心理カウンセラーの藤木ミホです。
「クライアントに気づきが起こるのは、どんな時?」
カウンセリングでは、気づきが起こるとよく言われます。
ただ、気づきは起こそうとして起こるものではありません。
つらいこと、悲しいこと、腹の立つことがあって、クライアントがまくし立てるように話すときには、なかなか気づきは起こりません。
また、ハイテンションで笑い続けているとか、泣きわめいているとか、焦燥感でイライラしている最中にも、なかなか気づきは起こりません。
では、気づきはどんな時に起こるのでしょうか?
それは、「落ち着いた、静かな時」です。
今日のブログは、気づきが起こりやすくなる、この「落ち着いた、静かな時」についてイメージしやすいように、ある教訓のお話をご紹介します。
ご紹介する教訓のお話とは、「目をなくしたカバ」の話です。
このお話は、実際にカウンセリングの講座などでも紹介されているものです。
お話を簡単にご紹介します。
一頭のカバが川を渡る時に片目を落としてなくしてしまいます。
焦ったカバは、必死になって目を探しますが見つかりません。
カバは、前後左右、上も下も、慌てて焦って体を動かしますが、やはり片目は見つかりません。
川岸でその様子を見ていた鳥や獣たちは、「少し休んだ方がいいよ」と助言しますが、カバは聞く耳を持たず、休むことなく探し続けます。
ついにカバは、疲れ果てて、その場に座り込んでしまいました。
カバの動きが止まると、動きのせいで水中に舞い上がっていた泥がゆっくりと水底に沈んで、徐々に川の水が澄んでいきました。
水がすっかり透明になると、カバは自分の片目を見つけることができました。
気づきが起こりやすくなる「落ち着いた、静かな時」が、わかりやすく表現されたお話ですね。
このお話から分かるように、焦ってバタバタしている時には気づき起こりませんが、カバのように心身が静かになったタイミングは気づきが起こりやすくなるのです。
カウンセリングでは、クライアントに気づきが起こりやすくなるよう援助することが大切です。
ですので、カウンセラーを目指す方は、そのために自分が具体的に何ができるかを、整理しておくことが必要になります。
環境づくり、具体的なワーク、コミュニケーションのテクニックなど、カウンセリング講座で学んだことの中に、できることはたくさんあると思います。
仏教の言葉に「止観」という言葉があります。
この「止観」についてもお伝えします。
止観という言葉は、「天台小止観」という書物に出てきます。
「止」とは、あらゆる迷いから距離をとった心の状態のことです。
「観」とは、迷いを生みだす心(心の仕組)を冷静に観察する智慧のことです。
さきほどのカバのお話で、たとえてみます。
【止】
カバが疲れて動きを止めたことが「止」です。
「止」の状態だと、「目をなくして自分はとても焦っているなあ」と、客観的に焦りの心を見つめることができます。
物語のカバは、「止」の状態になって片目を見つけることができました。
「止」の状態から、つづいて入る「観」の状態とはどのような状態でしょうか。
【観】
「この焦りが生じる自分の心の仕組を、ちょっと客観的に見てみよう」となった心の状態です。
心の仕組を見つけると、その後対策がとれるようになります。
この止観は、カウンセリングで行うことでもあります。
クライアントは、カウンセリングで、自分の心の状態を客観的に見つめたり、自分の心特有の仕組を紐解いていったりします。
このようにカウンセリングには、仏教の修行法や教えが隠れていることがよくあるのです。
今日のブログは、「クライアントに気づきが起こる時はどんな時?」というテーマでお伝えしました。
クライアントが「落ち着いた、静かな心の状態」に入るためには、まずは、カウンセラー側が先に落ち着いた静かな状態に入っていることがとても大切です。
そのことも頭の中に置きながら、クライアントの気づきが起こりやすくなるようなカウンセリングを提供していただければと思います。
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