楽天 ふるさと納税のポイント付与禁止に反対署名開始 | 米の心

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ふるさと納税を巡って、総務省からポイントの付与を禁止するとの話がありました。ポイント付与によってサイト運営者に支払う自治体の経費がかさんでいるとして問題視しての動きとのことです。まぁ実際のところ総経費50%という話がありますので、それがポイント付与に働いているかどうかというところにどれだけの意味があるかは個人的には疑問があります。

現状としてふるさと納税を利用してほしい自治体からすれば、仮にそれがポイントの付与の経費に使われなかったとしても、サイトの誘致のために使われるお金であったり、あるいは謝礼金の方に使われるという話になるだけであって、総経費上限まで何に使うかの話にすぎないからです。

楽天側としては、そもそもそこは自社で負担しているので、禁止するのはおかしいということで署名運動というわけですね。楽天以外の事業者も自社で負担をしているとしています。

この自社での負担というのはどこからがというと曖昧なところはあるかもしれません。原資に全くなっていないかといえばそこはノーとは言えないところも少なからずあるのではないでしょうか。特に楽天のようにショップなど他のビジネスもしていてそこから資金を練り出せるなどであればともかく、ふるさと納税関係を中心にしているだけだと、原資は何かといえばどうなるかともなるからです。もちろん広告収入だなどということになるのかもしれませんが、広告収入を原資にしているというのは会計上の話であって、売り上げから原資が出ているということであり、それの売り上げに自治体からの手数料収入などが一部ある以上、何のお金を何に使ったというのは難しいわけです。

まぁ、楽天としてはそもそもECサイトを持っており、その中で楽天ポイントという形で還元しているモデルなわけです。還元率などがふるさと納税などであれば異なるのかもしれませんが、ポイントビジネスでユーザーを取り込むというのは他の事業でも行なっていることであり、そこは形式上自己負担でやっている話ですから、なぜふるさと納税はダメなんだともなるかもしれませんね。

楽天が反対の署名運動をして、それによってこの決定が覆るかというとそれは難しいかなと思います。署名運動によって仮に十分な署名が集まったとしても、総務省の決定を覆すだけの決定的な根拠を提示できるかといった点は疑問があるからです。ポイントの加算が自治体が支払う経費に全く影響を与えていないことというのを示すのは困難である以上、積極的に覆す理由としては不十分となります。

よほどその声が大きければわかりませんが、それほどこのことに対して問題視する動きが活発化するかというとその点も疑問になります。

とはいえ、ポイントの付与が禁止されたことによって、サイトへの支払いが安くなるかといえばそれもまた疑問ではあります。

サイト提供側からすると積極的に安くする理由になるでしょうか?そもそも原資にしていないと言っている立場からすれば、ポイントの付与がなくなったから安くするというのは理屈があっていないとも言えます。

ふるさと納税関連のサイトは、そもそも人気のサイトというのは数サイトに限られるかと思います。今更新規で参入するのも難しい状況ではないでしょうか?

サイト利用者側からすれば、ポイントの付与というのは魅力の一つです。それが誘致に役立っていたのは確かですが、どこでもポイントの付与ができなくなったとなった際、別のサイトに鞍替えをどれだけするのかという話にもなります。

ふるさと納税者側からすれば、サイトのUI、利用のしやすさ、ポイントの付与、自治体の量や魅力的なふるさと納税があるかなどをもとに判断します。

どこでも使えない中でポイントの魅力はなくなりましたが、今までの集客などがある中で自治体側が新たなサイトに鞍替えをするのはリスクもあります。そこで新たな獲得に向けた価格競争が発生するのか?仮に発生して多少安くなりそれが自治体の負担減になり、またくら替えを選択させる積極的な理由になるのかと考えると難しいように思います。

そもそも、手数料の高さが云々であったとしても、そこの損益分岐点ではありませんが、どこが落とし所がいいのかというのは、どれだけのユーザーが自分の自治体に納税してくれるかという話にすぎません。

経費を抑えめだけど、納税者がそこそこなのか、経費いっぱいで謝礼品も魅力的にして納税者を増やすか、それは自治体側の戦略の問題です。そして、前述のように仮にサイトのかかる経費が落ちたとしても謝礼品などをその分魅力的にするなどで経費の中での落とし所を探すにすぎないわけです。

そう考えると、ポイントがあるないというのはユーザーをどれだけ誘致できるかというところのポイントの一つではありますが、それをやめたからといって自治体の経費が減るという話に繋がるほど安易なことかといえばそうではないように思いますね。

まぁ、そもそも今は東京などの都心に集中した社会になってしまっています。

世田谷区がふるさと納税などにより外で流出してしまっていると話題にもなりましたが、地方はそれだけ人も減り、地方を維持するためのお金が減っている中で、お金をそこに還元するというのは間違いではありません。

また、経費がかさむというのは、サイトの利用であったり、ふるさと納税業務の委託であったり、謝礼品に対してだったりでしょうか?

サイトの利用料はどうかわかりませんが、ふるさと納税の事務局であったり、あるいは、謝礼品などはその地方にお金を落とす、例えば、豚肉であれば豚肉農家にお金が行くということになり、公共事業としての機能を果たしているとも言えます。

そういう形で地方の農家などが生活できる何かを落としていくことができなければ、さらに地方は廃退し、地方から東京へという物流すら機能しなくなります。

地方の自治体にだけではなく、地方に住む人の生活基盤を守るという意味では、限定的なところはあるとはいえ、謝礼品などもまた役割を果たしており、そこの経費は立派な必要な経費ともいうことができるわけです。

経費を削減し、謝礼品が十分ではないとなると、地方の人々の潤いが減りますし、それを自治体が使う方が果たして経済的にいいのかはまた難しい問題があります。

税金の使い方に様々に言われる昨今、果たして地方自治体がそのまま使える税金が増えるというのがそこを潤うためにいい手段かは別だからです。

ふるさと納税は様々に言われますし、今回のポイントの問題もどうであるかそれぞれ意見がありそうですが、地方から東京へ、この物、人の流れがあり、それを維持するためには必要な制度ともいえるのかもしれません。