大阪イチやさしいNLP教室のNLPトレーナーの藤木ミホです。
カウンセリングを受ける中で、クライアントには気づきが起こります。
ただ、クライアントお一人、お一人、気づきの質や内容は違います。
カウンセリングの仕事をはじめたら、気づきには、本当にいろいろあるものだなと実感することになります。
「気づきとは、前向きで、クライアントの問題がすっかり消え去るようなもの」
このように思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし、カウンセリングで起こる気づきの中には、「あきらめる」「身を引く」というタイプの気づきもあります。
あきらめるとか、身を引くなどの気づきに対して、それはマイナスなことだと捉える方も多いでしょう。
しかし、あきらめることで、または身を引くことで、クライアントが一気に楽になって新たな道が開けるということも、カウンセリングではよくあることです。
カウンセラーの中には、自分が理想とする気づきがクライアントに起こるようにと、クライアントをコントロールしようとする方もおられます。
私は、それはもはや「気づきの押し付け」だと思います。
一見マイナスに感じられても、カウンセリングでクライアントに起こる気づきは、どんな気づきでもクライアントにとって必要なものです。
ですから、これからカウンセラーを目指す方には、あきらめる、身を引くといった気づきがマイナスだという印象は捨てていただけたらと思うのです。
ある新聞の投書を一つご紹介します。
子育ての中で、ある気づきを得た女性からの投書です。
あきらめる、身を引くというタイプの気づきについて書かれています。
テキストにします。
虫歯で苦労しないよう仕上げ磨きを欠かさなかったのに、今じゃ歯磨きしない男に。
毎晩本を読み聞かせていたのに、今じゃケータイ以外の活字は読まない男に。
保育園や学校の給食表を冷蔵庫に張り、献立が重ならないように手作りしていたのに、今じゃカップ麺大好き男に。
環境のため親子でエコ活動していたのに、今じゃ一面ごみの部屋で暮らす男に。
少子化バンザイ。
こんな理不尽な母親になれなんて、未来ある人に絶対言えない。
徒労感がいっぱいで、私は卒親する気満々だ。
ただ、あふれる愛で、大切な存在を守ることに必死だった日々。
幻でも一時それがあったことに感謝している。
卒親にあたって息子らに一言。
「努力が全く身を結ばない世界があるってこと、教えてくれてありがとう」
(西東京市、疲れた母、55歳)
子育てお疲れさまでしたと労いたくなる投書ですね。
お母さんの、こうしたいああしたいという思いは意に介さず、息子さんたちはそれぞれ伸びやかに成人されたようですね。
お母さんは、自分のあきらめの境地を確認し、子育てから身を引くという決意をもって投書をされたのでしょう。
こうして息子さんらをコントロールしたい欲求を捨てて、卒親をされると、きっとお母さんには、これからたくさんの時間を自分のために使うゆとりが生じるでしょう。
55歳はまだまだ若いです。
これまで使わなかった能力を磨いたり、活かしたりして、さらに人生を楽しんでいただければと思います。
このお母さんのお話が、あきらめて、身を引くという気づきが、新たな道を拓くという例です。
子ども時代に、努力は実を結ぶものだと教えられ、それを信じて生きる方は多いようです。
何かにチャレンジするときなどは、「努力は実を結ぶ」と信じたほうが力強く行動できるものです。
しかしながら、「努力が実を結ぶこともあれば、努力が身を結ばないこともある」というのがこの世の真実です。
カウンセリングには、挫折を経験して、お越しになるクライアントもおられます。
そんな時は、新しい真実に気づくカウンセリングになります。
つまりそれは、「努力が実を結ばないこともある」という手痛い真実を受け容れるカウンセリングになることもあるということです。
しかしこの手痛い真実を受け容れるプロセスは、確実にクライアントに深みを与え、クライアントを力強くします。
それは、かつて「努力は実を結ぶ」と信じていた頃より、クライアントは、人としての深みが増し、力強くなるのです。
このようなクライアントの援助ができるように、これからカウンセラーを目指す方には、しっかりと訓練を積んでいただけたらと思います。
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