こんばんは~。
今日は、『河合隼雄のカウンセリング教室』という本を読んでいます。
本の中に、ついつい言ってしまいそうな”言わない方がいい言葉”が載っていましたので、その部分を紹介したいと思います。
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紹介する部分のクライエントは、お母さんに連れて来られた子どもで、テーマは「プライバシーを守る」です。
早速、本より引用します。
『私がはじめこういうことをやりかけたときよくあったことですが、お母さんが子どもを連れて一緒に来ます。
一緒に来るなり、お母さんが一気に子どものことをしゃべる。
だいたい悪口が多いです。』
(『河合隼雄のカウンセリング教室』河合隼雄先生 著より引用)
お母さんが一気に子どものことをしゃべる。だいたい悪口が多い。
このお母さんは、普段もきっとこういう感じなのでしょうか。
これでは、子どもはきっと、何も話できませんよね。
そこで、著者はこう言います。
『「ちょっとお母さん、待ってください。僕、子どもさんと先に話をしていきますから」と言って、子どもと話をしてお母さんに待ってもらうあいだに、
「僕とあなたが話をしていることは、あなたの許可を得ないかぎりお母さんには絶対に言わないからね」と言うと、もうそれだけでその子はすごく感激します。
そんなことははじめてなわけです。
だいたい自分がしゃべったことはみんなお母さんに筒抜けになっているはずだと思っている時代です。
「あっ、この人は違うんだ」と思ってくれるだけで、それだけでも関係がものすごくよくなり、全体がよくなるというようなことがありました。』
(『河合隼雄のカウンセリング教室』河合隼雄先生 著より引用)
”しゃべった内容が、お母さんに筒抜けにならない”
という環境が整ってはじめて、子どもは思っていることを自由に話すことができるようになると思います。
※このケースの場合です。
また、普段言えなかったことが言えるということは、子どもにとってとても大きなことで、それだけでも悩みや症状の軽減に向けて前進できると思います。
さて、ここから難しい部分に入ります。
『しかし、難しいのは子どもにそう言っても、「うちの子はどう言っていました?」とお母さんは聞いてこられます。
そのときに「カウンセリングはプライバシーを守りますので、それは言いません」というようなことは絶対に言いません。』
(『河合隼雄のカウンセリング教室』河合隼雄先生 著より引用)
「カウンセリングはプライバシーを守りますので、それは言いません」
この言葉はカウンセリングの基本でもあるので、ついつい言ってしまいそうになると思いますが、これを言うと言われたお母さんとしてはきっと面白くないでしょう。
お母さんとしては、
★子どものことは知って当然だと思っている。
★純粋に子どものことが心配。
★子どもが何を話したか不安(自分が悪者になっていないか?)
★子どもの中の自立心が育つことが怖い。
などの感情が湧いてくるかもしれません。
※人それぞれで一概には言えません。
そして、せっかく子どもとのカウンセリングが進展しているのにも関わらず、お母さんが二度と子どもを連れて来ないということにもつながってしまうと思います。
それでは、どのように対処すればいいのでしょうか?
『お母さんが知りたがられることは、またそれも当たり前ですから、「お母さん、そうでしょうね。心配でしょうね」とか、「何を言っていたとか、知りたいでしょうね」とか言って、まずそれを受け入れてからしばらく話をします。
「それはそうだけど、あの子が自分で考えていくあいだ、やっぱりちょっと待っていたほうがいいんじゃないでしょうか」というように、なぜそういうことをするのか、いろいろ説明しながらプライバシーを守るということをやりました。』
(『河合隼雄のカウンセリング教室』河合隼雄先生 著より引用)
これは、実際に上手くやるには、かなりの練習が必要になってくるように思います。
また、相手に伝わるカウンセラーとしての信頼感や人間性の良さ、器の大きさなども必要になってくるように思います。
今日紹介した内容はよくあるケースだと思いますので、徹底的に練習して、身に付けておかなければと思いました。
あなたに突然、ロールプレイ(面接の練習)のクライエント役をお願いするかもしれません(笑)
また、クォンタムタッチの実践練習のクライエント役をお願いするかもしれません(笑)
そのときは、よろしくお願いします
今日も、ありがとうございます!
皆さまの明日が、笑顔輝く嬉しい一日となりますように!
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