日本の景気と中国の景気
日本の景気
連日ニュースで、日経平均株価が過去最高値、34年ぶりの高値更新と報道されています。
まずは日本株をやっている方はおめでとうございます。
株価が上がるのはいいと思いますが、海外に25年程度住んでいる立場から観察すると
- 海外の物価高(多くの国で4年前の1.5倍程度の物価高)、円安で日本円の実質的価値が10-15年前の3分の1程度になっています。通貨価値が3分の1程度になれば、インフレが起こるのは当然のことと思います。インフレで持つべきものと言われているのは、一般的には都市の不動産と株です。
- 借金が多すぎて、日銀が利上げをすると、毎年返さなくてはいけない額が極端に増えてしまい利上げができません。そうすると、通貨がものすごく安くなってしまい、輸出企業にとってはもう10年近く追い風が吹いています。
庶民の暮らし
日本のエコノミストでは、デフレはまだ脱却できていないので、まだ注意する必要があると言っている人がいるのですが、恐らく今後はインフレになってくると思われます。
それは、海外で取引されている、肉や魚や穀物、鉱物価格がインフレになっているからです。日本はほとんどの原材料を海外から買っていますが、原材料がインフレになって、商品価格がデフレになるわけはありません。ちなみに、シルクの値段は15年前と比べ日本円で3、4倍になっています。
利上げをしたくないので、デフレという単語を使いがちなのですが、たぶん2週間ぐらいいろんな国に行ってみると、中期的にデフレになるわけがないと分かります。そこで困るのは、働いていない人です。年金暮らしの人は、今後インフレになってくるので、実質年金が目びりしてくることになるでしょう。
中国の経済
中国の経済が悪い悪いと、日本のニュースで毎日聞くのですが、個人的には10倍ぐらい誇張されて言われていると思います。
5年前と比べよくない感じがしますが、リーマンショック時みたいな悪さとは思えません。飯が食えないとか、借金が返せなくて困っているとか聞いたことがありません。2000年の頃よくいた浮浪者みたいな人もいません。
中国の不動産に関して分かりやすい統計がないか探してみたのですが、中国は広いので、各都市がばらばらの指数を出すので、いいものが探せませんでした。
下のグラフは、うちの浙江省の一都市のグラフです。自分で簡単に作ってみました。
10%ぐらい誤差があると思いますが、大体こんな感じです。2000年比で一時期約8倍になり、現在最高値から10-20%下がっているというのが、長江デルタ地区の一般的な指標です。
それでは、この浙江省の一地方都市で新築の家を買うにはいくらかかるのかと計算してみます。
現在1㎡13500元とし、120㎡(日本式の測り方では100㎡)買ったとして、162万元。これは3200万円ぐらいです。これはコンクリートの打ちっぱなしなので、内装工事をしなくてはなりません。昔は25万元だったのですが、現在50万元(1000万円)。そうすると4200万円。家を買う時、税金が取られるので、追加100万円。4300万円ぐらいあれば、3LDKが買えます。
これは日本で言えば、水戸市ぐらいの地方都市の話で、上海市では2億円。杭州市では1億円ぐらいしてしまいます。
中国の景気の話は、また詳しく書きたいと思います。