学校生活 7 

この話は

 

 

カツアゲ君の話ではありません

 

10年くらい前になりますか。

 

私に前の学校の卒業生から連絡が入り、会うことになりました。

 

 この経緯はここではお話しできないとても不思議な因縁があったのですが。

 

とにかく、私は2名の卒業生と元の学校の同僚先輩と飲みに行きました。

 

この先輩先生との出会いも信じられないくらいの不思議なご縁でした。

 

 私にはこのような信じられないご縁がよく起きるのです。

 

彼らは

 

の中の番長グループのナンバー2と徴収係です。

 

先輩は今の学校では教頭先生になられておりました。

 

以前に荒れた学校には優秀な教師が多いと書きましたが、私がいた学校の教師も今や殆どが教頭、校長といった職についています。

 

昔の思い出話が次々に飛び出してとても懐かしい気持ちでいっぱいでした。彼らは40はとっくに超えていたでしょうか。

 

テンションがひとしきり下がったきたときに、二人の一人の方、小柄な色白の卒業生が私に小声で囁きました。

 

「先生、知ってますか?当時の僕たちの営業のこと。」

 

こんなことを言ってきたのです。

 

「なにそれ?」

 

「お金の徴収ですよ。僕は徴収係でした。」

 

「ということは番長グループの?」

 

彼は当時も小柄で色白というよりは顔色が悪い少年でした。

 

どこから見ても迫力にかける、番長グループにいるのが不釣り合いなひ弱な感じの生徒でした。

 

それなにに、お約束のボンタンズボンに細いエナメルの白ベルト、ダブダブの制服をきていました。

 

頭はチックで固めてとんがっていました。

 

「先生、一人に十円貸してと言うんですよ。それ以上はだめ。これがコツ。700人近くの生徒がいるんですよ。

 

単純に計算しても7000円。1日の稼かせぎですよ。出さないやつは一円でも五円でもいい。要するに数で勝負してたのね。」

 

「脅しはしないよ。借りるだけ。でも返さないけどね。」

 

「いつもそんなことやってたのか?」

 

「いつもではやばいよ。時々、あと暴走族の先輩から言われたときかな。」

 

「結構、いい稼ぎ。僕は徴収係を真面目にやっていたから番長グループで突っ張っていられたみたいな感じかな。」

 

「先生は誰も知らないでしょ。だって金額が少ないから誰も先生にちくらない。十円で番長グループと面倒をおこさないですむ。

 

月に何回かやられるから三十円ぐらいかな。それでもチクる金額じゃないよね。」

 

私は唖然としました。

 

一億人いたら一億円か!

 

一人から少しずつ取る、税金みたいだなとその時、思いました。

 

数のマジック!参りました。

 

これは恐らく中学生が考えたとは思えません。

 

上の人たちが命令したのでしょう。

 

この徴収係の特徴は暴力や脅しを一切使っていません。

 

私はソフト・カツアゲと命名しました。

 

暗黙のバックにある番長グループの恐怖と彼がグループの徴収係であるという事実でお金を集めたのでした。

 

彼は狼の威を借りるツネオだったのですね。

 

現代の大人社会に似てませんか?

 

特に政治に世界の忖度に似てませんか?

 

お金のないオバマさんはお金持ちのクリントンさんに地道な集金活動で大統領選を勝ち抜いたと聞いています。

 

わずかな徴収は怖いですね。

 

私は恐ろしい気持ちになりました。

 

是非、ご意見お聞きしたいですね。

 

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