大阪イチやさしいNLP教室のNLPトレーナーの藤木ミホです。
私が、過去に通っていたカウンセリング教室で、人生の深刻な問題に対応するための教室がありました。
事件、事故、災害、破産、治療法がない病気など、実例を扱いながら進む教室で、時々教室全体が重苦しい空気につつまれることがありました。
ある日、先生が一枚のプリントを配ってくれました。
配る時に先生がおっしゃったのが、
「あまり深刻な空気でいっぱいになっても変化はもたらされない。」
という言葉です。
プリントは、タレントの三宅裕司さんの奥様の面白エピソード集でした。
例えば、、、、
・ご近所の受験生が試験に行くときに、「ダメで元々なんだから、頑張って!!」と声をかけて励まそうとした奥さんが、実際に放った一言。
「元々ダメなんだから、頑張って!!」
・ガソリンスタンドに寄り、「ガソリン満タンで♪」と言おうとした奥さん、笑顔で一言。
「マソリンガンタンで♪」
・自宅で料理教室を開いており、朝、三宅裕司さんがキッチンに降りて行くと夫を紹介しようとして臆面もなく奥さんはこう言った。
「あそこが立っているのが私の夫です。」
※正解:「あそこ【に】立っているのが私の夫です。」
これらは、三宅裕司さんの奥様の天然語録として有名だそうで、私はいまだそのプリントを持っています。
プリントが配られた瞬間、教室のあちこちでクスクス笑う人、肩を震わせて笑いをこらえる方でいっぱいになりました。
その日の、教室は、全員が重いテーマをしっかり受け止め、多くの人が大きな変容を体験することになりました。
私は、笑いやユーモアが持つ力を目の当たりにし、笑いやユーモアが人の変容に重要だということを体感するこができました。
このことを、物語にして伝えてくれるカードがあります。
それは、オショートランスフォーメーションタロットの「笑い」です。
カードの解説を引用してご紹介します。
笑いは変容をもたらす力ですから、ほかには何もいりません。
もし自分の悲しみを祝福に変えたら、あなたは自分の死を復活に変容することもできるでしょう。
新明解国語辞典によると、変容とは全体の様子がすっかり変わること、です。
カードの解説の引用に戻ります。
私は中国の三人の神秘家たちのことを聞いたことがあります。
誰も彼らの名前は知りません。
三人は、ただ笑っただけで、ほかに何もしたことがなかったのです。
三人の神秘家は、街から街へとよく移動して、市場に立って腹の底からすばらしく笑ったものでした。
三人の神秘家はほんとう素晴らしかった。
笑うと、三人の腹は波打ったものです。
それは伝染していきましたーーーつまり、市場全体が笑ったのです。
それにより、少しの間、新しい世界が開きました。
三人は、人々が笑うのをただ助けながら、中国中を移動しました。
悲しい人々、怒っている人々、欲の深い人々、嫉妬深い人々、彼らはみな、三人といっしょに笑い出したものです。
そして多くの人々がその鍵を感じ取りましたーーー人は変容することができるということをです。
そのうちに、ある村で、三人の中の一人が死ぬという事態が起こりました。
村人は言いました。
「さあ、面倒なことになるぞ。三人の友達の一人が死んだんだ。ーーー二人は泣かなければならない。」
だが、二人は踊り、歌い、死を祝っていました。
村の人々は言いました。
「まったく、これはあんまりだ!」
「これは礼儀にかなっていない!」
「人が死んだときに笑って踊るのは、神聖を汚すことだ!」
二人の神秘家は言いました。
「あなたたちは何が起こったのか知らないのだ。」
「私たち三人は、みないつも考えていた。こいつが勝って、私たちが負けたのだ。」
「一生涯、私たちは彼と一緒に笑ってきた。」
「私たちが、他のことをして彼のさいごの門出を見送ることができるだろうか?」
「私たちは笑わなければならない。私たちは楽しまなければならない。私たちは祝わなければならない。」
「これが、自分の全生涯を笑って過ごした人間への唯一の別れなのだ。」
「そしてもし、私たちが笑わなかったら、彼は私たちのことを笑ってこう言うだろう、”ばかだな!それでお前たちはまたしても罠に落ちたのか?”」
「私たちは彼が死んでいるということは見ない。どうして笑いが死に得るのか?どうして生が死に得るのか?」
そして、身体が焼かれることになって、村の人々は言いました。
「儀式の通り、私たちは彼を入浴させよう。」
だが二人の友人は言いました。
「いや、私たちの友人はこう言った。
”どんな儀式も行わないでほしい。それに私の服は変えないでほしい。私を風呂にいれないでほしい。あるがままの私を、燃える薪の上にただのせてほしい。”
だから私たちは、彼の指示に従わなくてはならない。」
それから突然、偉大な出来事が起こりました。
身体が火の上に置かれた時、その老人は最後のタネを仕掛けておいたのです。
彼は自分の服の下にたくさんの花火を隠していたのです。
そして突然、ディワリ(※)になりました!
すると村全体が笑い始めました。
この狂った二人の友人は踊っていました。
それは新しい生、復活です。
あらゆる死が新しい扉を開くのです。
もしあなたが自分の悲しみを祝福に変えたら、そのときには、あなたは自分の死を復活に変えることができるのです。
だから、まだ時間があるうちに、そのアートを学ぶといいのです。
(※)ディワリとは、インドのヒンドゥー教のお祝い。別名「光のフェスティバル」とも呼ばれる。
いかがでしょうか。
これが、「笑いは変容をもたらす力」ということを伝える話です。
死が受けとめられずに、ヘラヘラ茶化して笑うのとも違います。
辛さ、悲しさを誤魔化すために、無理して笑うのとも違います。
亡くなった方を侮辱して笑うのとも違います。
変容を迎え入れるにあたって、過剰な深刻さから離れ、新しい境地に入るために、笑い、ユーモア、祝福はものすごい力を持つということです。
カウンセラーを目指す方には、カウンセリング教室で、笑い、ユーモア、祝福の力を体験していただきたいと思います。
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