心は傷つかなくても、魂は傷つく | EQWELチャイルドアカデミー京都六地蔵/京都伏見教室

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京都市伏見区、宇治市六地蔵で「心の子育て」を掲げて幼児教室を開いて25年目になります。以前の記事から人間学をテーマにしたものを抜粋して投稿いたします。皆様の人生や子育てのお役に立てば幸いです。本田望結ちゃん・紗来ちゃんは当教室の卒業生です。

思春期になると、男性は女性に関心を持ちます。女性は男性に関心を持ちます。しかし、関心はありますけれど、自分が成長する時までは、無関心のふりをしなければなりません。通りすがりに見たのに…見ないふりをしたり。

 

自分の心の中に愛があるのか、ないのか…。愛が存在しているのか、していないのか。それが重要です。

 

なぜでしょうか。愛がない人間が、男性と女性がお互い好きだと言い合って、結婚して、子供を産むとどうなるかというと…。その子供がどれだけ愛をもって生まれることが出来るでしょか。

 

愛を愛らしく、その尊厳を保つとは、時期が来るまで自分自身の欲望をコントロールして、志を持ち、人格的、精神的に成長しなければなりません。肉体的な愛の欲望に、精神的に打ち勝つことによってのみ人格完成できるのです。試練に打ち勝ち、忍耐し、代償を払うことによってのみ、愛が愛らしくなるのです。

 

自己抑制の訓練、努力を積んだ人と、そうでなかった人との間には、人生の幸福度、性の幸福度において天と地の差異が生じるのです。

 

不特定多数の異性と肉体関係を結ぶ人がいます。「誰にも迷惑をかけていないのだからいいじゃない」という人もいますが、たとえ心身は傷つかなくても、魂には傷がつきます。なぜならば、魂は永遠の、唯一の愛を求めるからです。言い換えるならば、心が身体をコントロールすることによってのみ、魂は成長するのです。肉体的欲望に操られることによって、魂は確実に傷つくのです。その結果、遺伝子(DNA)までが傷を受けてしまいます。

 

遺伝子(DNA)には、目に見える肉体的・物質的な作用を司る部分と、目に見えない精神的・性格的・血統的な作用を司る部分があり、時期を待たないで男女が関係を持つことによって、その血統的な部分に影響を及ぼすのです。

 

ですから、先に、結婚する前に、何を持たなくてはならないのでしょうか。自分の心の中に、一番、宝石のような内容を持たなければならないのです。心情の内容、愛の内容を持たなければなりません。命をかけて自分の身を修めていかなければなりません。

(岡本康裕)

 

 

『純潔』

 

高村光太郎

 

純潔をまもってくれ、青年よ

生まれてまだ二十年にもならないだろう青年は

まるで天からもらった水晶玉のやうにきれいだ。

その純潔をまもってくれ、青年よ。

君の素直な生一本な精神を大事にしてくれ。

君の濁(にごり)に接せぬ体を断じて汚すな。

面白そうな誘惑を軽蔑してくれ。

誘惑から君自身を守ることに興味をもってくれ。

自分の知らないやうな暗い事はいさぎよく蹴飛ばしてくれ。

きれいでゐる事のたのしみを知ってくれ。

天から貰った又と無い此の水晶玉を

むざむざ汚してはもったいない。

自分を高く考えてくれ、青年よ。

からだを汚すのは一切の不幸の初(はつ)一歩だ。

青年期を必ずきれいに護り通して

のびやかに丈夫に晴ればれと大人になってくれ。

これが大人からの切なる願いだ、青年よ。

 

(昭和15年9月20日の作品)