こちらの取り組みが賛否両論を呼んでいるとか。
私自身はスープストックを利用したことが数回しかないので、単なる所感でしかない。
しかし、ちょうど先生方向けに研修を行った際に触れた内容と重なるので忘れない様に書き留めておこうと思う。
学校教育でよく聞く言葉に
「甘やかしてはいけない」
「人に迷惑をかけないように」
「自立させなくてはいいけないから」
「もう○年生なんだから、自分のことは自分で」
教育が「自分のことは自分でできる」を自立とし、ゴールに見据えてはいないだろうか。
これは
個人モデル(医学モデル)と同様、障害や生きづらさの原因と責任は個人にあるという考え方に偏っている。
今は社会モデルと言って、障害や生きづらさは多様性を当たり前としていない社会の仕組みに原因と責任があるという考え方がクローズアップされている。
「社会的障壁」なんて言葉もこのモデルから生まれた言葉だろう。
もう少し詳しく書くと、文部科学省は個人モデルと社会モデルを合わせた「統合モデル」を採択。
統合モデルで考えると、自立はゴールではなく、その後に「相互依存」と言って、困ったときには互いに助け合えることを目指す必要がある。詳しくはこちら↓
忘れてはいないだろうか?
私たちは生まれてから成人するまで、誰かに育てられ助けられて今がある。周囲や社会に迷惑をかけてこなかった人は1人もいない。
これから先、加齢とともに身体機能や認知機能が衰え、もっと言えば死に際には誰かに助けてもらう日が来ることを。
自分のことを自分で全てできる時間がずっとは続かない。
子供たちへの不寛容や、行きすぎた自己責任論は、少しでも人に迷惑をかける人を切り捨てる社会を構成していく。
姥捨山の様に、高齢者をお荷物と考えちゃう大人を育ててしまったしっぺ返しは、年をとったり病気や事故にあって人に助けてもらわなくてはならなくなった自分にも降りかかってくる。
運転免許を取りに行った先のベテラン指導員から教わったこの言葉
「赤子叱るな来た道ぞ
年寄り笑うなゆく道ぞ」
いいところを突いてるなと思う。
分煙の様に場所を選ぶという選択肢も社会モデルでは生まれてくるかもしれないと思うところ。