第84回 皐月賞 予想 | 米の心

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先週のクラシック開幕戦の桜花賞はステレンボッシュがアスコリピチェーノを破り一冠目を獲得しました。牡馬混合G1の初戦となる皐月賞は桜花賞を選ばずに皐月賞を選択したホープフルSの勝利馬レガレイラが出走するということでも話題になっています。

ただ一方で牡馬に関しても今年この馬が本命という馬はいないような印象がありますね。それもあってレガレイラにとっては久々の牝馬による皐月賞制覇のチャンスがあるのではないかという期待値が高まっている印象を受けます。

過去皐月賞にチャレンジした牝馬は少なからずいますが、近代競馬になって以降その栄冠を勝ち取ったケースはありません。

一番直近で皐月賞にチャレンジしたのは、17年のファンディーナ。フラワーカップでの圧勝もあり、一番人気となりましたが、結果は7着でした。

ファンディーナはその後あまり活躍ができなかった馬であり、この年は当初混戦とされていました。それと話題性があっての一番人気だったわけですが、改めてこのレースに出ていた馬を見るとなかなかに今からすると面白い馬が揃っている印象ですね。

勝利したアルアインはその後G1を中心にレースを走り、19年の大阪杯の勝利馬となっています。その大阪杯を1年先に勝利したのが、スワーヴリチャード。今年の注目種牡馬の一頭であり、そして、ホープフルSの勝利馬であるレガレイラの父となる馬です。牝馬が皐月賞に挑戦した年同じく皐月賞に出ていたスワーヴリチャード、その仔のレガレイラが再び牝馬で皐月賞をチャレンジするというのはどこかドラマチックなものを感じますね。

ちなみにこの年の5着となったのがレイデオロ。種牡馬としても活躍しておりますが、その後日本ダービーと天皇賞・秋を勝利しています。

2着のペルシアンナイトはこの年のマイルCSの勝利馬、3着のダンビュライトはG1は未勝利ながらG2を2勝しており、4着のクリンチャーもG1で2着1回3着1回、G2を1勝、G3を3勝しています。

そう考えると混戦といわれていた時の皐月賞ですが、その後の活躍はなかなかに華々しいと言えます。

個人的に言えば、牝馬と牡馬の差が年を重ねた方が少なくなるとはあまり考えていないので、皐月賞を勝てる勝てないというのは単純に絶対数の差というのが大きいのかなと思います。年に勝利するのは1頭しかなく、挑戦するのが数年に1頭であるかないかでは単純に試行回数が少なすぎるわけです。

また、牝馬のローテは桜花賞までの間に2000mを走るレースは少なく、中山もトリッキーなコースということを考えるとそもそも皐月賞に向かうようなローテを考えていたのかということが前提として問題になるかと思います。

ファンディーナにしろ、それまで牝馬限定の重賞を勝利しているだけであり、牡馬の強いところが集まるレースでの経験はなく、距離も1800mまでです。

桜花賞に向かうか、皐月賞に向かうかそれが定まっていないのであれば、牝馬限定レースを使っていくというのも当然の選択肢になりますし、そのあたりが逆に皐月賞しか選択肢がない牡馬と決定的なローテの違いとして生まれているところがあるかなと思います。

その意味で言えば、今回出馬するレガレイラについては、皐月賞を目指してきた馬ですし、その実績も含めてチャンスがある馬と言えるでしょう。

前走は中山2000のG1を牡馬相手に蹴散らして勝利していますし、ここまでのレース牡馬とやりあってきているからです。ホープフルSからの直行は近年人気のある皐月賞ローテの一つです。

そこらを含めると非常にチャンスがあると思わせる一方で、不安尿素としてあるのは、スタートと騎手ですね。

レガレイラはスタートがうまくなく、ホープフルSもスタートは失敗しています。その中で挽回し勝利できたというところは、ルメール騎手の手腕の影響が大きかったかと思います。ルメール騎手に限らずですが、外国人騎手は切り替えが早いので、その展開の中でベストな結果に調整するのがうまいんですよね。それもあってのホープフルSの勝利と考えると、実力は皐月賞に届くものであったとしても、スタートがどう出るか、ルメール騎手からの乗り替わりがどう出るかそのあたりの読み合いは大事になってきそうです。

では、そんな中行われる皐月賞について予想してみますと

◎ ジャスティンミラノ
○ レガレイラ
▲ サンライズアース
△ シンエンペラー
× ジャンタルマンタル

としました。ちなみに今回は展開が遅くはならないかと思います。

本命はジャスティンミラノにしました。共同通信杯からの直行は近年でも最も人気のあるローテの一つですね。それだけに共同通信杯については、このレースにも出走している馬が多くいます。武豊騎乗予定のエコロヴァルツや朝日FSの勝利馬であるジャンタルマンタルなど。それだけに共同通信杯は多様化ローテの中でもレースレベルの高さを期待できるレースの一つだと思っています。他で言えば、ホープフルSも2歳G1ですし、やはりレベルの高いレースのひとつですね。

