学校生活 1−4(終) 

 

今日は小説です。事実を下書きにした。

でも小説としてお読み下さい。

記憶違いがあるかもしれませんから。

昔の話です。

だから小説!

 

1−3からの続きです

 

音楽会の準備のため我がギター同好会も曲決めをして毎日練習に励みました。僕もも

う少しメンバーがいないかと物色していると、3年生にエレキ・ギターが上手い生徒を見つけました。

 

 彼はどうも音楽会に有志演奏で出るらしい。ギター同好会に誘い、一度現れました。彼は3人で有志演奏をするみたいでした。

 

 10月に入っていよい明日は音楽会。ギター同好会を自分のクラスで活動していると番長グループの一人がクラスに入ってきました。

 

 A君をはじめ、皆の顔に緊張が走りました。その彼は僕に会いにきたみたいです。

 

「先公、俺に音楽会でエレキを貸せ!」

 

 僕は来たなと思いました。

 

「いいよ」

 

 やはりA君の思惑通り不良はエレキ・ギターでカッコつけたいのです。ただし、練習しないで。

 

 音楽会ではギター同好会がフォークソングをやりました。僕はエレキ・ギターで前奏と間奏、そしてエンドを演奏しました。

 

 とても受けました。とても受けました!

 

 あのエレキギターが上手い彼と番長グループの彼はリズム・ギター、ベースの二人と一緒に音楽会の取り(とり)を務めました。

 

 いきなり爆音で彼はソロを上手に弾き始めました。でした。ディープ・パープル!ジャジャジャ、ジャジャ、ジャ、ジャ!

 

 うまい、中学生なのにうますぎ。彼は授業中、とても静かで目立たない子でした。 でもこの時は違いました。

 

例の不良生徒は?

 

 勿論、音出しは出来ません。弾けないのだから。アン・プラグド!アンプにジャックは挿しません。

 

 それでも僕のモズライトをカッコつけて肩からぶら下げて、弾いているフリで決めていました。

 

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彼らは物凄い喝采を浴びてステージを下りました。

 

 ステージから降りた不良君は舞台の袖にいた僕に

 

「ありがとうよ」と一言。

 

 それからの3年生の授業は何事もなくとてもやりやすくなりました。

 

 A君が言うには番長グループは生徒会にとても好意的になったそうです。彼の悩みもこれで解決。音楽会も成功に終わってご満悦でした。

 

 どうも、ギターを借りた彼は番長グループのNo.3だったようです。

 

ギターが取り持つ縁でした。

 

 その昔、ブルージーンズの寺内タケシさんが「野球の甲子園があるのならエレキの甲子園があってもいい」と言ってたのを思い出しました。

 

 こうして、番長グループも卒業を控えた3月。僕は3年の授業で例のエレキを貸した不良生徒がクラスにいないことに気がつきました。

 

 クラスの皆には自習をさせて校内を探し歩きました。何故か屋上が気になりました。屋上から見上げる空は澄み切って、とても天気の良い日でした。

 

いました!

 

 彼はお弁当を食べていました。

 

 僕は静かに彼の側に腰を下ろしました。

 

「〇〇という名前、変わった名前だね。」

 

「△○△県」

 

「そう、△○△出身なんだ。」

 

 この地域には△○△出身者は多い。クラスにも何人かいます。

 

 お弁当にはお約束通り、真っ赤なタコさんウインナー! 

 僕と話している間に彼はお弁当をきれいに平らげました。

 

「帰ろう。」

 彼は素直に従いました。

 

 彼のように突っ張って生きている生徒でもお母さんのお弁当は残さず食べるんだな。

 

 僕はそう思いました。

 

 卒業式、警察が入る入らないで職員会はひと悶着はありましたが、結局、荒れた学校の定番、教師に対する生徒の御礼参りはなく、無事に卒業式は終わりました。

 

 僕は4年この学校にいて転勤しました。

3年以上いたから一人前かな?

 

 その後、この学校は急速に良い方向に向かったそうです。

 

今では荒れた学校と誰も言いません。

A君たちの努力が実ったのかな。

 

 不良グループと一般の生徒との間の壁が少しずつ崩壊して。

 そこに隔たりが無くなったと同時に。

 

今では記憶の彼方に、そんな気がするのです。

 

(終)

 

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