交流戦はパが強い論争の話 | 米の心

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昨日に引き続き、交流戦の話。交流戦、今年もパリーグの方の勝利で終わりそうですね。人気のセ実力のパと言われたのは昔、今は人気も実力もパなどと言われたりします。実際のところ、日本シリーズでもパリーグの優勝が続いていましたし、交流戦もパリーグが勝ち越すことが多く、これまで行われてきた交流戦においてセリーグが勝ち越したのはわずかに3回のみとなっています。

リーグとしての勝ち越しは3回である一方で、ではどのチームが交流戦で優勝したかというのを見てみると、セリーグのチームが優勝したのは過去5回とこちらに関しても先ほどのデータよりは多いもののやはりパリーグのチームの方が優勝回数は多いようです。

交流戦で安定して結果を残しているのが今年の交流戦でも2位につけたSB。SBの優勝回数は、8回に及び、負け越したシーズンはわずかに3回のみとなっています。

ただ、SBはパリーグでも中心的なチームであり、交流戦にも滅法強いが、総合力がそもそも高いチームというのが正直なところかと思います。

毎年毎年、セパの勝ち越しなどを見て、やはりパリーグのチームの方が強いなどと言われますし、実際のところ、その傾向というのがあるのかなとは思いますが、個人的にはリーグとしての比較というのはそれほどあまり意味があるものではないと思いますし、そのチームの状況においてどう負けたか、勝ったかというところが重要であるとも言えます。

例えば、過去8回の優勝を誇るSBがいるというのは、単純にそのチームがいるだけで、そのリーグが勝ち越す可能性は当然高くなります。最も勝利数をあげているチームが所属しているので当然ですね。12球団一と言われる戦力があるチームであり、今シーズンパリーグを独走しているチームがいる、それならば、そのリーグが勝ち越すのは珍しいとは言えなしでしょう。

今シーズンの交流戦の順位で見れば、勝敗差は残り1試合の段階で、パリーグが2勝ち越しているのみです。最終戦の結果次第では互角であり、SBの存在や交流戦で好調だった楽天の存在というところからすれば、むしろリーグとしての力はより均衡したといってもいいのかもしれません。まぁ、これには西武が大きく負け越したというカラクリがあるからなんですが、単純にリーグとしての勝ち越しか負け越しかで見てしまうとその辺がどうしてそうなったのかというところが曖昧になってしまうわけです。

SBが今シーズン独走しているの同様に、西武は今シーズンずっと苦しんでおり、それは交流戦でも変わらず、その分リーグとしてみた場合負けを大きく積み重ねることになったと言えます。

セパどちらが勝ち越したかとしてみたとき、例えばその中で、昨年優勝した横浜の存在というのは歴代で見るとなかなかに存在感のあるチームと言えます。

近年こそAクラス入り、優勝もできるのではないか?という話もある横浜ですが、TBS時代は非常に弱いチームであり、中畑さんの最終年あたりから揚々と力をつけ始めたチームです。

それはセリーグの中でも常に最下位争いをしていたいという事実からもわかりますし、交流戦の結果を見ても現れています。横浜が交流戦で勝ち越したのは20年以前であれば、わずかに4回のみ。交流戦で10位以下というのは8回もあります。これはSBが8回優勝しているのと同様に、リーグとしてみた場合それほど多く負け越すチームがあると不利に働くという話になります。

しかし、最下位のチームが多く負けを吐き出しているからといって、リーグとして弱いかというのは別の話でもあります。最下位のチームが優勝争いをしているわけではないからです。

では、なぜセリーグが弱いという結論になるのかというところは、交流戦の結果だけではなく、日本シリーズでもセリーグのチームが苦しむことが多いからかと思います。

昨年こそ熱狂の甲子園での阪神の日本シリーズ優勝がありましたが、それまではセリーグのチームの不甲斐ない結果というのが多かったというのも事実です。

ただ、結局のところ交流戦の結果は、ペナントレースで優勝できるかどうかという上では重要な役割を果たしても、CSを勝ち越さなければ日本シリーズに行けませんし、日本シリーズの結果が全てではあるので、交流戦でどちらのチームが負け越したかというのは本質的にどこまで意味があるのかは個人的には難しいところもあるように感じます。

