NBA ファイナル 23-24 | 米の心

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さて、ついにNBAファイナルも決着がつくこととなりました。今シーズンは、POが順調に進んだのもあり、CFからどちらのチーム1週間ほど間が空いてのファイナルとなりました。

臨戦過程からすれば、DALの方が試合数も多かったわけですが、個人的にはこのCFからファイナルまでの日程というのが与えた影響は少なからずあるのではないかと思います。

まずBOS側にとって大きかった点としては、やはり1戦目非常に大きな影響を与えたポルジンギスの復帰でしょうか?その後離脱した試合もあったものの、1試合目、2試合目で流れを作るののKPの存在は大きく、最終戦となる5戦目でも1戦目ほどのインパクトはなくとも復帰したということの意味合いは大きかったように思います。

BOSは今シーズン非常にロースターに恵まれ、その中でPO、ポルジンギスをかける中でとなりましたが、その中で僅差の試合も多い中勝ち進めるだけの実力があり、そして、そこにKPも加わったということで盤石の体制でFを迎えることができました。

そもそもNBAは怪我の人が少なくコントロールすることはPOを勝ち進む上で重要です。東においては特にBOSの対戦相手はスタータークラスの選手の離脱が多く、その中である意味では恵まれた中でPOを勝ち進むこととなりました。しかしながら、けが人のコントールできるというのはやはり重要でありそれがBOSはできたからこそ、POからFといい形で迎えることができたと言えます。

その意味で言えば、このチームはテイタムブラウンのコンビに、ホワイト、ホリデーのガードコンビとスターターの質が非常に高いチームですが、それを支えた縁の下の力持ち的な存在としては、ホーフォードを上げるべきではないかと思います。

KPが不在の中、ホーフォードまで不在となるとBOSのセンター事情は大きく変わってきます。

これは、今シーズンのBOSの懸念材料にもあげられていた問題でした。ホーフォードはベテランであり、KPは怪我が多い選手として知られており、トレードでセンター陣を放出する中でけが人が出てしまえばどうなるのかといった点です。

しかし、ホーフォードはRSを65試合最終的に出場し、POでも出場してくれたということはBOSにとってスタッツ以上に大きかったと思います。

その意味では影の立役者はベテランのホーフォードだったのではないでしょうか?

センターさえきちんと収まりがつけば、テイタムとブラウンのコンビ、ホワイト、ホリデーのガードコンビとどこからでも誰でも点がとれ、そしてDF面でも強烈なスターターが揃っています。

全チームトップクラスのスターターを誇るBOSと伝統と熱狂的なファンがいるチーム、抑え込むのは難しかったと言えます。

FMVPはブラウンで、ブラウンはそれに相応する活躍を見せました。テイタムについてはそこまで目立たない試合もありましたが、このチームはエースであるテイタムが目立たなくても勝てるというところが強いのです。

個人的にはエースばかりが活躍するチームというのは限界があると感じています。むしろ、エースが活躍しなくても勝てるのが理想的です。BOSはテイタムとブラウンのダブルエースですが、テイタムが目立たなくても勝てる、それはそれぞれが役割をこなしているからであり、テイタムが点を取らなくても点が取れるチームだからです。

RSから圧倒的なシーズンを送り、POもいいリズムで勝ち進み、いい休養を迎えて、KPが復帰し、そこからのFという形で迎えたBOS、その意味で言えば完璧なシーズンを送ることができたと言えるのではないでしょうか?

ただ、幸運なトレードによる強力なメンバーの形成であったり、POの相手チームのエースクラスの離脱など、BOSに都合のいい展開が多かったところからして、アンチというかやっかみがある程度出てしまうというところは仕方ないのかなという気もします。

しかしその中でチャンピオンとなった経験は非常に大きいかなと思います。

連覇が難しいと言われるNBAですが、現状として連覇を十分に見込めるチームであり、来季の優勝候補にあげられるだけに注目したいですね。

来季優勝候補に挙げられるのは、スターターを含めたローテが来季も残留することが決まっているからのようです。

ただ、個人的には前述のようにホーフォードはすでにベテランですし、KPも出場すれば素晴らしい活躍をするけれど怪我が多く、現にPOとFと怪我で離脱したシーンもありました。その中でホーフォードがいたからこそ安定感を示せたのであり、どこまで同じようにインサイドをコントロールできるかという点では、今シーズンほどにうまくいかない可能性も十分にあるのかなという点は少し思ってしまうので、そこをどう調整するのかは気になりますね。

先に優勝したBOSについて記述してしまいましたが、DALにとっては、このFは苦しい展開だったように感じます。

4戦こそは、圧勝となりましたが、そのほかのシリーズではBOS相手に苦しんでいました。

元々西の上位チームの中では、BOSとの相性はあまり良くないとされていたのがDALです。カイリーがBOSと相性が悪いとも言われていますが、RSでもBOSに勝つことができていません。その点では、MINやDENの方がいい試合をしたのではないかとも言われており、この辺りはチーム同士の相性というのもあったのかと思います。

カイリーはBOSでは強いブーイングを今でも受けていますし、その辺りBOSを去る時の流れが良くなかったことも影響があるのかもしれません。

ただ、そもそも西は激戦区であり、上位チーム同士の差はあまりなく、その中でDALがなぜFまで勝ち進んだのかという点で言えば、体制相手との相性と、ルカとカイリーのバックコートコンビの爆発というのがあったかと思います。

