C56 149 | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[国立公園鉄道の探索]

C56 149

 

 

JR小海線・清里の駅前には、「C56 149」蒸気機関車が静態保存されています。

 

保存状態はよく、丁寧に補修されたことがわかります。

 

車両前面にはスノープラウも取り付けられています。

 

 

 

 

 

 

 

「C56 149」は、運転席立入りが可能になっていました。

 

昨年、清里で途中下車した時は、時間の関係でゆっくりと見学できませんでしたので、今年は中に入ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和13(1938)年6月28日 三菱重工業神戸造船所で製造され、走行総合計1,647,006km、

走行年月34年5か月、使用休止年月は昭和47(1972)年10月31日と記されています。

 

当初東北地方で活躍していた「C56 149」蒸気機関車は、1941(昭和16)年12月に小海線を管轄する中込区に

配属されました。

 

説明文の、

「引退までの35年5ヵ月、実に31年間小海線で走り続け優美な清里高原を全国に伝える原動力になりました。」

という記載は心に響きました。

 

 

 

 

「C56 149」蒸気機関車は、無煙化に伴い1972年に運転が休止され翌年に廃車となります。

 

退役後は、旧北巨摩郡高根町の施設で静態保存されていましたが、荒廃が激しく、2009年に清里駅周辺整備の一環で大幅に修復されここに移転保存されている、ということです。

 

 

「それから10年が過ぎ、再塗装再整備が必要となり、地域の小海線ファンが発起人となってプロジェクトを起ち上げ、北杜市の予算と民間のクラウドファンディングによる塗装修復と運転台への階段などを新設整備しました。・・・・・」

と、再度の補修を手掛けた「清里駅前C56メイクアッププロジェクト実行委員会」からのメッセージも掲げられています。

 

下欄には協賛企業として7社の企業と2名の個人の方の名が記されています。

 

 

 

運転台の復元状態もかなりよい仕上がりと感じられました。

 

 

 

運転台のシートまで復元されています。

 

 

 

 

 

C56の運転席は、やはり重厚なD51などの運転席に比べるとコンパクトですね。

 

それにしても、運転台内部の濃やかな復元具合には感銘を受けました。

 

ここでもポール・ラッシュ氏が遺した「ベストを尽くして 一流であれ」の精神が生かされている、と感じられました。

 

 

 

 

圧力計など、計器類もはっきり数値が読み取れます。

単位はもちろん㎏/㎠です。

 

 

清里駅前で静態保存された「C56 149」蒸気機関車は、気骨ある魂を宿した人々が築いたこの町の歴史を静かに物語っているように思われました。