ただ、ホープフルSと共同通信杯は間隔が微妙なので、どちらも出るという馬はそれほどに多くない気がしますね。

ゆえにその2つのレースでいい結果を出した馬は単純に評価したいと思います。その共同通信杯で朝日FSの覇者に1と1/2馬身差で勝利した点は評価すべきかと思います。

鞍上の戸崎騎手は共同通信杯から乗っていますし、馬についてもある程度把握しているのではないでしょうか。

ちなみに逆に近年予想が難しいのが弥生賞ですね。弥生賞を使って皐月賞というローテは以前ほどの王道ローテではなくなりつつあります。その中でこのレースをステップに使う馬というのは賞金的に出れるかわからないなどといったケースも当てはまることが少なくありません。そのためか最近では優勝した馬がいないのですが、馬券に絡むことは多いという点では要注意ですね。

この馬の懸念材料としてあるのはその共同通信杯は決してレースペースが速いレースではなかったことです。スローペースの前残りの展開のレースだったといってもいいかと思います。前述のように皐月賞はそこまでスローペースにはならない、むしろ前に行きたがる馬の多いのでハイペースになる可能性もあるという点からすると、そのあたりは気になりますね。この馬は新馬戦もゆったりとしたレースであり、速いレース展開を経験したことがありませんのでそこがどう出るかですね。

対抗はレガレイラで。

前述のようにやはりスタートや鞍上が変わったということをマイナスと捉えました。ただ、展開的には後ろが有利な展開になる可能性も高そうなのである程度はカバーできそうな気がします。とはいえ、前々走では3着と取りこぼしており、実力はあるもののその実力を発揮できるかどうかというところに焦点が行くのではないでしょうか?

▲はサンライズアースにしました。

この馬はホープフルSに出走しようとしたものの取り消しになり、その後すみれSを勝利してこのレースとなりました。

新馬戦では逃げた馬ですが、2戦目のすみれSでは後方に控えるレースをしています。この馬が気になったのはデムーロの選択だからでしょうか?

デムーロは皐月賞と相性が良い印象を持っていますが、このレース他の馬に乗る選択肢もおそらくあり得たと思います。そこれこそ弥生賞を勝利したコスモキュランダはその時デムーロが乗っています。今回モレイラがテン乗りとなりましたが、これはデムーロの選択の結果ではないでしょうか。もちろんエージェントとの関係や優先などもあるでしょうか、サンライズアースにはそれだけ期待できるものがあるからということかと思います。

ちなみにサンライズアースの父は、レイデオロ。改めて見るとスワーヴリチャードもそうですし、コスモキュランダの父はアルアインとあの年皐月賞を戦った馬の仔が割と今回集結しているんですよね。

その意味で言えばレイデオロは東京専用って感じがありますし、コスモキュランダの方が父の現役からすればフィットしそうですが、産駒傾向が少ない中で、純粋にこれまでの実績と期待度から予想をしてみました。

△はシンエンペラー。

ホープフルS2着、弥生賞2着の実績は今回出走馬の中でもトップクラスといえます。京都2歳Sでは後方からのレースで勝利しており、融通性のある走りが期待できそうです。またずっと騎手が乗り替わっていても結果が出ているのも魅力ですね。

ちなみにシンエンペラーの全兄は20年の凱旋門を勝利したソットサスです。馬主はサイバーエージェント、ウマ娘でも馴染みのある藤田晋さん。なんというか相変わらず持っている方ですよね〜。

そのシンエンペラーに騎乗するのが、坂井騎手。先日の桜花賞で3着にねじり込んだ騎手ですね。毎日賞ではメイショウタバルを勝利に導き、高松宮記念でもマッドクールを勝利に導いており、桜花賞の騎乗といい今非常に良い状態の騎手であるという印象を受けます。そのため、このレースでも馬券に絡むのではないかと予想しました。

最後はジャンダルマンタル。

朝日FSの覇者ですね。

実力で言えば今回出走馬の中でもトップクラスの実績ですね。父のデータが少ないのですが、傾向としては今の所マイルを中心に活躍している馬が出ているみたいです。

単純に共同通信杯でジャスティンミラノに負けている点を考慮しました。

川田騎手は人気の馬に乗るときは、気負う印象があるのでその点でもマイナスとみました。まぁ、単純に人気になりそうなのである程度控えたいというところもありますね。

ディープインパクトやキングカメハメハからの世代交代が本格的に始まったのもあり、種牡馬がどういう傾向なのかというところがちょっと読みきれない中での今年の皐月賞となりますが一体どのような走りを見せてくれるのか、楽しみですね。