第78回皐月賞 回顧 | 米の心

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当たる気は全くない中で、あんまり馬券は普段買わずに見るタイプですが、久々に馬券を買い玉砕してしまいました。

 

今回荒れることは想像てきてはいたものの、馬券を当てることではなく、つい、旨味を考えて買い方を制限してしまうことが多い私らしい外し方でしたね。

 

ちなみに私のハズレ馬券はどういうものだったかというと、三連複で、

 

エポカドーロ軸からのタイムフライヤー、ワグネリアン、ジャンダルム、オウケンムーン、ステルヴィオの5頭流しです。

 

3連複で人気馬で決着すると馬券的に旨味がなくなるのでついしぼめてしまいました。

 

まぁ、ただ、そうはいっても、サンリヴァルとジェネラーレウーノどっちも抑えるというのは、広く買わない私的にはどちらにしろ厳しかったと思います。

 

今日のレースでもそうでしたし、ずっと思っていることですが、どうも馬券的には馬連、馬単、枠連あたりがおいしいところを感じますね。

 

上位人気馬が倒れた中でついたと言えばついたといえるのでしょうが、3連単にしろ3連複にしろその当たりまで抑えるとなるとそれなりに広く買わなければならず、そう考えると、あまり広く買う必要がない割りには、馬連、馬単、枠連の良さというのを感じるところです。

 

さて、今回のレースについてですが、勝ったのは、エポカドーロでしたが、正直展開に恵まれたところもありますが、それ以上に、人気がなさすぎたという印象が強いですね。

 

レースの展開や調整の段階などもありますが、前戦では、勝ったステルヴィオと着差なしの2位です。前からいって最後まで粘り強さを見せていた上に、騎乗は、戸崎とルメールという差があります。戸崎騎手の腕を信頼しないとまではいいませんが、さすがにルメールと比べるとその差は感じますね。その中でも、それだけのの粘り腰を見せたこの馬は本来もっと評価されてもおかしくないと思いますね。

 

展開に恵まれた点もありますがそれで勝てたというわけではないと思います。

 

とはいえ、今日は展開に助けられたのもまぁ事実ですが、その展開の読みきりそのものは難しいものではなく、狙って勝ちに行ったレースであったのではないでしょうか?

 

このレース近年のレースにしてはめずらしく逃げから行く馬が多く、また、加えて言えば先行からのレース展開を好む馬も多かったレースと言えます。そういうところから考えると自然と、ペースはミドルペース以上、ハイペースになる可能性は少なくないということになります。

 

一方で、馬場の状況は夜から朝にかけての雨で決していいものではないことが想定されていました。ハイペースというと、後ろからの馬が有利な印象もありますが、馬場状態が悪ければそうもいいがたいところがありますね。ハイペースで逃げた馬を捉えきれない、そういうこともしばしば考えられる話となります。

 

では、仮にスローペースだとどうかといえば、やはり、スローペースでも後ろの馬は差しきれないという一般的な前有利の展開という流れは当然起こりうることだと言えます。

 

つまり、単純に、馬場状態が悪いと前から行く馬、先行馬のほうが有利ということですね。

 

このレースを見ても、最後ステルヴィオとキタノコマンドールが流れ込みましたが、結局3着を確保できませんでした。

 

3着以内はどの馬だったかといえば、すべて前目でレースをしていた馬なんですね。

 

特に今回の場合、前3頭が大逃げをかまし、ハイペースで走る中、冷静に位置取りを把握しミドルからスローペースで第2陣を引っ張っていくエポカドーロという展開になりました。

 

エポカドーロと戸崎騎手からすれば、先頭争いのその辺りは当然読みきっていた中での第2陣あるいは先行あたりで展開を伺うことを想定していた中での、狙い通りの展開に持ち込めたと言えます。

 

第3コーナーから第4コーナーにかけてのあの先頭との距離であれば、正直チャンスがあったのは第2陣の前目にいた馬だけですね。

 

ステルヴィオなどについては、あの後方からではどうやっても無理だと思います。早めから仕掛けるには、途中でばててしまいますし、かといって、遅ければ今回のように届かないからです。乗り方次第で3着は見えていたかもしれませんが、あの展開であの位置を選択した以上それ以上は望めなかったのではないでしょうか?

