[国立公園鉄道の探索]
熊野古道中辺路・高原(たかはら)の秋景色
熊野三山への参詣道の一つ・中辺路(なかへち)には、口熊野と呼ばれる田辺から熊野本宮大社へ向かう山道の合間に、長閑な棚田のある風景が開ける場所があります。
険しい山道に敷かれた中辺路は、高原熊野神社近くの高原地区に至ると、幾分緩やかな地勢に変わります。
棚田が拓かれた高原地区では、鬱蒼とした樹林地帯を進む古道の中にあって、純朴な「農の風景」が見られます。
集落の間の小径には水路も通されています。
まわりの山から湧き出す豊富な水に恵まれた地区です。
その一方で、険しい山岳地帯の只中にある緩やかな斜面は、地滑り地帯と重なることもあります。
高原地区でも、土砂災害防止に向けた様々な対策がとられているようです。
棚田の上には、水車もありました。
穏やかな日和に恵まれた10月の中辺路・高原地区で、
懐かしい実りの秋の風景と邂逅することになりました。