心理カウンセラーの藤木ミホです。
「カウンセラーって話を聴くだけでお金もらえるんでしょ?」
カウンセラーの仕事に対して、このような誤解をされている方がいます。
たしかに、カウンセラーの仕事はクライアントのお話を聴くことです。
しかし、それはカウンセリングで行うことの一部分でしかありません。
また、お話を聴くにしても、たくさんの聴き方があります。
ですので、カウンセラーは、たくさんの聴き方の訓練と研究をしています。
では、実際カウンセラーはどのような聴き方をしているのでしょうか?
今日のブログは、カウンセラーの聴き方の例をご紹介します。
カウンセリングの訓練では、いろいろな聴き方を学びます。
その学びは、それぞれとても大事なものです。
ただ、その学びにあわせて、取り組んでおくといいことがあります。
その取り組みとは、「人はどんなふうに話を聴いてもらいたいのか」というケースをたくさん知っておくことです。
そのケースを知るためのヒントが、あるお寺の掲示板に書かれています。
理解しなくてもいい
否定しないで
(ある少女の訴え)
子どもの時に、「聴いてあげるから何でもいいなさい。」と大人から言われ、勇気をもって話を切り出したことはないでしょうか?
しかし、その話を否定されたり、否定的な態度で応対されたことはないでしょうか?
たとえば、次のような応対です。
「それは甘えている。」
「それはわがままだ。」
「そんな考えじゃこれからやっていけない。」
「子どもみたいなことをいって。」
「そんなくだらないことで悩まなくていい。」
「若いからそんな考え方しかできない。」
その結果、「もう何かを人に言うのをやめよう・・・」と心を閉ざした経験もあるかもしれません。
また、その心を閉ざしたことに、「ちゃんと主張もできないような人間は駄目だ」などと、さらに否定されたことがあるかもしれません。
さきほどのメッセージ、「理解しなくてもいい、否定しないで」と訴える少女は、そのような状況に心を閉ざすことなく、さらなる勇気をもって訴えています。
私はそのように感じます。
カウンセリングの訓練の中では、その人の人柄や、その話の内容を理解しようとして聴くように教えられることがあります。
そのような訓練を受けた方から、「とても理解できない話をされたらどうしたらいいのでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。
たとえば、クライアントからの次のような話です。
「学校にいきたくない」
「自分の将来なんてどうでもいい」
「家族へ暴力をふるうのは当たり前」
このような話に対して、理解もできないし、その話を否定したくなるので、教わった通りには聴けないというわけです。
そんな時、さきほどの少女の訴えのように、「理解しようとしなくていいので、否定せずに聴く」という聴き方を知っていたら、切り替えてみることができます。
つまり、クライアントの話に理解はできないけれど、まずは否定をせずに聴いてみようという切り替えができるのです。
カウンセリングの仕事は、教わった通りが通じる場面ばかりではありません。
ですので、カウンセラーを目指す方には、話の聴き方をたくさん研究していただければと思います。
カウンセラーの仕事は、話を聴くところからスタートしますからね。
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