大仰なタイトルですが、よく聞く、目にする話をひとつ……
各塾で、国語の偏差値が30を下回るお子様に共通するもの
① ひらがな・カタカナ、すべて言えない・書けない
② 現在よりも下の学年の漢字の定着率が、六割を下回る
③ 「先生の説明が、早口で理解できない」ということを訴える
というものがあります
①・②、反復不足、および読書量(読み聞かせ含む)の少なさに起因します
③、ご家庭の生育環境に影響があることが多いな、と感じます
①、補足
これは、五十音図すべて言えない、ということもあります
また、一文字一文字は読める・書けるけれども、文(文字が10字以上のカタマリ)においては、間違える、ということもありえます
反復不足です
文字を習ったが、それを活用する(読む・書く)ことを、学校外では行わない、ということでもあります
②、補足
だいたい同上
反復不足です
また、学校内・学校外の宿題において、習った漢字を「めんどくさい」という理由で、積極的に書くことがない、ということも理由の一つでしょう
③、解説
「塾の先生の説明が早口……」
お子様が稀に訴える内容です
これは、先生が早口なのが事実という場合と、そうでない場合、二つあります
前者、早口が事実、という場合
これは、その説明されている内容に、事前知識がないとそう感じやすい、ということもありますが……
「もっとゆっくり話してください」と、ご家庭が伝えても、上位クラスでは時間内で伝える内容が多くあり、他のお子様に授業内容の知識が豊富な場合、黙殺されることがあります
講師が早口になる理由、大別して四つ
・ 自身の説明に、自分がノってくる
・ 何度も何度も説明していることなので、機械的にどんどん言葉があふれてくる
・ これくらい簡単だろう、という判断もとに、説明が駆け足になる
・ 江戸っ子
上に位置するものが一時的、下に位置するものが恒常的、ということでもあります
一応、授業内容の取捨選択・構成のもとに、大事な部分は、間をとることが考えられます
そのため、早口部分、それほど重要でない、という可能性もあり、早回しにしたい、という思いもありますが……
なるべくならば、慣れる方向性でお願いしたいところ
苦手科目なのに、早口、ということであれば、早々に先生にお願いを
聞き入れてくれない可能性が高いですが、苦手とアピールし、別途どのようにすればよいのか、アドバイスをもらいましょう
後者、早口が事実でない、という場合
お子様が早口に感じるケース、いくつかあり
上記の通り、知識が不足している分野だと、そうなります
また、ご家庭の会話が、単語で成り立っている、あるいは、親御様がお子様に対して命令形だと、そうなりやすいと感じます
どういうことか
再度触れますが、早口に感じる、ということは、事実と異なる、ということを前提に。
講師の授業時の説明、テキスト・資料集のイラスト・写真などを用いない場合、口頭での説明が主体です
それは
「○○というのは、××が△△で、□□になった」
など、一文が比較的長くなりがちです
お子様が最も会話されるであろうお友達は、そこまで長い文を口に出すことは稀でしょう
そして、ご家庭でも、同様の傾向があると、お子様が会話において長い文を聞く機会が少なくなります
一語、ないし、数語だけで会話が成り立つ場合もあるでしょう
あるいは、「○○しなさい」というように、言われたことだけを求められている場合も、そう
長めの文章をお子様が聞き、それを理解したかどうか、ということを確かめる機会そのものが少ない、もっと言うと、無いでしょう
そうなると、塾の先生の言うことが、早口に感じる=処理が追いつかない、ということが起こりえます
いたずらに、複数の言葉で作られた文を会話に用いましょう、ということでなく、
まずは、主語・述語を意識した言葉を
次に、目的語も含め
そして、お子様にどう思うか、考える問いかけを行うだけで、講師の説明が聞き取りやすくなる土壌ができます
読み聞かせでも、十分に機能する範疇でもあります
(合間合間に、「なぜかな?」などを挟み、理解の確認をしてみるもよし)
低学年のお子様を持ちの親御様、ご一考くださいまし