リラード バックスへ! | 米の心

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ブレイザーズで長年活躍したデイミアン・リラードはこのオフついにトレードを要求。当初はヒートが希望との話もありましたが、なかなかトレードが決まらなかったところ、ついにリラードの移籍先が決まりました。ハーデンの方がこのまま残留が濃厚かなと思いますし、ビッグスターの二人の行方が決まったことによって今後のトレード市場が活発になる可能性はありそうです。

トレードはバックス、ブレイザース、サンズによる3チーム間トレードとなりました。具体的なトレード内容はこのような感じ。

バックス獲得
デイミアン・リラード(ブレイザーズ→)

ブレイザーズ獲得
ドリュー・ホリデー(バックス→)
ディアンドレ・エイトン(サンズ→)
トゥマニ・カマラ(サンズ[2023年ドラフト2巡目52位]→)
バックスの2029年ドラフト1巡目指名権(保護条件なし)
2028年と2030年のバックスのドラフト指名交換権(保護条件なし)

サンズ獲得
ユスフ・ヌルキッチ(ブレイザーズ→)
グレイソン・アレン(バックス→)
ナシール・リトル(ブレイザーズ→)
キーオン・ジョンソン(ブレイザーズ→)

それぞれのトレード内容を見てみますと、まずはバックスがそのリラードを獲得。個人的にはこの動きというのは結構びっくりしましたね。

バックスが優勝をした年、チームでの貢献度が最も高かった選手の一人がブレイザーズに出されたホリデーです。ヤニスの今後のチームの方針によってはチームを出て行くかもしれないという発言があり、ホリデーがこのチーム以外ではプレーしたくないといった矢先のトレード発表でしたのでなんとも言えぬタイミングだったように思います。

ホリデーは今シーズンもオールDFチームに選ばれているようにそのDFのうまさはガードの中でもトップクラスと言えます。ベテラン選手でDFがうまいだけではなく、得点能力も高いのが特徴ですね。バックスの場合攻めパターンが単調になりがちなこともありますが、ヤニスがスコアリングで苦しむときはミドルトンやホリデーがカバーすることで点を取っている印象があります。

リラードについてはデイムタイムとも言われるようにクラッチ能力が非常に高い選手であり、4Qなどの得点が欲しいところでの得点力、爆発力というのはNBAでもトップクラスかと思います。ディープスリーなどもうまくリラードの加入によってバックスは、ヤニスを起点にする攻撃だけではなくリラードを中心としたスピーディーな組み立てなども可能になる戦略の広がりは大きいかと思います。一方で、リラードについてはそのDF能力というのは弱点ともされています。ホリデーと比べるとそのDF面でのマイナスというのはかなり大きいかと思います。

今シーズンのバックスはリラード以外にもオフェンス能力のある人を補強してきていますから、今までDFの高かったチームからは大きく方向転換となりそうです。

個人的にはリラードのオフェンス能力の高さというのは素晴らしいものがあったとしても、POを勝ち抜くチームというのは高いDFが必要と考えています。OFはどうしても好不調が出てしまいますし、DFが良ければDFから流れを変えて行くことが可能だからです。ホリデーは確かにOFはリラードほどには高くはないかもしれませんが、それでも平均で20点近くは取れるだけのオフェンス能力があります。

3は元々あまり得意な選手ではありませんでしたが、ヤニスというインサイドに惹きつける選手がいたのもあってバックスでは確率が高くなっています。平均20点くらいとれてオールDFチームに選ばれるくらいにDFでの貢献度の高い選手がいた方がチームがより安定して勝てる可能性というのは高かったのではないかと思います。

また、ヤニスがチームの方針によってはというのは、ホリデーを残すかどうかというところも指しているのかなと思います。この点、リラードと組むことで爆発的な結果ができるのであれば別ですが、そうではなければ、今シーズンをラストチャンスにしてその後は解体という可能性も出てきそうですね。

そもそも、そういう噂が出るようになったのも、バックスという球団がチームのサラリーが高額になる中で限界が近づいていたからというのもあります。ホリデーの代わりにリラードが加入したところでリラードのサラリーが高額なのは変わらなく、その根本的な解決にはなり得ません。その中で、解体となった場合、高額なヤニスとリラードを次のトレードの対象とすることを前提に今シーズン限りラストチャンスとして優勝を目指すというのかもしれません。

いずれにしろ、ヤニスが出て行く可能性というのはこのトレードによって高まったのではないかと思います。

攻撃パターンが増えた一方でDF面では不安要素が増えたバックス、リラードの加入がいいケミストリーを生むかもわからない中で、割と大きな勝負に出た印象がありますね。バックスはヤニスやリラードが来季以降トレードになる可能性を考えると、指名権3枚つけてまでというのは出し過ぎな気もしますが。

そのリラードを出したブレイザーズは、ホリデーとエイトンにカマラ、そして指名権を3つ獲得しました。

ブレイザーズはなかなか美味しいトレードになったと思いますね。チームをこれから再建するという中で若いセンターであるエイトンを獲得し、そしてホリデーは若手にとっていい先生となり得ます。これによって来季ブレイザーズが優勝を目指せるチームになるかといえばそうではないと思いますが、将来面白いチームになる可能性がありそうです。ただ、ホリデーからすればベテランなのもありますし優勝を目指せるチームに行きたいという思いはあるかなと思います。よってホリデーについてはオフなどになればFAでチームを出て行く可能性もありますし、その前に再トレードでチームを出て行く可能性も高いのではないでしょうか。DF能力が高く、チームへの貢献度の高いホリデーを欲しがるチームは多くあるのではないかと思われるだけに、需要はあるとみます。

サンズは、チームのセンターであったエイトンを出した代わりに、ヌルキッチ、アレン、リトル、ジョンソンを獲得。エイトンに関してはCPが放出されたころからトレードの噂というのは多かったですね。最近のセンターというよりはオールドタイプなセンターの印象の強いエイトンはできることの幅があるタイプではないので、CPのような司令塔がいれば使い道があったわけですが、そのCPがいなくなり、ビールやブッカーなどの攻撃的なガード陣にKDなどがいるチームとなったサンズにおいては、どこまでフィットするかはわからずその意味では放出になる可能性は十分にあったかと思います。

サンズは今年はCPやエイトンをだしたのもあってチームのメンバーが大きく変わりました。その中でウイングでできる選手が多いというのも特徴の一つです。もしこの後再トレードやウェイブなどがなければ同じくウィング、3&Dのロールプレイヤーを求められる渡邉選手は2年契約を勝ち取ったとはいえ、なかなかその出場時間の確保というところで苦労をする可能性がありそうですね。

とはいえ、元々ビールやブッカーなどといたオフェンスの鬼みたいな選手がスターターになりそうなサンズにおいてDFで仕事をできる選手というのはその役割は大きくその意味で渡邉選手の出場機会はあるのではないかと期待しています。とはいえ、ボールを持ちたがるビールの加入といい、サンズがチームとしてフィットして行くのかは不安なところが大きいですね。噛み合えば圧倒的なオフェンス能力を期待できるかもしれませんが、優勝候補にあげるには不安も多いチームではないかというのが現状の印象です。

リラードの要求から始まったトレードですが、個人的にはブレイザーズからするといいトレード他のチームからすると、どうだろうかとも思う内容な気もしますが、全てはチームにどうフィットするか次第、これから再トレードなどもあるのか含めて注目していきたいところですね。