 

その意味でいけば、後ろから仕掛けた馬については今回正直なところ評価をしきれないところがあります。

 

ただ、狙いに行って勝てるだけのエポカドーロが勝てる馬であったのは確かだと思います。ステルヴィオをあれほどまでに評価するのであれば、タイム差なし鼻差という勝負を騎手の実力差もある中で演じたエポカドーロを前目から行く馬では少なくとも今回の筆頭候補にするというのはおかしな話ではなかったですし、それだけの実力がある馬であったとは思います。(まぁこの後G1戦線でどうなるかはまだ評価しきれませんが。)

 

さて、勝った馬ばかりの話となりましたが、個人的に今回非常に厄介だと感じたのは、5着に入着したキタノコマンドールですね。

 

これはキタノコマンドールが悪いというわけではなく、DMM、バヌーシーの持つ厄介さです。

 

バヌーシーは以前話題になりましたが、DMMの始めた新しいサービスの一つで、低額で一口馬主になれるというものです。

 

まぁ、正直なところコストとリターンが合うかといえば難しく競馬ファンのための娯楽的な意味合いが大きいのかもしれません。

 

しかし、そのバヌーシーはそれであるがゆえにもつ面倒なところがいくつかあります。

 

それは、一口馬主を集めるために話題性をとること。つまり、血統がよかったり、結果を出した馬の兄弟馬であったりすることや、あるいは今回北野武に命名してもらったという話にもあるように話題先行になることです。

 

デムーロ騎手が今回乗ることになったのもまた、単純にこの馬への期待というだけではなく、バヌーシー側からの強い要望などもあったのではないでしょうか?

 

加えて、そもそも、一口馬主が多いということそのものが問題であると言えます。

 

馬主は馬券が買えます。自分の馬がG1にクラシックに皐月賞に出るとなれば当然馬主は応援も込めて、期待も込めて購入するでしょう。これは、純粋なその馬の実力への評価ではないところからくるものです。

 

血統についてはともかく話題性先行するための北野武に命名依頼などの話もそうです。これもまた、キタサンブラックが昨年まで活躍していたこともあるのかもしれませんが、非常に話題性があり、ライトユーザーなどが食いつきやすい話題と言えます。

 

つまりどういうことかというと人気過剰になりがちになるのでないかということです。

 

別にキタノコマンドールの実力を評価していないわけではありません。馬券的に買いにくさが出てくる上に、人気>実力となりがちであるということが言いたいのです。

 

今回でいえば、キタノコマンドールは最終的には3番人気6.3倍というものになりました。

 

確かにそれまでの勝ち方などの派手さもありましたが2勝馬に対してのこの人気というのはやはり実績以上に人気が先行していた印象を感じます。そして、人気があると馬券的に色々と広げて買う上では厄介になってしまうわけです。

 

単純に言えば、G1勝利馬のタイムフライヤーや武豊騎乗のジャンダルム、オウケンムーンや勝ったエポカドーロよりそこまで人気になるほどのものがこれまでの過程であったかといえばそうとはいいきれず、結果僅差の争いになった際に人気が先行する形で3番人気に押し出されたという印象です。

 

そもそも、このレースについていえば、キタノコマンドールは勝つことが難しいと普通の競馬ファンなら考えたのではないでしょうか?

 

これまでスローペースのレースしか経験しておらず、中山で、馬場の状態も良くない後ろから行く馬で、なおかつ、体重が+12キロです。ローテ的にもどうなのかというところはありますし、その素質は認められていたもののまだまだこれからの馬というのがこの馬の前評判だったと思います。

 

逆に言えばその中で5着に入着、3着争いしたこの馬はやはり強いとは思います。しかしそれでもなお、馬券的に考えると人気との兼ね合いが難しく、バヌーシーが絡む馬券の面倒くささを感じるところではありますね。

 

さて、エポカドーロの勝利で終わった皐月賞ですが、この様子だと今後も混戦模様のクラシックというのが想定されるかもしれません。実力で言えば、今回出場していないダノンプレミアムがやはり当代では一番手の評価でしたが、続く日本ダービーで一旦の決着というのをつけてほしいものですね。

 

何はともあれ勝ったエポカドーロと戸崎騎手、優勝おめでとうございます。