8月9日は長崎原爆の日。1945年の被爆から71年の歳月が過ぎました。
今年、私は初めて、非核協(日本非核宣言自治体協議会)主催の「おやこ親子記者事業」にボランティアとして参加し、「ナガサキ・ピースタイムズ」編集のお手伝いをしました。
9号目となる今回は、北海道から沖縄まで、9組のおやこ記者が参加しました。
小学4年生から6年生まで、最初は緊張の面持ちでしたが、すぐにお友達同士、学生ボランティアさんとも打ち解けていました。
最後は満足感とともに、よりたくましく成長した子どもたちの姿がありました。
私にも同世代の娘がおりますが、「親子ともども、爪の垢煎じて飲まねば…」と思うくらい、おやこ記者の皆さんの真剣な姿に心打たれました。
8月8日から10日まで取材や記事出稿を行い、11日には仕上がったゲラを手に、長崎市長らの前で報告会…という4日間のタイトなスケジュール。
酷暑の中、身体も頭も汗をかきかき、慣れない取材や記事作成を頑張ってくれました。
数日間で出来上がった記事は18本。
その中で、T君の記事の小見出しが「パパと仲良くすること」となっていました。
永井隆記念館の取材記事でしたが、この見出しと直接関連する記述が、本文にはありませんでした。
私は気になって「これはどんな気持ちから出た言葉かな?」と尋ねました。
T君はすぐに言葉にしづらい様子でしたが、お父さんと一緒に考えて、その見出しにつながるような文章を、もう一度練り直してくれました。
「ぼくがパパと仲良くすることが、平和への始まり」
…という言葉で、最後のひと段落を締めくくってくれました。
平和の第一歩は、自分自身が身近な人と仲良くすることから始まる。
「この子を残して」などの名著を残された、永井隆博士の子どもさんへの愛情が、気づきの発端だったようです。
まずは家族や友人と仲良くする。ごく当たり前のことで、つい忘れてしまいがち、でも実践し続けるのは非常に難しい。
人として生きていくうえで、とても大切なことに気付いてくれたことが、とても嬉しかったです。
お父さんのホッとしたような、なんとも言えない温かい表情が、とても印象的でした。