何度も同じことを | 心の風景

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心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

 私は何度も同じことを言われたり、聞かれたりするのが苦手です。

 

 昔、塾の生徒の中には「先生、何歳」「結婚してるの」と聞いてくる子たちがいました。失礼な質問でしたが、当時は余り個人情報という考え方もありませんでしたし、私は気軽に答えていました。

 

 ところが同じ質問を何度もしてくる子もいました。3、4回目にはうんざりして回答を断わりました。答えても直ぐ忘れてまた聞いてくるでしょうし。

 

 最近、私の体格について言ってくる人が現われました。「今どき?」とは思いますが。それは悪口ではなく、親しみの表われでしょうが、何度も言われると、「いや、それ、もう聞きましたので」と答えざるを得なくなりました。私の顔には苦笑いが浮かんでいたと思います。

 

 さて、その件で連想したことがあります。それはアニメの「サザエさん」の一場面です。大昔の作品です😅。こんな感じでした。

 

 ある中年男性が庭でゴルフクラブを振っていると、家から和服姿の父親が現われます。そして「〇〇の戦いの話をしたことがあったかな」と息子に尋ねます。それは自分が従軍した戦いでした。息子が「いや、まだですけど」と答えると、父親は張り切って地図を広げて息子に説明し始めます。

 

 ところが、近所の人によると、それは毎日の光景で、息子は父親の楽しみを奪わないために「まだですけど」ととぼけていたのです。この場面はちょっと感動的だったので、よく覚えています。

 

 では、自分ならどうかと言いますと😓。認知症になってしまった親が喜ぶのなら、いくら私でも全面的に断わることはないと思います。でも、さすがに毎日は音を上げるでしょうね。「いや、明日聞くよ」などと言って逃げることもあるでしょう。