[国立公園鉄道の探索]
東京湾岸の風景③
「金沢シーサイドライン」の海景色
かつての景勝地・「金沢八景」周辺の東京湾岸には現在いかなる風景がみられるのでしょうか。
その風景を眺めるには、「金沢シーサイドライン」に乗ってみるのがよいかもしれません。
「金沢シーサイドライン」は新杉田駅から金沢八景駅までの10.8kmを結ぶ案内軌条式鉄道です。
途中駅の「市大医学部駅」(新杉田起点6.3km)から終点金沢八景駅にかけて、海沿いを走ったり、海を渡る区間があります。そして、高架を走るので展望が開けます。
市大医学部駅に金沢シーサイドラインの電車が入ってきました。
「金沢シーサイドライン」の電車は無人走行のため、車両前後の運転席は開放されています。
この席からの展望はなかなか素晴らしい。
それでは、これから金沢八景駅に向かって後方席から眺めていきたいと思います。
何枚かは前方席から撮ったものもあります。
そちらは(前方画像)と表記します。
市大医学部駅を金沢八景駅へ向けて発つと、方向を西へ転じて車窓には東京湾の海景色が開けます。
僅かに入江が残されているところがあります。
八景島駅で降りて、シーサイドラインの車両を写します。
シーサイドラインの後方席に戻ります。
「海の公園」沿いを走る区間では、海岸線背後の緑地帯の傍を走ります。
野島公園駅の手前で再び海辺に移り海景色が望めます。
東京湾対岸の千葉県・君津から富津にかけての工場や火力発電所の煙突群が見渡せます。
野島公園駅に進みます。
東京湾と平潟湾を結ぶ水路際にある駅です。
この付近、以前はもっと水面が広く、「金沢八景」の「乙艫帰帆 おっとものきはん」の情景が描写されたところかと思われます。
野島公園駅を発つと平潟湾を渡ります。
平潟湾は、現在では東京湾南西部に僅かに残れた入江です。
埋め立てされる以前はの平潟湾は、「金沢八景」の「平潟落雁 ひらがたのらくがん」の舞台になる程の
広々とした水面を陸地内部に浸透させていました。
入江の奥に見られる橋は夕照橋です。
「金沢八景」の「野島夕照 のじまのせきしょう」はあの橋の付近から望まれた光景のようです。
平潟湾をカーブしながら設定された「金沢シーサイドライン」の軌道上から野島を眺めます。
山頂には展望台もあります。
(前方画像)
この後、平潟湾の岸辺に沿って終点・金沢八景駅へ進んでいきます。
野島の山を背景に現在の海辺の風景が展開します。
岸の向こう側・洲崎の町にある洲崎神社は「金沢八景」の「洲崎晴嵐 すさきのせいらん」の風景が現れ、
そして湾奥部にある瀬戸神社は「金沢八景」の「瀬戸秋月 せとのしゅうげつ」の風景が詠まれた風光地であったとみられています。
金沢八景駅構内に入ります。
(前方画像)
終点金沢八景駅到着。
折り返し電車の前方席と後方席へ直ちに乗客が向かっていきました。
次回は野島公園展望台を訪ねます。