遠山の甌穴 | 国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園鉄道の探索 ~記憶に残る景勝区間~

国立公園内を走る鉄道の紹介と風景の発見
車窓から眺めて「これはいい」と感じた風景の散策記

[ 国立公園鉄道の探索 ]

 遠山の甌穴

 

よく知ってると思い込んでいた場所の近くにも未知なる世界はあるようです。

 

埼玉県嵐山町にある槻川の谷は、何度も行き来しているところですが、「遠山の甌穴」の存在は今まで見逃していました。

新緑があまりに眩いので、槻川の谷をゆっくりと走っていたらその案内標識があるのに気付き、

早速「風景の寄り道」をしてみました。

 

 

 

 

 

そこそこスペースのある駐車場も完備していました。

その前に写真付き解説書が掲げられています。

 

 

 

駐車場を出て、小径を横切ると槻川の渓谷に出ます。

槻川は、このあたりで渓流となり、嵐山渓谷と呼ばれています。

 

 

 

 

小径から早速甌穴が見えました。

甌穴とは、川の底や岸の岩場にできる円形の穴で、ポットホール・potholeとも呼ばれます。

 

 

 

 

甌穴のある付近では、大きな岩を切って槻川は流れています。

 

 

 

 

その大きな岩の左岸側に甌穴はあります。

 

割れ目などがある比較的弱い部分が水流により上から削られ始めると、やがて窪みができ、そこに礫が回転しながら抉り、やがて円形の穴が形成されます。

 

形の崩れているものもありました。

 

 

激流に直面する岩の真上に綺麗な甌穴がありました。

 

あちこちでポットホールはみかけますが、こんな見事に形の整った大穴は見たことがありませんでした。

ドリルで抉られたようにも見えます。

やがて、川の流れの面が崩れて、だんだん川幅が広がっていくんでしょうね。

変わりゆく微地形の、貴重な瞬間かもしれません。

 

 

 

 

角度を変えて眺めてみると、なかなか味わいがありました。

嵐山町のホームページによると、「遠山の甌穴は江戸時代の中期の村絵図にも記載があり」と紹介され、その時代から着目されていたようです。

 

 

 

 

 

槻川の流れは、甌穴のある狭間を過ぎると一旦緩やかにになります。

 

 

 

 

 

 

 

槻川の渓谷、都市域に近いところですがよく緑地が保全されています。

 

 

 

 

 

 

 

この丘陵地帯の西側の谷筋に八高線の線路が敷かれています。

都幾川~小川町間になります。