こんばんは。
今日は、以前読んだ河合隼雄先生の本、『子どもの宇宙』の内容を取り上げながら書いていきます。
この本にはたくさんの子ども達が登場します。
「子どもと家族」、「子どもと秘密」、「子どもと動物」、「子どもと時空」、「子どもと老人」、「子どもと死」、「子どもと異性」というそれぞれのテーマ毎に、違う子どもが何人か登場します。
そして、様々な場面において、それぞれの子どもの心の中で何が起こっているかに焦点を当てて書かれています。
私は読みながら、どこか身に覚えのある出来事や感情と出会い、懐かしく感じました。
ちなみに、この本はロングセラーで、初版が1987年、以降増刷が重ねられている本です。
(私の持っている本は、2011年8月の47刷!)
河合先生の本は、ロングセラーが多いのですが、この本もまたすごいなぁと思いました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
本の「はじめに」から、お気に入りの部分を引用します。
『子どもたちの澄んだ目は、この宇宙を見すえて、日々新たな発見をしている。
しかし、残念なことに、子どもたちはその宇宙の発見について、大人たちにはあまり話してくれない。
うっかりそのようなことをすると、無理解な大人たちが、自分たちの宇宙を破壊しにかかることを、彼らが何となく感じているからだろう。
それでも、子どもたちの宇宙からの発信に耳を傾けてくれる大人を見出したとき、子どもたちは生き生きとした言葉で、彼らの発見について語ってくれるのである。』
(『子どもの宇宙』河合隼雄先生著(岩波新書/1987/P2)より引用)
友人・知人と会うときに、相手が子どもさんを連れてくるときがあります。
その子どもさんを見ていると、最初は遠慮がちに離れたところで遊んでいることが多いのですが、私が子ども好きなのもあってチラチラ見るので、だんだん子どもさんの方も私のことを気にしはじめたりします。
そんなとき、私が子どもさんとなるべく同じ目線で、その子のやっていること(例えばお絵かき)に関心を示し、「何描いているの?」と声をかけると、「これは○○○で、これは○○○だよ」と説明してくれたりします。
その説明を聴いて絵を見ながら、私はほとんどの場合「上手だなぁ」と思うので、そのまま「上手だね」と言うと、子どもの目が輝きだしてどんどん別の絵を描いてくれて、一つ一つ説明してくれたりします。
まさにその瞬間が、河合先生の言われる「子どもたちの宇宙からの発信」なんだろうなと思います。
そして、子どもさんとの距離感がぐっと縮まって、「今度は○○○して遊ぼうよ!」と誘ってくれたりします。
私は時間に余裕のある限り遊び相手をするのですが、私自身楽しんでいることが多いです。
子どもたちが、輝く目と自分の中にある宇宙を見せてくれることは、私にとってとても嬉しいことなのです。
上記、引用部分を読みながら、そんな自分の一面を見つめてみました。
私自身、自分に子どものようなところがあること(例えば動物を見ると心が踊ること 笑)を知っています。
それに、私には年齢が上の人が立場も上だという意識は無く(年齢の上下にかかわらず尊重するという意味です)、子どもに対しても「自分はただ先に生まれて、先にいろいろ経験しているだけ」と思っています。
なので、私の持つ「おっさんの宇宙(笑)」と「子どもの宇宙」は、それ程遠くないところにあるような気がしています。(気がしているだけかもしれませんが)
その距離がこれからも開いていかないように、心がけていこうと思いました。
今日も、ありがとうございます!
皆さまが、笑顔いっぱいでありますように!
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