高島易斷 離為火 全体の易占 | 心の経営コンサルタント(中小企業診断士) 日本の心(古典)研究者 白倉信司

心の経営コンサルタント(中小企業診断士) 日本の心(古典)研究者 白倉信司

心の経営コンサルタント(中小企業診断士) 日本の心(古典)研究者 白倉信司 古事記、易経、論語、大學、中庸、その他日本で古来から學ばれている古典に関する情報及び時事的な情報(偏向マスメディアでは報道されないトピックスなど)を毎日発信しております。

離為火

離、利貞。亨。畜牝牛吉。

○離は貞(ただ)しきに利し。亨(とお)る。牝牛(ひんぎゅう)を畜(やしな)えば吉。

離は正しきに麗(つ)きて明智を用いる時。常に正しきに麗きて明智を用いるがよい。

すらっと通る。牝牛(めうし)のように柔順の至りを尽くせば、幸を得る。

彖曰、離麗也。日月麗乎天。百穀草木麗乎土。重明以麗乎正。乃化成天下。柔麗乎中正、故亨。是以畜牝牛吉也。

○離は麗(つ)く也。日月(じつげつ)は天に麗(つ)く。百穀草木(ひゃっこくそうもく)は土に麗(つ)く。

重明(ちょうめい)にして以(もっ)て正に麗(つ)く。乃(すなわ)ち天下を化成(かせい)す。柔中、正(せい)に麗(つ)く、故に亨(とお)る。是(ここ)を以て牝牛(ひんぎゅう)を畜(たくわ)えば吉なるなり。

離は一陰が二陽に麗(つ)く。一陰は虚心、二陽は身体。明鏡(めいきょう)の如(ごと)く曇りのない心と健康な身体があるので、明德が発現する。

宇宙を司る元氣は天地に分かれ、天の氣は日月星辰(じつげつせいしん)に麗き、地(土)の氣は百穀草木(ひゃっこくそうもく)に麗く。

離は太陽。日日に新たに太陽が昇るように、人は明智に明智を重ねて正しい道に麗く。すなわち君主が太陽のような明德を発現して、臣民を化育(かいく)すれば、文化・文明は生成発展する。君臣が柔順中庸の德を備えて正位に麗く。すらっと通る。

かくして、牝牛(めうし)のように柔順の至りを尽くせば、幸を得る。

象曰、明兩作離。大人以繼明、照于四方。

○明(めい)両(ふた)たび作(おこ)るは離なり。大人(たいじん)以て明を継(つ)ぎて四方(しほう)を照らす。

日日に新たに太陽が昇るように、明德に明德を継いで文明を継承するのが離の形。大人(聖人たる君主)は、先代の明德を継承し、天地と德を合わせ、賢臣と意を合わせて、普(あまね)く天下人民を照臨(しょうりん)する。

(占)冷静で頭が良く、文学の才能に秀でている。しかし、離は独立する者ではない。それゆえ、善良の友だちを選んで、共に力を合わせて、事業を企画すべきである。

例えれば、「薪(たきぎ)」は「火」の実体である。逆に言うと「火」は「薪」の運用である。「薪」と「火」が一つになって、実用化することができるのである。

占いを立てる人は、以上の理屈をよく会得して、あらゆる事に従うべきである。

また、火は物に付着して移動していく性質がある。それゆえ、始めは善き性質を持っていたとしても、互卦(二三四爻)巽の風が吹けば火の勢いが盛んになって善き性質が変化して、損害を及ぼすことがある。

さらに、「牝牛(ひんぎゅう)を畜(やしな)えば吉」という彖辞の言葉から推察すると、剛健で積極的な人と接するよりも,柔順な善人と接して、共に事業を計画するが宜しい。

また、目下に剛健で積極的な人が存在し、その人が原因となり人災を招くという意味がある。慎まなければならない。

○気持ちや意思(意志)が移ろいやすい象(かたち)。

○驕り高ぶる気持ちや贅沢を慎み、質素であることを思い考えるべきである。

○飛んでいる鳥が網で捕らえられる時である。

○罪人が捕まって手錠をかけられる象(かたち)。

○目の前の小さな事から利益を得られるであろう。宜しく思って速やかに対処すべし。ボヤボヤしていると勢いを失うという象(かたち)。

○文学の才能があり、智恵と明德を兼ね具えている。

○熟慮することなく、せっかちな性格で、失敗することが多く、人災を招くという象(かたち)。

○女性ならば、美人だという象(かたち)。

○網を使って押さえつけられ伏せているという理屈。

○離は弱い人が強くなるという象(かたち)。

○物価が上昇するという象(かたち)。