xとインプレッション | 米の心

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23年7月24日にTwitterはxとなりました。それからイーロン・マスクのSNSとして様々な変化があり、使いにくくなったなどと言われることもあるようです。

向こうの人というか、イーロンが好きなだけかもしれませんが、xという名義については、個人的には名義変更が良かったかどうかは難しく思います。それは、単純にxというシンプルな言葉は様々なところで使われるものであり、その単語を持って何を指すのかということがわかりにくいからです。

例えば、ネットで検索をするにしても、Twitterであればそのまま検索に引っかけやすかったわけですが、xともなればワードとしては使いづらいところがあります。そのためか、ネット記事に記載される場合、x(旧ツイッター)みたいな表記というのはしばしば見られるのも、そのあたりの苦肉のところがあるからなのかなと思います。

さて、xになって大きな変更としてあったものの一つにインプレッションで、広告収入を得ることで稼ぐことができるようになった点というのがあるかもしれません。Youtubeなどが視聴数に応じて収入ができるようなシステムをxにも導入したというわけです。

xの場合収入を上げるためには、フォロワー数が500人以上、過去3ヶ月で500万回以上の閲覧などといった条件が必要とされています。

フォロワー数に関しては相互フォローなどがあるためある程度増やすのは簡単ですが、過去3ヶ月で500万回の閲覧というのは割とハードルが高いと思います。90日で500万回ですから、1日当たり5〜6万閲覧が必要となります。

自然、インプレッションで稼ごうと思えば、投稿数を増やすなどといったことになりますし、Youtubeなどでも見られるような炎上商法などをするケースというのも増えるというわけです。

いつだったか、寿司屋の大将にキレられたということで投稿をし話題になった女性がいますが、あれも、目に見えたインプレッション稼ぎということになるでしょうか?

今年1月1日に能登半島地震が起きましたが、これについてもやはり衝撃的なニュースだったこともあり、インプレッション稼ぎのために偽の情報を流し、収入を得ようとする人が現れたそうです。日本に住んでいない人が、そういう情報を流すケースもあるのだとか。

これは、インプレッションを稼ぐ上で、日本の情報を日本語で入手できない人にとっては魅力的な情報源に移るかもしれません。英語圏や日本語圏であればともかくとして、他の言語圏で日本のリアルな情報、声を得られるというのは大きいからです。そして、それは日本語へのアクセスが乏しい人にとっては、それが本当であるか嘘であるかということを見抜くのは簡単ではありません。

よって、災害であったりと、何か非常に話題性の高いことが起こるとそれを元にインプレッションを稼ぎ、収入を得ようというする動きというのが当然生まれてくるわけです。

最も、事実ではない情報を流すというのは、Twitterの時代からありました。東日本大震災においても、そのような使われ方もあったわけですね。

過激な情報を流すと、当時インプッションがないにしても、いいねなどを稼ぐことができ、いいねやリツイートが増えれば、それだけインフルエンサーとしての立ち位置を構築しやすくなりますし、宣伝?ができるケースもあったりするので、印象的なネタを持ち込むというのはTwitter時代から見られた話なわけです。

当時としては、SNSから直接というより、そこでバズらせて知名度を上げることによって、二次的にビジネスなどでステップアップさせることができたわけですが、インプレッションというものができることによって、SNS上で利益を上げることができるようになったということはある意味では大きいかもしれません。

なぜならば、それが事実であるか嘘であるかに関わらず、収入を上げることができ、それは経済的弱者などの立場でも可能なビジネスだからです。

例えば、発展途上国の人間であったり、例えば、肉体労働が難しい人であったり、引きこもりであったり、そのような人でも、インプレッションで稼ぐということは可能なわけです。

そして、それは、Youtubeなどのように顔を晒すなどの身バレのリスクを高めることなしに可能ということになります。もし、ある程度組織的に行うのであれば、互いが互いに相互フォローをし、相互に閲覧のみをやるということも可能ですし、閲覧するバイトをさせるという手段すらありうるかもしれません。

そうすることによって、何もないところからまさしく錬金ができるというわけです。

となれば、そういう立場の人からすれば多少嘘があっても過激な情報を流し、インプレッションを獲得するという動きをする人が出るのは当然かもしれません。

特にこの話は、自分の国ではなく、他国においては非常にやりやすいところがあります。

自分の国、自分の言語であれば、炎上リスクがありますし、それこそ、風評被害などにつながる場合は、訴えられるリスクもありますが、これが他国、他言語であればそのリスクは高くありません。言語的にサーチしづらい互いに環境にあるがゆえに、よほどバズらなければ目に止まりにくいからです。

インプレッションで稼ぐことができる、というのはその意味で言えば、経済的弱者などでも稼ぐことができるという魅力的な提案を持ちかけることになりましたが、一方でx上で流れている情報の信頼性というのは失われやすい傾向を生み出したということになります。

さて、そうなった場合、ユーザーの動きというのはどうなるでしょうか?

そもそも、SNSの使い方というのは人それぞれかと思いますが、Twitterなどにおいて広く情報を拾い、多くの人と繋がることを目的にしている人ばかりではありません。

より、自分たちの趣味などの世界での繋がりのためのアカウントなどを持つケースなどの方が多いかもしれません。その人たちはよりクローズドな動きを求める傾向にあり、例えばxのおすすめでの情報を見ることは基本的にはしないでフォロー中の人のポストを見るのが基本となるわけです。

この場合ですとフォロー中の人さえ管理をしていれば、自分にとって煩わしい情報というのは入らなくなります。クローズドな中で片付くために、xを利用した広告的なビジネスというのは成り立ちにくくなります。

一方で、インフルエンサーや芸能人などといった人、企業などは積極的にSNSを使って情報を発信し、注目を集める必要がありますから、より人との繋がりも多くあってほしいですし、フォロワーにとって魅力的な投稿をする必要があります。その意味ではxの使い方はより二極化が進む可能性があるというわけです。

イーロンについては、botなどを廃止したいなどといった発言が過去のありましたが、それはリアルなユーザーがいる状態こそが正常であるという考えがあってのことかもしれません。

そこで、botなどを減らすことがたとえできていたとしても、今度はインプレッションを稼ぐための偽情報や過激情報をアップするユーザーが乱立するのであれば、使いやすいSNSといえるのかは難しくあるように思います。

現状私もxを利用する際、偽の情報や過激な情報、いかがわしいものなどが多く見られるために、おすすめで上がってきたポストを見るというよりは、フォローしている人の投稿さえ見れれば問題がないということの方が多いです。

仮に何かについて知りたい場合、例えば電車の遅延情報や道路の渋滞情報などが知りたいのであれば、その時だけワードで引っ掛けて今の動きを知ればいいという使い方くらいしかしないことが多いですね。

様々にxについては変化を求めているマスクですが、実際の利用者からすればTwitterの時に求めていた機能を原則として使うユーザーが多くよりその意味ではクローズドに使っていくという人が増えていく可能性はありそうですね。

インプレッションによるビジネスをする人たちがいるからこそ、それをより避けようとする人も生まれるというわけですね。