大阪イチやさしいNLP教室のNLPトレーナーの藤木ミホです。
今日は、出生時トラウマについてお伝えしたいと思います。
しかし、トラウマについて、良く知らないという方もおられると思いますので、先にそちらをお伝えしますね。
〇トラウマとPTSD
トラウマとは、Traumaと綴ります。
ドイツ語です。
日本語訳は、心的外傷(しんてきがいしょう)です。
トラウマ、心的外傷の意味を、ウィキペディアから引用しますね。
トラウマについて学ぶときに、あわせてPTSDという言葉も学びます。
PTSDとは、Post-Traumatic Stress Disorderという英語の略です。
日本語訳は、心的外傷後ストレス障害です。
要するに、トラウマ体験の後に現れる様々なストレス反応がPTSDです。
カウンセリングには、このクライアントがストレス反応に困って相談が寄せられます。
〇PTSDの主な症状
PTSDのストレス反応はいくつかに分類できます。
◆侵入症状
繰り返し、トラウマ体験の記憶が突如よみがえり、不快で苦痛な気分に苦しむ。
トラウマ体験がよみがえると、心が不安定になったり、動悸が起きたり、汗が噴き出したりする。
◆回避症状
トラウマ体験にまつわる事を思い出したり、考える事を避けようとする。
トラウマ体験を彷彿とさせる状況、会話、人物、品物などを避ける。
◆認知の変化
否定的な認知が起こり、陰性(不安感、絶望感、虚無感、恐怖感など)の感情が生じる。
興味や関心を喪失する。
陽性の感情(安心、幸福感など)が持てなくなる。
周囲と距離を感じ、孤立感を感じる。
◆過剰な反応
イライラを強く感じる。
自己破壊的衝動、行動が起こる。
警戒心が強くなる。
驚愕反応(少しの刺激にビクッとなる)
何かに集中する事が困難になる。
睡眠障害が起こる。
こうした反応が見られるからと言って、すぐにPTSDだとは断定できません。
以上の症状が1カ月以上続き、苦痛が大きく、社会生活に支障が生じている場合に、医学的にPTSDと診断されます。
もしも身に覚えがある場合は、まずは病院に行く事をおすすめします。
ちなみに、同じ衝撃体験、つまりトラウマ体験に、2人の人間が同時にさらされても、PTSDが出る方と、出ない方があります。
これが心の世界の不思議です。
また、PTSDを発症したら心が弱い、発症しないから心が強いという事ではありません。
昔は、戦争や災害などの体験がトラウマ体験とされていましたが、最近はもう少し解釈が広がっています。
大人なら特に怖くないサスペンスドラマが、子どもにとってのトラウマ体験になるなどです。
ですから、「トラウマ体験は、誰もが持っている。」という解釈にまで広がっています。
〇出生時トラウマとは
出生時トラウマを、バーストラウマ(Birth Trauma)と呼ぶ方もおられます。
出生時トラウマとは、出生時における心の傷のことです。
もう少し正確に言うと、胎児の頃から生後3か月の間に生じる心の傷が出生時トラウマです。
出生時トラウマの発生要件の主なもの挙げてみます。
●生まれてすぐ赤ちゃんが新生児室に連れて行かれる事。
●一定期間、赤ちゃんが新生児室で過ごす事。
●生後から3ヶ月間、母親からあまり抱いてもらえない事。
●妊娠中、母親が強い肉体的・精神的苦痛を受けている事。
●陣痛促進剤などを用いている事。
●帝王切開・吸引分娩などで誕生した事。
●難産などで、赤ちゃんが蘇生処置を受けている事。
●母乳をあまり飲ませなかった事。
●出産時に赤ちゃんが死の恐怖を感じる事。
(出産が始まり、へその緒からの酸素と血液が供給が途絶え、赤ちゃんが酸欠状態になるため)
●モルヒネを出産時に用いている事。
●母親の心音が聞こえない状態で赤ちゃんを抱っこし続ける事。
さらに、こうした体験を、赤ちゃん本人がどのような捉え方をしたかも、重要です。
赤ちゃん本人が、生まれる事を肯定的に捉えたか、否定的に捉えたかによっても、トラウマの影響が変わってくるようです。
こうした事から、出生時トラウマを持たない人はいないと解釈されているのです。
以上は、私がかつて教わった事です。
私自身が、この世に誕生した時に、生まれる事を肯定的に捉えたのか、否定的に捉えたのか?
全く覚えていません。
0歳~3歳あたりの記憶は、忘れ去られてしまうものだからです。
出生時トラウマはみんなが持っているなら、みんながケアされるべきでは?
と思われるかもしれません。
〇出生時トラウマの影響で起こる事
もしも出生時トラウマを世界全人類が持っていたとしても、カウンセリングの原則は、「過去と他人は変えられない」です。
カウンセラーが、対応するのは、クライアントが現在困っている事のみです。
先述したように、トラウマは様々なストレス反応を生みだします。
ストレス反応が積み重なった時、とても生きづらくなり、さらに問題を生みだします。
出生時トラウマによってもたらされる人生の弊害の例を挙げます。
●自分は生まれてはいけなかったのでは?
●自分は生きていてはいけなかったのでは?
このような否定感に苛まれます。
つまり自分で自分の生存を許可できないのです。
さらに、
●生命を危機にさらす行動をとる
(薬物依存、喧嘩、ブラック企業勤務)
●自分を否定的に扱う人と人間関係を構築する
(暴力にさらされる、モラハラを受ける)
●健康を害する行動をとる
●経済的困窮を体験する
(仕事が続かない、盗難や詐欺にあう)
などが起こります。
人間関係がうまくいかないと、コミュニケーションの訓練などに取り組まれる事があります。
しかし、それでコミュニケーションに改善が見られない時、出生時のトラウマがそもそもかもしれないのです。
出生時トラウマには、私は、催眠療法(退行催眠、胎行催眠)、ファミリーコンステレーションで対応しています。
これからカウンセラーとして仕事をされる方には、出生時トラウマの対応方法をご準備いただけたらなと思います。
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