ハンガーに30年 | 心の風景

心の風景

心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

 以前タオルケットを寄付したJFSAというNPO法人から衣類等の寄付のお願いが来ました。

 

 そこで今回は父の残した多くのスーツを寄付しようと思い立ちました。「いつか着るかもな~」と長年思っていたのですが、とうとう一度もその機会はありませんでした。もうそろそろ処分してもいい頃です。

 

 これでまた断捨離が進むかと、ちょっと明るい気分になりました。しかも海外の恵まれない人の役に立てるのですから。

 

 ところが、その気分は直ぐに消え失せました。JFSAに限らないでしょうが、古着として再利用する場合は条件が厳しいようです。破れや汚れなどがあってはならないのです。

 

 スーツを調べると、何着かは虫食いの小さな穴が開いています。そうでないのもありましたが、すべてのスーツのズボンにハンガーの横棒の跡がついているのです。色落ちしたみたいに白っぽくなっています。これでは送れないと判断しました。ちょっとがっかりです。

 

 何しろたぶん30年以上ハンガーにかかったままだったのです。30年かかればこうなるのか、と普段は見ることのない時の流れを実感しました。

 

 というわけで、今はスーツ以外の寄付できるものはないかと、送られてきた受付品目一覧を見ながら、考えているところです。