中国は世界の自動車市場を制するのか? | 現在中国雑貨店長の運営ブログ

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中国は世界の自動車市場を制するのか?

 前提として、私は現在特に自動車産業にかかわっていなく、データもそれほど見ていないので、感覚的な話になります。
以前は、トヨタ自動車関連で働いていたことがあり、卒研も自動運転の研究をしていたのですが。
 
 また個人的な立場としては、中国の自動車はあまり売れず、日本車がたくさん売れた方が嬉しいです。
 
ただし感情論を出して中国車が今後全く売れないと言っても、意味がありません。客観的な事実を見なければなりません。

日本ではネガティブな情報が多い

 欧米で高い関税をかけられたりして、中国の電気自動車は今後数年非常に厳しくなるだろうと記事を見たことがあり、そういう認識でいる人も多いと思います。
 
 個人的な予想をいえば、
  • 軽自動車に相当する市場(小型車、毎日50km以内を乗る人)の市場は、10年後中国車が圧倒的になる可能性が高いと感じています。
  • 高級車の市場は、群雄割拠、先が全く読めません。必ずしもテスラが順調に行くとも思えません。

どうして中国車の小型電気自動車が圧倒するのか?

 第一に、スケールメリットが大きすぎる

 中国国内で14億人を超えるマーケットがあります。
 現在自動車購入者の半分ぐらいは電気自動車を選択しております。この第一の理由として、電気自動車は燃料費が安いからです。
 
 これまでセダンのフォルクスワーゲンとかそれほど燃費はよくありませんでした。ガソリン代で月2万円とかかかります。ところが電気自動車にすれば(小型車)、恐らく電気代は4000円ぐらいなのだと思います。そこで中国では小型の電気自動車がバカ売れしております。
 
 具体的な数字は、知りませんが、例えば中国国内で中型車以下の電気自動車が年に3千万台売れたとします。
 3千万台作るコストと、2百万台作るコストでは、1台あたりのコストが圧倒的に違います。中国は3千万台、日本は2百万台とします。具体的な数字はともかく、中国が電気自動車を作ると他国の半額のコストで作ってしまうのです。
 この点、インドぐらいしか中国と勝負できる国がありません。あいにくインドはまだ自動車産業が発展しておりません。
 

環境問題も緩い

 数が多い以外に、工場の規制が緩いのだと思います。例えばうちの郊外に長興という都市があるのですが、そこは自動車産業が盛んな都市で、日本の自動車会社もたくさん進出しているみたいです。(曙ブレーキ、エアバックの会社など)
 
 燃料電池の会社も多くありますが、規制が緩いため周囲は汚染だらけで、周囲20kmぐらいは人が住めないと聞いています。そういう工場は市内から60kmぐらい離れた所でないと建設できないのですが。
 
 最近たびたび、本田が中国から縮小だとか三菱が撤退だとか聞きます。これは中国の電気自動車には絶対勝てないと判断しているのだと思います。
 
 また忘れてならないのは、欧州と東アジアは人口が減少していますが、他の地域では人口が爆発的に増えているのです。そのような地域は貧しい所が多く、中国車がトップになるでしょう。またそのような国はインドネシア、アフリカ、ベトナムなど資源国が多く、電気代が安いのです。
 

充電スタンドは問題にならない

 よく充電スタンドがどうのという人がいるのですが、中国では家庭の電気でみんな充電しています。電源の元の所を改造して、直接充電するのです。
 また所々に充電スタンドはあります。一般的に例えば毎日50km離れた所に通勤したとして、1回の充電で1週間持つのだそうです。
 

電気自動車の中古車は価値がない

 日本のガソリン車は中古でも高く売れますが、電気自動車は中古市場がありません。
 
 さらに中国というのは、もともとガソリン車でも中古市場がありません。全く整備されていないのです。それでは中国人がどうやって中古車を買っているといえば、知人Aさんが車が不要になったからBさんに100万円で売ったみたいな知り合い同士で取引をしているだけです。一応、中古車の取引市場はあるのですが、かなり規模が小さいのです。
 

スズキ、マツダ、ダイハツあたりのシェアは食われる

 現在日本車は、前代未聞の円安により追い風が吹いています。
 
 どういうわけか日本政府というのは、国全体を自動車会社のための政策ばかり出します。
 
 自民党が献金を一番もらっているのはトヨタですし、事実はトヨタが日本で一番金持ち企業だから献金が多いのだと思いますが、裏金を見るとトヨタにお金をもらって自民党が政策を変えていると言われても仕方がないと思います。
 
 大企業に有利な政策をするのは最悪なことではないのだと思いますが、それを中小企業に還流してくれなければ困ります。下請けがびっくりするぐらい安い金額で労働しているのです。
 中小企業が相当安い賃金なので、景気が悪いのです。
 
 いつまでも、日本車に追い風が吹き続けるのか?
 年末にトランプ氏が大統領になる可能性が高く、日本車に逆風が吹き始める可能性が非常に高いように思えます。
 
 高級車は分かりませんが、軽自動車やヴィッツ、FITあたりの小型車は、中国に食われる可能性が非常に高いように思えます。
 
以上、中国に住む、自動車産業と関係ない日本人がどう考えているかと書かせていただきました。