心理カウンセラーの藤木ミホです。
現在、数え切れないくらいのカウンセリング手法があります。
勉強熱心なカウンセラーでも、世界中のすべてのカウンセリング手法を習得することは、一生をかけても難しいでしょう。
なぜそんなにカウンセリング手法が増えたのでしょうか?
それは、いろいろな問題を、いろいろな人々が抱えているからだと思います。
そして、世の中にある悩みや問題が軽減されたり解消されたりするために、世界の誰かが次から次に新たな手法を編み出していくからです。
そのようなことから、開業を目指すカウンセラーの多くは、複数のカウンセリング手法を習得する方が多いです。
私自身も、開業以降に複数のカウンセリング手法の修得を続けてきました。
では、開業カウンセラーは、なぜ複数のカウンセリング手法を修得するのでしょうか?
それは、クライアントやその問題に、「合うカウンセリング手法」「合わないカウンセリング手法」があるからです。
さて、前置きが長くなりましたが、今日のブログは、あるマンガをご紹介します。
そこには、主人公が合わないカウンセリングを受けた様子が描かれています。
アルコール依存のOLの話
このマンガは、アルコール依存症を抱えた著者の実体験が描かれた作品です。
アマゾンから内容を引用しますね。
出勤前の一杯のカルーアミルク。それがアルコール依存症の始まりだった…
新卒で入った会社の人間関係に悩み、ある日「たった一杯だけ」と出勤前に手を出したカルーアミルク。
その一杯から、地獄が始まった……。
「ダメだ」とわかっていながらも、お酒を飲んでの出勤が常習化し、転がり落ちるように依存症の沼にハマっていく著者の体験とそこから努力をして這い上がっていく様を描いた手に汗握るコミックエッセイ。
アルコール依存症と聞いて一般的にイメージされるのは、大量飲酒、悪化していく肝臓の数値、黄色くむくんだ顔…。
けれど本作の著者・かどなしまるさんはむしろ酒には弱く、酒量のリミットはストロングゼロ(350ml缶)たったの3本だけ。
アルコール依存症は酒量ではないという衝撃の事実と共に、誰でも陥る可能性のある依存症の怖さとそこから自力で這い上がっていく自己再生のストーリーを描く。
このマンガは、会社員として働く一人の女性が、どのようにアルコール依存症に入っていくのかという点が描かれているのも読みどころです。
アルコール依存症である自分の状況をなかなか認めない主人公ですが、主治医のすすめなどもあってカウンセリングを受けることになります。
まず、主人公は、自分の意志によって前向きにカウンセリングを受ける決断をしていません。
仕事を早退した後ろめたさから、医師からのカウンセリングの勧めに従っただけです。
また、最後のセリフからわかるように、主人公はカウンセリングに対して懐疑的ですね。
つまり、主人公は、「カウンセリングを受けるための準備ができていない」というように私は感じます。
主人公は、カウンセリングを受けます。
しかし、そのカウンセリングに対して腹を立てます。
おそらく、主人公の状態には合わないカウンセリング手法を選んだために起きている反応です。
その時の反応は次の通りです。
主人公は、カウンセリングを受けたことで、被害者モードになって怒っています。
ただ、この被害者意識と怒りは、アルコール依存症の関連の症状でもあります。
では、主人公はどのようなカウンセリングを受けたのでしょうか。
そのシーンを見てみましょう。
たった4コマですから、当日のカウンセリングの内容はほとんどが描かれていません。
ただ、4コマから想像できるカウンセリングの特徴をあげてみます。
まずカウンセラーが、「お酒を何かに置き換えるとしたら」と言っています。
そこから、このカウンセリングでは、「アルコール依存は仕事のストレス解消手段」と捉えているのがわかります。
体や心に負担のかからない、建設的なストレス解消法を探すため、カウンセラーは「お酒を何かに置き換えるとしたら」と質問したのです。
それに対して主人公は、「恋」と答えます。
その答えにカウンセラーは、「ねえ、本気で言ってる?」とため息をつき、苦笑いをしています。
どうやらこのカウンセリング手法は、カウンセラーが率直すぎるくらいに、態度や表情、言葉でカウンセラー自身を開示するようです。
そもそも主人公は、カウンセリングを受ける心の準備ができていませんし、このカウンセリングが主人公に合わなかったことで怒りが湧いてきたのでしょう。
主人公にこのカウンセリングが合わなかった点をまとめます。
・アルコール依存は仕事のストレス解消手段という視点
・アルコール依存を建設的なストレス解消法に置き換える
・カウンセラーが率直すぎるくらいに自己開示を行う
先ほどお伝えしたように、マンガに登場するカウンセリングでは、アルコール依存は仕事のストレス解消の手段と捉えています。
しかし、当ブログをお読みいただいているカウンセラーさんの中には、「症状は保護的に機能する」という考え方を学んだ方もおられるでしょう。
「症状は保護的に機能する」とは何か?
簡単にいうと、主人公を苦しめる問題は別にあって、その問題から主人公を守るためにアルコール依存症は存在しているという考え方です。
ただ、マンガに登場するカウンセラーのように、感情、言葉、態度など何もかも自己開示するように学んだ方は少ないと思います。
このようにカウンセリングの基本的な考え方も、自己開示の程度も、カウンセリング手法ごとにいろいろです。
マンガの主人公は、自分に合わないカウンセリングに、「カウンセリングにも病院にも行かない!」と怒っていましましたね。
それは対応したカウンセラーのカウンセリング手法が一つだったので、カウンセラーが行き詰った結果だとも言えます。
複数のカウンセリング手法を持っておくと、クライアントやその問題、その時の状況に合わせて、カウンセリングを提供することができます。
それはカウンセラーにとっても、クライアントにとっても、問題解決への道が閉ざされないことを意味します。
これからカウンセラーを目指す方は、開業にあたって、ぜひ複数のカウンセリング手法を修得していかれることをおすすめします。
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