災害の被災者や困窮者に食品を寄付する活動があります。ところが、ある記事によると、集まった食品の大半が実際には提供できないものだそうです。受け取る人のことを考えず、いわば「不要品処分」みたいに寄付されているようです。
これはかなり考えなければならない問題だと思いますが、ここでは、本筋からはずれるかもしれませんが、記事の中の1点についてだけ述べたいと思います。それはこういう一節です。
「賞味期限が切れているものでも構わないと呼びかけたところ、集まった食品のほとんどが賞味期限切れだった(略)」。
インタビューを受けている寄付に関わる人は、この現象を批判的にとらえています。
ところが、この記事のコメントには、これに対する反論が書き込まれています。簡単にまとめるとこんな感じです。
「『賞味期限が切れているものでも構わない』と言ったから、そういうのが集まったんじゃないですか」。何が悪い、という姿勢ですね。
寄付を呼びかけた側は、「最悪の場合は、賞味期限切れでもやむを得ない。でも、相手のことを考えたら、まずは期限内のものを寄付するのが自然な行為だろう」とでも予想したんでしょうね。期限内が8割くらいだろう、みたいに。ですから、ぼやきも出るわけです。
なんか、頭が痛くなるような問題です、私には。言葉通りに受け取る人がいても、責められないでしょう。そうなると次からは、「期限内のものを優先して寄付してください。それがない場合は期限切れでもけっこうですが」などと工夫していけばいいんでしょうか。
「相手が喜ぶようなものを」という発想が浸透していけば、こういう問題は解消に向かうでしょうが、それまで粘り強く呼びかけていくしかないんでしょうね。