埼玉県秩父市の荒川にかかる秩父橋に近くにお寺はあります。
こちらの寺院の由緒は次の通りです。
「市指定史跡 札所二十番
法王山 岩之上堂
この札所は三間四面方形造りで他の堂における指折りの建築で、延宝初年、内田家先代、内田武左衛門尉政勝の再建によるものと いわれています。
現在の堂は江戸中期の造営と思われますが、元禄年間に内陣の補修、宝永年間に彫刻の補修を経てきたもので、唐模様系統の建築で優秀な造りとされております。岩の上堂の吊の如く、この地は荒川西岸の崖上にあって本尊は 聖観世音立像で高さ七十一糎、寄木漆箔、藤原時代の作と言われ、市指定有形文化財になっています。
昔、人皇七十二代白河院の勅によって建立された荘厳な堂であったといわれ、応仁の頃から次第にすたれ、本尊のみ岩の上に雨にさらされた時もあったといわれ幾多の伝説もあります。札所にまつわる孝子話、乳水場の霊験も縁起とされております。
内陣には見事な春日厨子の形式による厨子があって三十三身と日天、月天像、風雷神像などの像がはられ、札所の中でもすぐれたものと共に貴重なものです。
昭和40年1月25日
秩父市教育委員会指定」
寺号標。
寺院名:法王山 岩ノ上堂
所在地∶埼玉県秩父市寺尾2169
宗 派:臨済宗南禅寺派
本 尊:聖観世音菩薩
札所等:秩父三十四観音霊場 二十番札所
御詠歌:苔むしろ しきてもとまれ 岩の上 玉のうてなも 朽ちはつる身を