一方で、交流戦での勝ち越しがあるかどうか、というのは、リーグの活性度をある意味では示しているとも個人的には考えています。

これは、交流戦というのはペナントレースそのものにおいてと言えるのかもしれません。

どこかのチームが独走する、あるいはどこかのチームが大きく負け越しになっている状態というのはある意味では、リーグ内での格差が生まれており、バランスが失われている分、競争力が低下している状態と言えます。

セリーグがずっと弱かった時代が長かったのは、横浜であったり、広島、中日であったりが弱い時代が長く、(ヤクルトは浮き沈みが激しいのでよくわからないですが)リーグとして活性化していない時代が長かったからというのは側面にあるかなと思います。

一方でパリーグはSB一強と常に言われながらも、意外とペナントレースはもつれ込むことが多く、最後まで接戦ということも珍しくありません。CS争いも盛り上がることが多いです。ずっとどこかのチームが最下位だったということはあまり記憶にないですね。西武は今は弱いですが山賊打線時代はパリーグで最も強力なチームの一つでしたし、楽天はけが人などがでなければ上位に食い込む実力があり、ロッテもホームアドバンテージがある中でCS争い前後をする実力を長く示しています。

日本ハムは定期的に順位を落としますが、若手が成長してくるとまた優勝争いをするチームになりと、リーグとして活性化している時代が長く、その分競争力があり、パリーグがリーグとして成長してきたというのが個人的な印象です。

交流戦が始まったのは05からですが、交流戦で23年までで8回の優勝のあるSBは、ペナントレースでは6回しか優勝できていません。黄金時代があったことを考えるとこれを多いととるか少ないととるかは人それぞれですが、それだけパリーグが活性化していたということかと思います。

セリーグについては、どこかが弱い時代が長くあったところから、徐々に優勝するチームと残りの5チームみたいな形に変わり始めていました。広島の連覇、ヤクルトの連覇時代などはそうでしょうか?

今シーズンはこれまで長く苦しんできた中日も力を見せはじめています。交流戦ではふがいなかったですが、リーグとしてはゲーム差が縮まっており、これから白熱したリーグの展開を期待できるようになっているというわけです。

この点で考えると、セリーグは長く活性化していなかった状態から徐々に移行しつつあるように感じます。もはや巨人が中心で話が終わるリーグは無くなったかなと思います。

長年弱小球団であった横浜も近年では力をつけ、交流戦の結果で見れば過去5年負け越しはなし、という非常に安定した結果を示しています。

この辺りパリーグとセリーグではパリーグが強いと言われ続けてきましたが、個人的んは徐々にその流れが変わってきたのではないかというのを少しずつ感じるところがありますね。

もちろん、これはどちらのリーグが強いなどでは面白くない私の願望もあってのことでもありますが、セリーグのチームパリーグに遅ればせながら、変わってきた、少なくとも変わってきたのが現れ始めているのかなとも思ったりするところです。

そしてそういう変化がある中で、過去を引き合いに出して、パリーグが強い弱いというのは今においては意味がある話ではないとも思うところですね。

ちなみにこういう話をしておいてなんですが、交流戦が本当に苦手なんだなぁと思う球団が広島だったりします。強い時代などもありましたが、交流戦での勝ち越しが少なく今シーズンももう少し勝ち星を伸ばしたかったチームですね。阪神もまたセリーグの順位推移からすれば交流戦を得意としているという印象はあまりないかもしれません。これは、ホームアドバンテージのどちらも強いチームなだけに、交流戦のゲームがどこで開催されるかというところの影響と、対戦相手の兼ね合いなどももしかしたらあるのかもしれません。