宇都宮芳賀ライトレール線の車窓から | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[国立公園鉄道の探索]

宇都宮芳賀ライトレール線の車窓から

 

 

宇都宮芳賀ライトレール線、

宇都宮駅東口停留場~芳賀・高根沢工業団地停留場との間の14.6kmを結ぶ新規開業の路面電車ではありますが、

車窓探索をしましたところ、従来の路面電車のイメージを超越するような展開区間があることが判りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車内中央部にはボックスシートになっている座席があり、窓も広いため車窓探索にも好ましい電車です。

 

 

 

路面電車ですから、まずは一般道と並走します。

 

 

 

 

宇都宮芳賀ライトレール線では、鬼怒川を渡る前後の5km少々の区間で専用軌道区間が設定されています。

 

路面電車の停留場は概ね数100m事に設置されていますが、鬼怒川を挟んだ、平石中央小学校前停留場と飛山城跡前停留場の間の区間は約2km程あります。

 

 

この区間、車窓には、市街地型の路面電車が進む地域とは思われないほど広々とした田園風景が展開します。

 

 

 

 

 

そして、荒々しい鬼怒川を渡ります。

 

 

 

 

まずは上流側を望みます。

晴れていれば、彼方に峻険な山々も見えるはすです。

 

 

 

鬼怒川は、今は利根川水系の支流と扱われていますが、江戸時代から近代にかけて進められた利根川東遷事業が終了するまでは、東関東の独立した大河川でした。

 

 

鬼怒川水系には、歴史的大災禍が記憶されています。

 

1683(天和3)年、日光から南会津地方にかけて大地震(マグニチュード6.8~7.3と推定される)がありました。このとき現在の野岩鉄道葛老山トンネル上の葛老山(1124m)で山崩れが発生、鬼怒川へ注ぐ男鹿川を堰き止め、自然現象による五十里湖が出現しました。その40年後に決壊して下野国史上最大規模の災害が発生しました。

 

恐らく、このあたりまで影響が及んだことと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは下流側の風景です。

 

 

 

 

 

 

もうすぐ専用区間は終了します。

この区間も路面電車の速度、

時速40kmほどで運行されています。

今後は70km程度まで速度を上げて進むことも検討されているようです。

この専用軌道区間、かなりしっかりした基盤なので、もっと高速運転もできそうな感じもしますが。

 

 

 

 

 

 

 

急勾配の谷越え区間を通過していきます。

 

 

その後は、工場地帯に入ります。

 

 

道が広い、と感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終点の芳賀・高根沢工業団地停留場に到着しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地に至るライトレール線の沿線、

今まで風景的魅力に乏しい地域と見做されていたかもしれません。

 

しかし、宇都宮芳賀ライトレール線の登場により、新たな風景価値が見いだされていきそうな予感もしました。