第101回全国高校野球 大会1日目 | 米の心

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昨日行われた令和初となる夏の甲子園、第101回全国高校野球 大会1日目について。梅雨明け後、猛暑となっていますね。その中で迎えた甲子園の初日となったわけですが、第1試合は常連校が数多くいる中で激戦区愛知を勝ち抜いてきた誉高校と甲子園ではもう馴染みの高校ともいえる八戸学院光星高校の試合となりました。

八戸学院光星といえば3年連続の準優勝などが印象深かったりしますが、なんか甲子園の初戦に見ることもなんか多い印象があります。過去の準優勝があるだけに、この高校も甲子園の戦い方というのがある程度監督などの中である高校な気がしますね。単純に選手の質が高いだけではなく、勝ち抜き、優勝を目指して勝つためのポイントを把握しています。

甲子園で多くの監督が口を揃えていうことは、初戦の入りの難しさですね。甲子園は勝ち抜くことももちろん難しいですが、選手にとっては憧れの舞台であり、(場合によっては甲子園出場だけでもう気持ちが満足してしまっている選手もいるかもしれませんね。)それだけに緊張する舞台ですから、いかに選手がそろっていようと初戦は采配ではどうしようもないところなどがあったりするものです。

それが、大会1日目の第1試合といえば尚のことですね。

誉高校についていえば、強豪校がひしめく愛知を勝ち抜いてきたとはいえ、今大会が春夏通じて初の出場、監督としても甲子園の舞台での指揮は初となりました。この試合についていえば、単純に実力の差以上にそこの差が現れたのではないでしょうか?

初戦の入りが大事と言いましたが、実は甲子園には傾向があり、初戦の1回は得点する確率が高いと言われています。特に表にはその傾向があるのだとか。そのため先制が有利ともされてますね。

守る側は、風が強く、癖のある甲子園のグラウンドに慣れていない中で、緊張の中迎えるわけですから、エラーなども多くなりますし、投手はコントロールを乱すことも少なくありません。そういう要素が、1回表の得点力の高さにつながり、そのまま流れが傾いてしまうということもしばしばあるというわけです。

この試合は、甲子園の経験豊富な八戸学院光星が先行をし、相手チームを揺さぶり、満塁ホームランを決めた、その流れが全てだったように思います。もしかしたら、表裏が違うだけで、初出場の誉高校としても流れというのが違ったかもしれません。

対戦相手にしろ、日程にしろ誉高校からすれば少し不運が続いたと言えますし、逆に、そういう中できちんとモノにするのが八戸学院光星の強さであるということができます。

今大会でも強打の選手が揃っていると言われる八戸学院光星はその打力の高さを終始みせてくれましたし、投手も数が揃っている中で満塁HRもあってか、落ち着いた入りで試合を進め、危なげなくまとめ上げました。

誉高校は愛知を勝ち抜いてきたところだけに、別の形で初戦を見たかったですね。実力は点差ほどにあるかといえばそうではないのでは、と個人的に思っていますし、それだけ飲まれてしまいましたね。

初の甲子園は厳しい結果に終わってしまったといえるのかもしれませんが、次にこの経験を是非生かしてより実力を発揮できるチームを作り上げて欲しいものです。

第2試合は、がばい旋風で話題にもかつてなったことがある佐賀北と鹿児島の神村学園の試合となりました。

佐賀北といえば、現広島で活躍している野村投手が広陵時代に対戦したことで印象にある人もいるかもしれません。なぜあれがストライクという声もありますが、それだけ佐賀北に会場が飲まれた結果だと思いますし、そこは、様々な意見もあるでしょうが、あくまでアマチュアの大会でらしさでもあるかもしれません。

佐賀北の監督を見てもしかしたらと思った人もいるかもしれません。あの時のエースが今度は、監督として佐賀北を再び甲子園の舞台に連れてきました。これぞ甲子園のドラマといったまさに展開かもしれません。

対する神村学園ももう甲子園ではおなじみですね。九州勢対決同士となったこの試合、先生をしたのは、神村学園。

やはりここでも現れたのは初戦の入りの難しさ、初回先頭打者を四球で出すものの3人で終わってしまった中で、迎えた1回の裏、守備の乱れが佐賀北には出てしまいました。初回の出塁をいかせなかった分プレッシャーになってしまったところもあったのかと思います。

反対に初回からエラーも絡める中で得点をすることができた神村学園は、スクイズなども絡めて相手を揺さぶり倒し、3点を先制、その後2回にも2年生で揃えた中軸が3連続2Bで2点得点を挙げるなど順調に試合を進めていくことができたといえます。

一方の佐賀北の反撃があったのは5回、死球とセンターへのヒットの後に佐賀北らしい堅実な送りバント、そこから犠牲フライで1点を返しました。

下位打線から上位打線へ繋ぐ8番投手というタイミングからすれば、堅実なプレーというのは王道の攻めであったように思います。ただ、それだけに犠牲フライの1点で終わってしまったのはもったいなかったですね。5点差そもそもあったところからすれば、2アウトで1点の献上というのは悪い選択肢ではありません。

そもそも神村学園はランナー2、3塁になった時点で守備を下げており、1点の失点は仕方がないという選択を示しているので神村学園からすれば狙い通りの形でピンチを抑えることができたともなるのではないでしょうか?