特にPOにおけるルカとカイリーの活躍は凄まじく、1回戦のLACからハイライトシーンを連発するような活躍をし、それはOKC、MINとの試合においても継続されました。

POにおいてFとその他の試合に違いがあるとすれば、Fはすでに1試合目の日程が決まっているのに対し、その他の試合は対戦相手が決まり次第前倒しで試合が進むという点です。

この点において、好調で勢いのあるDALというのはCFまで非常にいい勢いで勝ち進むことができ、いい状態であったと言えます。

ルカとカイリーが止められないとなると他の選手も止められません。そこへのカバーを強くするとPJワシントン、インサイドではギャフォードをルカがうまく使い、点とつなげていきます。PJワシントンはルカに使われることによって効果的に3を決め、そこにカイリーやルカのクラッチ力まで加わると、点差があっても一気に流れが変わる勢いというのをもたらしたわけです。

そして、それは非常にいいチームの状態になっていることを示し、それが短期間の間に行われた試合で保たれたということができます。

その意味で言えば、もしFが間あかずに試合があれば、DALはその勢いをそのままファイナルに持ち込めた可能性はあるいはあったのかと思います。

DALはルカとカイリーの個人技、爆発力を中心にしたチームであり、BOSはその意味では対照的であり、だからこそ、その二人にかかっているところも大きかったからです。

Fでは、カイリーがBOSが苦しみ、カイリーの得点力が失われると、DALの得点能力は半減します。加えてワシントンなどもあまりいいところで決めることができず、結果、爆発力でカバーしてきたPOみたいな展開をFでは見せることができませんでした。

BOSはこのPO非常に僅差のゲームをものにして勝ち進んできましたが、Fにおいては大敗した試合はありましたが、それほど苦戦した試合という展開は少なかった印象があります。相手の爆発力を抑え込む展開をすることができていたからです。

こう考えてみると、このPOを盛り上げたDALですが、やはり、勢いで勝ち進むチームではファイナルは難しい印象も受けますね。

これは、昨年Fに勝ち進んだヒートにおいても同様です。

RSを上位でフィニッシュ出来たわけでもないというのは、単純にはチームの実力が試合数多い分結果として反映されやすいRSにおいて相応の結果だったということにもなります。POの戦い方がわかっている、勢いがあるといっても、それを継続するのは難しいですし、今年のニックスのように一部のローテ選手に疲労が集中し、怪我などにリスクも高くなることもあるかもしれません。

この辺り、下位から勝ち進むのは素晴らしいが、一方でそれだけにFで相手が上位のチームでそこを突破することが可能かといえば、やはりそこは上位のチームと下位のチームの潜在的な実力差というのがどこかしら現れやすいところはあるように思いますね。

実際ファイナルを優勝したチームをみてみると4位以上のチームが少なくとも10年以上勝ち続けています。その意味で言えば、前評判通りの結果とも言えるのかもしれません。

CFまでならともかく、Fを勝ち上がるためには、RSを4位いないで追えるほどの実力は欲しいというところであり、それが可能なのはスターター以外のロースターの充実なども含めチームとしての完成度の高さということなのかもしれませんね。

今回優勝したBOSは、ホリデーやKPなどの補強はあったもののベースとなるのはテイタムとブラウンのコンビです。

少し前は、スーパースターを集めてビッグチームを作るみたいな流れもありましたが、ちょっとここにきてそれでは勝てないという流れが出てきてる気がしますね。

その流れを作ったのはレブロンがボッシュとウェイドとマイアミでBIG3を作ったことにあるのかもしれませんが、この時はサラリーなどの妥協もしながら、かつウェイドのマイアミという母体がある中での形成でした。

GSWにKDが加入したこともありましたが、こちらも元々カリー、クレイ、ドレイモンドやルーニーという元ができていたからです。

よそからエースを呼び寄せて成功した例でいえば、近年ではレブロンとADを集めて優勝した時くらいではないでしょうか?そのために多くの選手を放出しましたがそれでもなおクーズマのようなプロスペクト選手を残しつつ、KCPの存在や、カルーソのような周りを固める選手が充実していたのも大きかったように思います。

どこかのチームがエースを呼ぼうとした際ドラフト指名権などを多く放出することになり、結果が出なければそのチームは解体が余儀なくされるような状況になってしまうことも少なくありません。近年ではネッツなどはその例でしょうか?サンズについても現状を打開する手段は限られてしまってます。

元々もあれこれとかき集めて結果が出にくかった、出なかっただけではなく、今では新労使協定によりサラリーキャップ関連がうるさくなりFAの補強も難しくなりました。

これを踏めて考えると、これまでのスター選手をかき集めて優勝を狙うというモデルはちょっと今後はなくなっていくかもしれませんね。少なくともそれで優勝をするのは簡単ではなく、そこはあくまでチームに必要なピースをどう集めるか、その中にセカンドエースの存在を必要捉えるか、ローテやDFの補強が必要と取られるかそのような話なのかという気もしますね。

さて、その中で次のシーズンに向けて各チームがどう動くのか楽しみですね。BOS優勝おめでとうございます。