[国立公園鉄道の探索]
山手線が通り抜ける街の東京らしい風景⑤
日銀本店本館の風景
「山手線が通り抜ける街の東京らしい風景」、最終の5回目は日本銀行本店本館内を見学してみたいと思います。
日本銀行の建物は、神田駅と東京駅の間、上野東京ライン上り線の車窓からも外堀通りを越える区間で一瞬望まれます。
本店本館は、高いビルの谷間に僅かに見えます。
これから中庭に入ります。
中庭の一角に消火栓のようなものが見えます。
なんだろう、と思ったら、
これは、馬の水飲み場として利用されていた水栓でした。
本館内部は、残念ながら撮影できるところが極めて限定されています。
どちらかというと博物館的なところです。
この、明治時代の日本銀行本店の職務風景は印象的でした。
ここはドームの真下となるようです。
展示物の中で、「鉄道好き」の私は、どうしても紙幣運搬に用いられた「マニ30形客車」の模型に目が行きます。
「マニ30形客車」は戦後インフレーションで紙幣の大量発行、流通が必要となった時代に登場しました。
2000年代初頭、鉄道による日本銀行券輸送業務が終了してからは廃され、今は確か小樽市の博物館で1両だけ保存されているはずです。
通貨のデジタル化進展とともに、もはや再登板する機会はないと思いますが、いずれにしてもこの車両が大活躍したインフレ時代がやってくることだけは回避させてもらいたいと思います。
新札流通開始は、2024年度上半期の予定とのことです。
私たちの生活面だけではなく、
紙幣の肖像として描かれている方々の名誉のためにも、日本円の価値がこれ以上下落しないことを切に望みます。
日本銀行本店本館、
もう少し撮影可能なところを、そしてもっと見学可能な区域を増やしてもらいたいところです。
そうすれば、
日本の金融の歴史を振り返りこれからあるべき金融政策を考える上でも、建築物そのものの構造を探求する上でも、この建物は見る人に必ずや大きな「問」を発することになると思います。