「日本人は意地悪だ」というテーマのネット記事を読みました。ところが、記事についてのコメントの方が興味深かったので、それをもとにこの文章を書くことにします。投稿者は研究者だそうです。
その研究者が聴衆を前に新説を発表すると、イギリスではその説を補足や発展させるような質問が来る。しかし、日本では「否定ありき」のような質問や枝葉末節にこだわった質問が来る。「新説が出るのを阻止したいのか」と余りの違いに驚く、というものです。
そのコメントに他の研究者たちも賛同していました。(もちろん異論もありますが)。私は研究者ではありませんが、納得するところがありました。
これは私見ですが、こういう心理が働くのでしょう。新説は、旧説を支持してきた自分の立場を否定しかねません。自分を守ろうとする意識から新説を攻撃するのかもしれません。
そして、新説が認められれば、提唱者は名を上げることになります。それは面白くないという嫉妬が働いて、新説をつぶしにかかるのでしょう。
ではなぜイギリスと違って、そんな心理が働くのでしょう。これも色んな意見が書き込まれていましたが、私の意見は、いつも通りで、日本人は変わるのをよしとしないから、です。稲作文化で、大昔から毎年同じことを皆と一緒にやって来たからです。だから、枠をはみ出す人を攻撃するんです。
では、どうすればいいのか。「異論も大らかに受け入れるようになりましょう」ということに尽きるのですが、これはまさに「言うは易く行うは難し」なんですよね。何しろ心の持ち方ですので。でも、それ以外には適切な方法はなさそうですから、気長に訴えていくしかないんでしょう。