角田残留決定 | 米の心

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少し前の話になりますが、角田選手のピザ・キャッシュアップRBへの残留が決定しました。決定となったのはカナダGPの予選の直前であり、25年シーズンもF1で走ることが決定しました。ほかからの移籍の話もいろいろあったようですが、キャッシュアップが契約延長オプションを行使したとのことです。契約延長のオプションがキャッシュアップ側が持っていたというところからすれば、他からの話があっても、そちらの優先度が高く移籍は難しかったかなと思います。

今シーズン非常に良いアピールをしていた角田選手ですが、カナダでは久々にミスがあり、ポイントならず。そのカナダの予選直前での発表だったということですから、レースへの姿勢というところにも何かしらの影響が出たかもしれないかと思います。

それまでは来季どこのチームに所属するのかもわからない状態であり、RBのチーム状況も変わっていく中、どのチームに行くのかベストか、それも含めた中で自身のドライビングを全世界にアピールしなければなりませんでした。しかし、その中で残留が決まったということは、少し緊張が解けたところも出たのかなと思います。

ペレスとの契約延長がそれ以前に決定しており、その時点で角田選手のRB昇格の可能性というのはなくなっていました。

そして、RBの席がなくなったことで、トップチームの動きも活発になり、角田選手についても早々に決まったというところでしょうか?

ただ、現状として、残留以外の選択肢というのはあまりなかったのかなと思います。

仮にペレスの残留がなかったとしても、その場合は、サインツであったりとより優れたドライバーとの契約をRBは望んでいたはずです。RBはずっと1人のドライバーを中心のチームを作るチームであり、現在その一人がフェルスタッペンであることは明白です。

よって、加入するドライバーはセカンドドライバーであることを受け入れるドライバーである必要があります。

そうなってくると、ベテランなどであればともかく今、今からが全盛期のドライバーにとっては受け入れるのが難しかったでしょうし、そうなれば、そもそもサインツなどの加入の可能性もそもそも少なく、その上で、ペレスの代わりにまだ若い角田選手を昇格させるにはリスクがあるというところが現実的だったわけです。

となると、まずペレスの残留路線というのはほぼほぼ既定路線だったということがわかります。

ペレスは満足させるドライバーではないのはわかりますが、かといってペレスの代わりに誰にするのが、来季RBでフェルスタッペンがチャンピオンになるためにベストであるかというのは選択肢がないからです。

サインツやノリスが受け入れてくるなら別かもしれませんが、実力のあるドライバーだけにマックスとやりあう可能性もありますし、ワンドライバーチームにとっての選択肢とするには二人は勿体無さすぎます。他のチームやドライバーが許さないでしょう。

となると、結局ペレスが残るという路線になるわけです。

ペレス残留が決定した上で、RB側からすると、ペレスに対して保険をかけたいという思いもあります。

RBはこれまでセカンドドライバーに対しては厳しい結果を求めるところがあり、それにより、ガスリーやアルボンはそのシートを追われることとなりました。アルファタウリ時代、昨年の角田のチームメイトニック・デ・フリーズも結果が出なかったことで、リカルドと交代になったのは記憶に新しいです。

ペレスについては残留に現時点で、批判の声が上がっていることからしても、既定路線ではあるものの、それがベストであり、その他の選択肢がないということではないというのは過去から見ても明白かと思います。

そうなたっときにペレスの代わりに昇格ができるドライバー候補をRBは保有する必要があります。

そのドライバーの所属先はもちろん、キャッシュアップRBとなるわけです。

角田選手がアピールすればするほど、RBからすればよりホールドすることを選択肢にしたくなります。他のチームに取られてしまうと、いざという時に角田というカードを使えなくなるからです。

RBが他に保有しているカードは誰でしょうか?リカルドとリアム・ローソンが候補となるでしょう。

しかし、リカルドはカナダでこそポイントを獲得しましたが今シーズンここまで角田に負けており、ベテランでセカンドドライバーを受け入れてくれるスポンサーを期待できるドライバーとしてはペレスの代役候補になりえますが、ペレス同様チームのアシストが本当に可能かという点においては疑わしくあります。

ローソンは臨時参戦した昨シーズン素晴らしい結果を残したもののF1でのキャリアは少なく、いきなり昇格させるにはリスクがあります。もし昇格させる期待が高いのであればそもそも今シーズンのキャッシュアップのドライバーになっていておかしくありません。立場的には昨シーズン結果が出せなかったリカルドの代役候補としてのカードといったところなのかなと思います。

となると、結局のところペレスの代役としては、リカルドやローソンがいるといってもそこへの信頼も絶対的ではありません。ゆえに、角田というカードが手放せないというのがRBの現状と言えます。

逆に言えば、角田が期待できるドライビングをしていたからこそ、ペレスの残留という選択肢にもなったのかなと思います。

もしここで角田が今シーズン不甲斐ない走りを見せていたらどうでしょうか?RBは角田というカードがなくなります。ペレスのここまでのパフォーマンスからすればペレスの保険となるドライバーが欲しいが、前述のようにリカルドもローソンも弱いです。となると、最初からもっときちんと結果を求められるようにペレス以上の選手をフェルスタッペンの相方にするリスクがあっても取りに行くという選択肢を選択したかもしれません。

ただ、角田は今シーズン非常にいい走りを見せた。

それなら、そのリスクは一旦避けて、ペレスを選択となったというわけです。

順番としても、ペレスというカードをまず保有するのが先であったわけです。角田についてはチームオプションを持っている状態であり、マックスのチームメイトをどうするかが決まった後でいくらでもコントロールできる話だからです。だから、ペレスが決まり、角田という順番になったというわけです。

ただ、これは25年の話です。角田選手はここまでRBとは単年契約となっています。チームオプションを持つにしても、契約が切れる翌年のチームオプションを設定はできても、その翌年まではできないはずです。

その中で25年の契約を結ぶ上で、角田選手はここまで良いアピールをできているわけですから、どのようなオプションで新しい契約となったか、というのは今までとは異なる可能性も出てきているのではないかと思います。

キャッシュアップに対して翌年のチームオプションなのか、それとも、キャッシュアップに対してはドライバーズオプションであり、RBの昇格の話についてはチームオプションでいう話など契約が複雑化する可能性はあるというわけです。

特に26年からはレギュレーションが変わるため、ドライバーとしては25年の段階で強いチームオプションがあることは望まない可能性は高いかと思います。

そのあたり含めて、来年も走ることになった角田選手ですが、その先がどうなるのか注目したいところです。