元楽天の安楽智大投手ですが、メキシコの強豪チームであるメキシコシティ・レッドデビルズと契約したとの発表がありました。パワハラ問題によって楽天から自由契約となっていた安楽選手ですが、デビルレイズのキャンプに招待選手として参加しており、本契約に至ったようです。
それに伴う安楽選手の公式のコメントについては、反省がない等様々な意見が出ているようですね。
ただ、その反応からしても国内での契約というのが正直なところ難しかったのではないかと思います。安楽選手が圧倒的なキャリアと人気の選手であればどうだったかはわかりませんが、そうではない以上、パワハラという問題でチームを離れることになった選手を積極的に契約するには相応に理由が必要となります。
SB入りをした山川選手に至ってですら、そこは不起訴になったにも関わらず反対する意見がファンからも出ており、王さんがわざわざ火消しに出たことによって王さんんへ落胆の声が上がったというほどです。
中日入りした中田選手にしろ当時は反対する意見なども見られていたようですが、安楽選手の場合は事実とされたことがあまりにも過激であったがゆえに、再びチャンスを与えるべきといして戦力とみなすには十分ではなかったのかなと思います。
コメントの中で野球を続けるべきではないということも考えたとのことですが、こちらについても少なくとも国内という市場で考えた場合に果たして安楽選手にセカンドキャリアを提供する企業が現れるかというと疑問でしょう。
NPBもダメ、独立リーグもダメ、社会人としてのキャリアがなく、パワハラで前職を辞めたことで有名な人を企業として雇うというのはリスクが高すぎます。社会人野球の選手という道も、全く別の仕事に就くということも正直なところ簡単な道ではなかったように思います。
となると、安楽選手に残された道は海外しかなかったのかなと思います。
海外でもお隣の韓国であったり、台湾もまた難しいでしょう。
日本との距離が近い分注目度が高く、それがゆえになぜ辞めたのかというところまで拾い上げられると、やはり積極的に雇う理由にはならないです。特に中継ぎとして活躍してきたというキャリアは、リスクを負ってまで雇うという考えには少なくともならなかったのではないかと思います。
その中で残された新天地としては正直なところメキシコしかなかったのでは?というのが現状です。
メキシコはまだまだこれからの国という意味では、治安がいいところではなく、また日本についての情報も乏しいという点で言えば、パワハラ問題が大きく取り上げられることはなさそうです。
仮に、パワハラという問題を抱えている選手だということであったとしても、それがメキシコリーグで選手として考えた場合果たしてそれがこちらでも行われるリスクがあるかといえばその点も極めて低いかなとも思いますね。
そもそもスペイン語でしっかりとコミュニケーションができるのかも不明ですし、メキシコにおいて安楽選手の立ち位置は日本で言うところの助っ人外国人という立ち位置です。
さて、助っ人外国人という立ち位置で、果たしてパワハラをできるほどにパワーウェイトをメキシコリーグで保てるかといえばその点については正直なところ難しいのではないでしょうか。
実際のところ、アメリカやメキシコといった国において、黒人やアジア人などが差別の対象となることは多いかもしれませんが、そちらがパワーウェイトとして強い立場になるということはそれほどに多いくはないように思います。日本と同じノリというのが向こうでも受け入れらるかもわかりません。
そのあたりを踏まえて考えると、日本ではやんちゃだったのかもしれませんが、それが海外でも同様に通用する可能性は低く、その点でレッドデビルズ側もその可能性を高く見積もってはないのではないでしょうか?
メキシコリーグでは同じく日本でやらかしがあって、辞めることになった元横浜の乙坂選手が活躍しました。メキシコリーグそのもののレベルからすれば、NPBよりは低く安楽選手にも十分活躍の可能性というのはあるのかなと思います。
では、一方でその先があるかというとその点はあまりないかなと感じます。
乙坂選手もステップアップをできてはいるものの、MLBというところへの道は険しいと言うのが正直なところです。
乙坂選手のようなタイプの選手を積極的にMLB側が獲得するメリットが低く、また年齢的にもすでに若くはないからです。
安楽選手についてもまた、年齢的にはまだチャンスがあるとはいえますが、中継ぎというポジションであることを考えると積極的にステップアップし、獲得に至るかといえば難しいように思います。
中継ぎというポジションでよほどの圧倒的なキャリアを見せ付けない限りは、MLB側として拾い上げる、目に留まる可能性があるかというとそれは非常に低い確率であるということになるからです。
となると、現役を続けるのであればメキシコである程度キャリアを続けるということになるでしょうか?
メキシコリーグがそれほどサラリーが高いとは思えませんから、その間は苦しいかもしれませんが、数年くらい経てば流石に安楽への印象も薄れていくでしょうから、そこからようやく次のステップというのが見えてくるのかなと思います。
その際にそのまま海外での活躍を選ぶのか、国内を選ぶのかはわかりませんが、まぁ近年のSNSなどを状況からすると国内に戻るにはいずれにしろ禊でもなければ本人が苦しいという話になるかもしれません。
安楽選手のやったことというのは許されることではありませんが、あらためて、有名な立場の人が何かをやらかした場合有名税といいますか、そこからのキャリア形成の難しさを改めて感じるところでもありますね。