バックス、リバース招集へ | 米の心

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現在NBAの東カンファレンスの2位となっているミルウォーキー・バックスですが、思わぬ動きとなりました。長年バックスを率いていたブーデンホルツァーを解任し、エイドリアン・グリフィンをHCに迎え今シーズンに突入したバックスですが、そのグリフィンを解任、一時的にACののジョー・プランティが代理HCとなっていましたが、新たなHCとしてドック・リバースを招聘したとのことです。

グリフィンの解任に至った理由としては、ヤニスや他の選手から戦術や戦略についての批判などがあったというところからしても、指揮官と選手の間で信頼を築き上げることができなかったというのが背景にあるかと思います。

まぁ、この点についてはグリフィンは至らぬところもあったのかなと思いますが、正直なところで言えばちょっとかわいそうな気もしますね。

そもそもブーデンホルツァーの後として噂をされていたのは、ラプターズを率いていたニック・ナースでした。そのナースは結局76ersのHCとなり、ハーデンがいなくなった76ersを東の3位と好位置でここまで進めており、結果を出せているといった感じですが、そのナース就任ではなく、グリフィンになったのはヤニスが黒人の監督を希望したからとも言われています。

それが本当であるかどうかというのはともかくとしてグリフィンはそのナースの元ラプターズで昨季までACを務めていた人物であり、今シーズンから初めてHCとなりました。

その中で迎えるのは、ヤニスがいながら、レギュラーシーズンでは素晴らしい結果を出しながらもなかなかPOで結果が出せなかったバックスという非常に成熟したチームです。黒人監督を求めたかはともかく、グリフィンに対しての批判の発言がヤニスから上がったということからも、バックスというチームが、ヤニスという尊大がいかに影響力のある状態であるかというのがわかる状況と言えます。

その中で、ACとしての経験が豊富にあるとは言え、バックスのHCを新人がいきなりやるというのは非常に負担の大きな話かと思います。

存在が大きくなりすぎたヤニスに対して、グリフィンが手足となって指示をするということが果たしてできるだろうかというと、よほどの信頼を示さなければそれは難しいと言えます。バックスはヤニスの他にもポーティスであれ、ミドルトンであれこのチームで経験豊富な選手が多く、それがゆえに指揮官として受け入れてもらうというのは簡単ではなかったように思います。その上今シーズンは、ホリデーを放出してリラードを取ると言ったバックスとしても大きな動きを見せており、この中でチーム内にケミストリーをとなると新人には相当に難しい状況が持たされたといってもいいのかなと思います。

ブーデンホルツァーの時にそれだけの結果を出しており、ともに成長してきていたがゆえになおのことです。

そして、実際にグリフィンはバックスの選手からの十分な信頼を勝ち取ることができず、そして、それがこの度の解任に至ったというわけです。

その意味で言えば、この事態というのはある意味では充分に想定できていた話とも言えますし、新人のグリフィンには重すぎたわけであり、その選択をチョイスした球団がそもそもそのあたりへの意識が足らなかったのかなと思います。

となると、そのヤニスたちを黙らせるというわけではないですが、扱えるだけのHCというのを探す必要があります。

昨季は、HCが多く動いた年でした。そのことは、他の有能な、実績の豊富なHCはすでに他のチームなどで指揮をとっているということを意味します。

その中で経験があり、そうではないHC候補は誰がいるのか、といった話で白羽の矢が立ったのが、ドック・リバースというところだったのではないでしょうか?

ちなみにレイカーズファンの中には、ダービン・ハムを解任してほしいということを言う人は多くいるように感じますが、では、ハムを解任した後誰をHCに迎えるかといった面では、LALも同様に問題を抱えており、次のHC候補として名をあげるのが正直難しいところというのはあるように思います。仮にあるとすれば、それこそバックスを率いていたブーデンホルツァーなどになるでしょうか?

LALも非常に影響力のあるレブロンというレジェンドがいますから、そのレブロンを扱えるHCというとなかなかに難しいところがあるのではないかと思います。となると、下手にAC上がりなどになれば、信頼を勝ち取れず、レブロンの言いなりにもなってしまいそうですし、そのあたり、選手の影響力が高くなりすぎた今のNBAにおいて、HCとしてきちんと手腕を発揮するというのがいかに大変であるかということを感じてしまいますね。

話をバックスに戻します。

実績面などを考慮すれば、ブーデンホルツァーを解任した手前、他の候補となるとリバースくらいしかいなかったというのは現状としては理解できますが、ではそれがいい方向に向かうかというとこの点はどうでしょうか?

そもそもリバースはメンターとしては優れたHCかと思います。その意味で言えば、ヤニスなどから信頼を勝ち取るということはできるかもしれません。

ただ、皮肉なことにヤニスが口にした戦術や戦略といった面で言えば、正直なところリバースは優れたHCであるかと言われると個人的には疑問があります。常にトップチームのHCをしてきたリバースですが、その中でリングを取れたのは、BIG3が集まり、その上ロンドなどもいた強烈なメンバーが集まっていたセルツ時代のみです。正直あの時のセルツのメンバーであれば、ある程度誰がHCでも勝てたのではないかという気すらしてしまいます。

その後をLACや76ersでHCをしていますが、その中で果たしてファイナルまで勝ち進んだことがあったでしょうか?76ers時代はセミCFの壁すらも破ることができませんでした。

WASとの対戦となったPOで、ベン・シモンズに対しての必要なハックに対してもなんら対処できませんでした。シモンズがダメになった原因、76ersでプレーしなくなった原因の一つには、その時の対応というのがあったかと思います。リバースは試合の流れの中で適切な指示、戦術というのがすることができず、結果流れを変えることができないままゲームを落とす、そういうPOをたびたび見てきました。

実際、リバースのPOの勝敗は、111勝104敗であり、どうにか5割を超えている程度です。

これは、あれほど素晴らしい選手を抱えているチームを率いているHCという立場からすると、低い勝率だと感じます。この勝率となると、確かにファイナルまでいけるのも、リングを取れたのもそのシーズンのみとなるのは頷けます。

リングを取ったことのあるHCという意味ではこの上ない実績を持っているHCではあるものの、POでなかなか勝ちきれないことを理由にブーデンホルツァーを解任したバックスがその後任として結果選ぶことになったのが、リバースという着地点は実に皮肉めいたものを感じますね。個人的にいえば、それならばブーデンホルツァーのままでよかったろうにとすら思います。

さて、個人的には評価があまり高くないリバースですが、そのリバースがHCになることでバックスがどうなっていくのか注目したいところです。

今回の一件でも、そうですが、選手とHCの信頼がというのはわからなくはないですが、バックスにはヤニスの兄弟がチームメイトになっていたり、あるいは、補強などの動きによってはFAでの移籍をほのめかすなどと言ったこともありましたし、一部のビッグプレイヤーのチームへの発言力が高くなりすぎているというのは気になりますね。

もちろん勝利にハングリーであるという話なのかもしれませんが、別の角度から見るとわがままが過ぎる面というのも近年は見られるように思いますね。そして、それに対してチーム側が妥協せざるおえないというのが現状です。

カイリーやKDを放出して解体となった昨年のネッツなどもそうですが、今期LAC入りをしたハーデンなどもそうですね。個人的には、選手に求めるのはプレーであって、編成などへの口出しなどではないのですが、それが許される状況となりつつあるのが現状であり、そういう事実が蓄積されていく中で、他の選手も同様に主張をしていくという流れができそうでそれは嫌ですね。

どこかで歯止めが欲しいところですし、その意味で言えば、きっちりと何らかの形で規制する必要性もあるのかもしれませんね。