心理カウンセラーの藤木ミホです。
当ブログは、カウンセラーやコーチを目指す方に多くお読みいただいております。
そんな読者の方々から、次のようなご質問をよくいただきます。
「カウンセラーを目指すにあたって、自主的に学ぶとよいことは何でしょうか?」
今日のブログは、その自主的な学びを一つをお伝えしたいと思います。
カウンセラーやコーチを目指す方が、自主的に学んだほうがいいこととは、実際の症例を知りながら、「心の世界の不思議」に触れる探求です。
症例とは、病気や怪我の実例のことです。
カウンセリングの場合は、「心のテーマの症例」ということになります。
この症例をいろいろと知ることは、心の世界の不思議を探求する機会になります。
また、カウンセリングがどのように効果的だったのかということを知ることにもなります。
ですので、自分の修得したカウンセリング手法以外の分野についても、いろいろな症例を広く知っておくことをおすすめします。
そのことは、カウンセラーやコーチとして開業した後に役立つ資源となります。
精神分析医であるフロイト博士の有名な症例を一つご紹介します。
・心と体のつながり
・罪悪感と体の痛みのつながり
・抑圧と体の痛みのつながり
・無意識の働きの不思議
これらについて学べる症例です。
両足の痛みにより歩くことができない、エリザベートという若い女性がいました。
エリザベートは、2年以上前から痛みに苦しんでいました。
エリザベートの自宅にフロイト博士は往診をし、精神分析を用いて治療をおこなっていました。
ある日の往診で、精神分析をしていたところ、義兄の話し声が聞こえてきました。
その瞬間に、エリザベートの両足に激痛が走ります。
義兄とは、エリザベートの亡くなったお姉さんの夫です。
フロイト博士は、エリザベートの足と義兄の声の関連に注目しながら、精神分析を続けます。
エリザベートは、姉の死による大きな悲しみを感じています。
しかし、同時に「これで義兄と結婚できるかもしれない」と思ったことが浮かび上がってきました。
エリザベートは、本人も気づかないうちに義兄に恋をしていたのです。
エリザベートは、姉に対して罪悪感を感じ、恋心を無意識下に抑圧していたのです。
フロイド博士の支援によって、葛藤を乗り越えて、エリザベートがこの恋心を認めて受け入れると、脚の痛みはきれいさっぱり消えていったのでした。
上記のお話は、有名な逸話ですからご存じの方も多いでしょう。
ただ、次のような点に注目すると、効果的な学びとなります。
・葛藤を越える支援とは何をしたらいいのか
・クライアントが抑圧された感情や思いを意識化するために何ができるか
・クライアントが抑圧された感情や思いを受けいれるために何ができるか
これらを、「自分のカウンセリングでなら何ができるのか?」という視点で具体的に思い描いてシミュレーションをしてみてください。
そのようなシミュレーションをいろいろとしておくと、間違いなくカウンセリングの技術が上がっていきます。
これからカウンセラーやコーチとして開業を目指す方は、いろいろな症例の探求に取り組んでいただければと思います。
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