実勢での勝利、ベスト8に行けるのか、注目ですね。