寺島しのぶさんが着物姿でロビーにおられた。

背筋がぴんっとして顔がちいちゃくて、ひときわ目立っていた。

長男の眞秀(まひろ)くんが出演しているからね、と思ったが、

弟の尾上菊之助も、父の菊五郎も、

歌舞伎の家なのだから当然だが親戚がたくさん出ている。

 

上のチラシでも中心にいる父の菊五郎は、

「もう歩けないらしい」という噂をきいていたが

第三部の「勢い獅子門出発初台」でだけ重鎮役で登場。

十歩ぐらいは歩いて、

よくとおる大きな声をきかせてくれた。

一部、二部は古典歌舞伎でこれまでも観たことがあったが、

第三部はお正月らしい一族総出のバラエティ。

はじめて歌舞伎を上演する初台の新国立劇場のための演目である。

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この中劇場では2022年10月に「レオポルド・シュタッド」を観た

※この日のブログにリンクします

すり鉢状の客席と舞台は見やすくて好きな場所だが、

歌舞伎をやるとなるとムズカシイ問題が…。

それは花道。

 

花道は歌舞伎らしさが最も感じられる「場」である。

客席の中に立って語る・演じる、六方を踏む、見せ「場」である。

通常30mぐらいはある花道の代わりが

4,5mほどの舞台袖にならざるを得ない。

そこはちょっと残念かも。