甲子園はいつどのタイミングで流れが変わるかはわからないとはいえ、5回の攻防が終了時に4点差であることと3点差であることは相手へのプレッシャーが大きく異なりますし、最低限の仕事でチャンスを生かし切れなかったとも言えます。

ただ、その5回裏の佐賀北のエース川崎くんの投球は素晴らしかったように思います。3人で抑え、芯で捉えさせない投球は1点をとった後のマウンドしては本当にいいものだったのではないでしょうか?

その好投がここまで毎回のようにランナーを出していた佐賀北が6回1点を返す所につながったのだと思います。1点しか入らなかった5回ですが、それをその後川崎くんがぴしゃりと締めたことによって徐々に佐賀北へと流れがくるいい投球だったと思います。

その後も佐賀北は入りにあった守備の固さがとれ、いい形で守れるようになっって行きましたね。6回も投手の好投、2塁手久保くんのファインプレーなどで試合を盛り立てていくことができていてましたがここまででしたね。

佐賀北に好守が出たかと思えば、神村学園にも好守が出、そこから一気に流れを神村学園が取り戻し、出塁とライトのエラーの間にバッターも戻っての2点、これが大きかったですね。

勝った神村学園は初戦は勝つことが多いものの、2回戦で負けることも多く、そこが目標ですね。その神村学園は続く3回戦の高岡商業と石見智翠館の勝者との対戦ということで次もいい試合を期待したいところです。

第3試合は、富山高岡商業と島根石見智翠館の試合となりました。

高岡商業については、昨年最強世代といわれた大阪桐蔭と非常にいい試合をしていたのが記憶に新しいですね。その高岡商業、きっちりやはり仕上げてきた印象があります。

初回のチャンスを逃さず攻めるということができていますし、反対に石見智翠館は初回投球が定まらないところからの失点につながってしまいました。高岡商業からすれば1安打で1点とれたというのは大きかったですし、2回にもHRで追加点をあげ自分たちの流れに持っていくことができたと言えます。

高岡商業は、攻撃も割と色々な仕掛けを見せてくれますし、守備も堅く、先発した荒井くんは非常に癖のあるいやらしいタイプの投手で、それがうまい具合に噛み合ったいやらしい、強豪高校などでも簡単に勝てないようなチームに仕上がっていたように感じました。

昨年桐蔭といい勝負した際に、エースが注目されてましたが、単純にこれはチームの指導、方針というのが強さにつながっているのではと感じさせてくれる内容でしたね。

特に6回裏のシーンは素晴らしかったですね。なかなか出塁しても追加点を奪えなかった高岡商業は死球を絡めた中での満塁になったシーン、ライトにヒットを打たれつつも、失点を1に抑えたのは大きかったです。荒井くんが非常にクレバーながらもいやらしい投球で粘り、それに守備が応える形での最小失点ですね。

石見智翠館側は、先発の迫広くんはコントロールに悩んでましたし、高岡商業はその中で積極的に攻め続け、続く7回失点した次の回で確実に得点を挙げていきました。投手交代の判断がもう少し早ければもっといい流れになったかなと思います。

とはいえ試合終盤にかけて押していたのはむしろ石見智翠館ですね。守備でピンチをしのぎ、攻撃で1点ずつ返すということで高岡商業にうまくプレッシャーをかけれていたと思います。

迫広くんの時は石見智翠館が交代のタイミングを失っていたかなと思ってましたが、後半にかけていえば、まさに高岡商業側が好投手の荒井くんを変えるタイミングを失ったための8回、9回の失点だったように思います。

この試合は全体を通して非常に投手交代の難しさというのを感じられたゲームですね。選手というよりは、両チームの選手は本当に頑張っていて、その中で監督の判断というのが非常に感じられたゲームだったと言えるのではないでしょうか?それだけに結構無理難題じゃね?ともいえるようなタイミングで任された投手の救援がどちらのチームも光っていたように思います。

ちなみに私はこの試合バーチャル高校野球で見ていたんですが、解説は昨年まで智辯和歌山を率いていた名将高嶋仁さんでした。わりと高校野球の名監督だった方が解説することが多いんですが、高嶋さんの解説は面白かったですね。

局面局面に応じてどういうバッティングが求められて、どういうコースを処理する必要があるのかという考えがしっかりされていて、やはり智辯和歌山がこう勝ち上がって来れるのはそういう考え方が浸透しているからなのだ、というのが非常に感じられました。

バットを振れる選手を育てることがうまい高嶋さんですが、高嶋さんなりの各シーンでの監督としての思いであったり、選手の状況であったりの説明は面白かったです。また、高嶋さんの解説聞きたいですね。選手にどう考えて欲しいか、考えることの大切さを話が感じられました。

自分にとって都合よく考えるのではなく、相手ある中でどう考えるかその考えが印象的でしたね。確かに、智辯和歌山であっても、大阪桐蔭であっても、追い込まれてからも冷静なプレーができていますし、それが打線につながっているところがあるように思います。この辺りは単純にくる選手の質の問題だけではなく、指導の話も大きいのではないでしょうか?

今日全体的な話で言えば、第1試合なのもあってか、多少ボールや死球が多く、そこからの失点に繋がるシーンも多かったかなという印象を受けました。1回戦の間はやはり入りの怖さもあるので、猛暑ですし、特に重要になってくるかもしれません。